見た目だけじゃない!
変態機材愛好家にもオススメの個性的な機能を持つギターです!
手元にある個性的なギター「Italia Guitars Mondial Classic DELUXE(イタリアギターズ モンディアル クラシック デラックス)」についてご紹介します。
このギターは2004年にItalia Guitarsというメーカーから発売されているルックス重視のじゃじゃ馬ギターです。
Italia Guitarsはビザールな感じの個性的なギターをいろいろ製造しているメーカーで、名前からイタリアのメーカーかと思いきや、韓国のメーカーという知らなければだまし討ちを食らっちゃうようなところもじゃじゃ馬なポイント。
これ、メーカーの商品名的にはMondial DELUXEのはずなんですが、様々な楽器屋さんがMondial Classicって表記してます。
Mondial Classicというのは似たギターでボティートップが樹脂っぽいカラフルなやつで本体のエレアコ用のEQが3連スライダーではなく二つのトーンノブになっているモデルです。
EQが細かくつつけるのでこちらがDELUXEっていうラインナップ設定なんだと思います。
だいぶ前にルックスに一目惚れして企画バンドでは何度か使っていたけどお部屋の飾りのようになっているギターです。
すっごい気に入ってるんですが自分のプレイスタイルだと弦のテンションがゆるくて難しいんですよね…
でも、オンリーワンの機能があるすごいギターなのでぜひこの先を読み進めて行ってください。
遠目にみると「Fender」感があるロゴデザインなので「Fenderってそんなギター出してるんですか?」と声をかけられたこともあります。
アニメオタクからは「それ、ハルヒギターですよね!?」って声かけられたり(知らずに買った)
青春邦画オタクには「それ、リンダリンダリンダのギターですよね?」って声かけられたり(知らずに買った)
そういう色眼鏡で見られると好き嫌いは別として使いにくくなっちゃうんですよね…
特に、私はアニメオタクなので「当然、ハルヒを見て買ったんでしょ?」って思われるのが辛いのですが、アニメオタクなのにハルヒは全然通ってないんですよ…(謎の主張)
中国や韓国の楽器で定価10万円超えのものは時々不気味なオバケみたいなすごい機材があって、このギターも完全にそれです。
後ほど詳しくお話ししますが、エレキギターですがピエゾでエレアコ風の音も出せちゃうんですよね…
フレットマークも可愛いんですよね。
マグネットピックアップはWilkinson WVCのハムバッカーが二つ。
セレクタでフロント、リア、ミックス(センター)の切り替えができます。
マグネットのボリュームとトーンがついていて、3つめはピエゾの出力ボリュームでこちらはセンタークリックがついています。
ネックの付け根の上にあるのがエレアコモードに使用するEQです。
シールドアウトはマグネットとピエゾで別れています。(次の写真)
このサドルの下にピエゾが埋め込まれています。
ちなみにこのサドルは初期モデルは木製だったみたいです。
この金属製サドルの下にピエゾを入れ込む方式ですが楽器に詳しい方に聞くと「流石に無理がある」とのこと。
実はこれ、新品で購入してからピエゾ部分を初期不良として二度修理に出してるんです。
金属のサドルとピエゾを密着させるのが難しいのか、弦によって出力がない部分があったりしたんですね。
購入店は当初「EQで対応すべきもの」という一点張りでしたがメンテナンスをやっている別の楽器屋さんに相談したらピエゾの出力がちゃんとできてないということで購入店に事情を再説明して一度送りました。
その時はメンテナンスで対応ということになったのですがピエゾ自体の不良だったようで改善されず。
もう一度修理を依頼して今度はメーカーにてサドルごと交換してもらって音が出る状態にたどり着いたというものです。
こういうわけのわからない仕様の楽器って大好きなんですけどピエゾの音が思うように出ないという問い合わせは多いそうで販売店泣かせの仕様かもしれませんね…
もう一つ困ってるのが弦のテンションが低くてサドルの溝も浅いため激しく弾くと5弦や6弦がサドル落ちするんですよね…
ナンバーガール以降のジャズマス人気のおかげでサドル落ちとのおつきあいが上手な人は多そうですが自分には困難なポイントでした…
このギターを購入した一番のポイントが「サドルにピエゾピックアップが仕込まれていてエレアコ風の音も出せる」という点です。(音は後ほどご紹介)
さらに、マグネットピックアップとピエゾピックアップの出力が別れていて両方のピックアップの音を別系統で同時に出せるというのが面白かった!
企画バンドではいろいろ実験的なことをやっていたのですがその中で一番面白い使い方をしてたのはドラムとギターのツーピースバンドの時でした。
マグネットの音をギターアンプに、ピエゾの音はオクターバーをかましてベースアンプから出して音に厚みを持たせるという方法で使っていました。
フレーズが別れる訳ではないので想像以上に音はごちゃごちゃしちゃいましたが、カオスな音の厚みを出せるという点ではめちゃくちゃ面白かったですね!
マグネットとピエゾでボリュームが独立しているので、いらない方の音はボリュームをゼロにすれば消せるっていうのも面白かった!
この使い方、今やってるバンドでも取り入れてみても面白いかもなぁ…
クリア音源はLogicXのVOX風アンプをつまみフラットの状態&ゲインゼロで収録しています。
歪み音源はその状態からオーバードライブ+アンプのゲインを上げて収録しています。
本体側はボリュームもトーンも全開で。
セミホロウなので全体的に丸っこい音がしますが、リアだと艶のある音になるので本体のセッティングとアンプのセッティングで割と万能に対応できそうです。
このギターの最大の特徴はエレアコモードですがセッティングを工夫しないとエレアコっぽい音にはなりません。
ペナペナしたりジャリジャリした音になりがちです。
あくまで雰囲気エレアコって感じですね。
シャリっとして深みがない感じの音でエレアコ的な響はないです。
ただ、このクセのなさがバンドやレコーディングで嫌味なくほんのりとした厚みを出すことができます。
設定はこんな感じ。
上から低音、中音、高音で低音をしっかり上げて高音のガリガリした部分をカットしたらだいぶエレアコっぽい音がします。
力強いボーカルの人が弾き語りするには力不足な感じがありますが、優しめの声の人なら邪魔されず気持ちよく歌えそうです。
音質にこだわる方にとっては「マグネットも含めてどこをどう使おうとしても中途半端」という結論に帰着しそうですが、飛び道具的な使い方として見ればこのギターじゃなきゃできないことがたくさんあって想像力は刺激されますね!
こういうじゃじゃ馬なギター、私はめっちゃくちゃ好きです!
BODY : | Alder |
NECK : | Hard Maple |
FINGERBOARD : | Rosewood, 22Frets |
SCALE : | 636mm |
NUT : | Graphite / 43mm |
JOINT : | Set-neck |
PICKUPS : | (Neck) Wilkinson WVC Humbucker (Bridge) Wilkinson WVC Humbucker |
BRIDGE : | Tune-Matic(w/Piezo) /Italia Trapez |
CONTROLS : | Master Volume, Piezo Volume Master Tone, 3 Band EQ Toggle Pickup Selector |
COLOR : | 2 Tone Sunburst |
PRICE : | 115,000yen(without TAX) |
with Gig Bag |
このギターを持ってるのは界隈では自分だけだろうなーって思ってたんですが、エーレフルヒトってバンドを始めた時にボーカルのともみさんが同じギターを持ってたんですね。
ツインギターで二本とも同じギターっていうのはアレなので自分が弾く機会はぐんと少なくなりましたが、同じ頃にこのギターを選んでいたというセンスに運命を感じたりもしました!
新品の日本販売は在庫分のみかなという感じでだいたい10万円切るくらい。
中古はかつては3万円代とかもありましたが最近は希少化してるためか並の状態でも6万円を超えるものが多いようです。
中古品は上記の通りピエゾ出力の不良に注意する必要がありそうですが、メルカリやヤフオクだともう少しお安く手に入る可能性がありそうですね!
あと、ピエゾ用の9V電池を裏に入れるのですがこのソケット周りが破損しやすい箇所なのでそちらの状態にもご注意を。
見た目だけっぽいギターに思われがちですがとても面白い楽器なので、ヘンテコ機材マニアの方にはぜひ触ってみて欲しいです!