上映当時、あらすじを聞いたときは「なんだその映画!骨太でめちゃくちゃ面白そう!」って思っていました。
しかし、タイミング合わずで鑑賞を逃し続けていたままだったのですが、最近ようやく鑑賞にこぎつけました。
上映が2010年だったようなので8年越しの再会ですね…
映画の冒頭は世界滅亡系作品にぴったりの暗めの映像で始まります。
文明も物資もなくなった世界で食料の確保は野生動物を自分で狩るって感じ、骨太で良いなと思ってがっつりとこちらの好奇心を掴まれたところで悪役が登場するんですね。
あ、他に人いるんだ。
「一人で歩き続ける」ってキーワードで勝手に人類最後の生き残りかなんかかと思ってたのですがバッチリ人類いるんですね…
なるほど、世界観は北斗の拳ですね。
それはそれで面白いんです。
モラルや法律などが存在しないのでただ力が支配する世界。
強いものが生き残り、主人公は異常に強い。
文明が滅んだことにより物の価値観がガラッと変わって、例えばシャンプーやウェットティッシュがとても貴重になっていて、それを得るために人を殺しちゃうような世界なんですね。
通貨も無価値になった世界なので基本は物々交換で、物をたくさん持っている人が持っていない人を支配する。
そういう世界観がしっかりと表現できていて素晴らしいなと思ったのがまぁ冒頭20分くらいですかね…
なんで今までの世界観で物語を貫かないんだ?
なぜいちいちじゃじゃ馬ヒロインを出すんだアメリカ映画!
「女にはこの旅は無理だついてくるな」
「止めてもいくわ!!」
勘弁してください…この展開…
せっかく冒頭で作り上げてた骨太な世界観が全部台無しだ…
アメリカンヒロインあるあるで、このヒロインが足手まといになってトラブルの原因にもなって主人公の旅を大いに邪魔するわけですよ…
でもまぁ、過度な期待を捨ててこのヒロインの存在に慣れてしまえばまだ楽しめます。
ヒロインがドタバタした結果、本を届ける理由もそこで巻き起こるミラクルも説得力が薄くなり、最終的には「別にその本は必要ないじゃん!?」って拍子抜けが起きちゃいます。
むしろ、本を手放してた方が安全に旅できたじゃんって。
ただこれは宗教観の強い作品であり、この本に対する価値って無宗教圏の日本人だとピント来ないのでキリスト教圏の方がみるとだいぶ受け取り方が違うのかも。
映像の雰囲気がよくて全体的にはよくできている作品だと思います。
キービジュアルから受け取れた骨太な作品を期待するとガッカリする映画ですが、ただのアクション映画だと思えばそれなりに楽しめるのでは?
典型的なじゃじゃ馬アメリカンヒロインが骨太な世界観をぶち壊して物語にツッコミどころを多く作っちゃうとても惜しい作品。
映像の世界観はよくできているので記憶には残りそうな映画です。
なぜあの本だけ残ったのか → 点字なのでぱっとみ白紙に見えて処分対象から漏れた
主人公は全盲なのに戦ってたの? → もともとは全盲、なので点字の本も読めてた。神のお告げがあって目が見えるようになった
主人公はなんであんなに強いの? → 神の加護