品質に対してお値段が優しいということで私を含めた一部のユーザーに人気のメーカーMOOERですが、そこから発売された小型ボリュームペダルをご紹介します。
特徴に関しては公式サイトや販売店で多く触れられていますので私はデメリットに関しても踏み込んでお話しします。
実売価格は税込1万円前後、中古市場だと「完動品が4000円以下で出てたらラッキー」というくらいのお値段感覚です。
長辺13センチという大きさでボリュームペダルとしては小ぶりなサイズです。
小さいエフェクターは踏む時に動いたりひっくり返ったりするんじゃないかという心配がありますが、重量は460グラムと見た目のイメージよりもずっしりとした感じです。
このずっしり感と筐体の美しいメタル感が高級感に繋がって見た目も触り心地も素晴らしいです。
裏側には頑丈なゴム足がついていますし、専用のマジックテープも付属していますのでめちゃくちゃ荒っぽい使い方をしない限りはひっくり返るようなトラブルはないかなと感じました。
このボリュームペダルの最大の特徴は…
折りたたまれている踏む場所(ペダルリング)が開くという点ですね!
しょうもないじゃんと思われるかもしれませんが、ギリギリまでのコンパクトさを追求する人にとってはオンリーワンレベルに嬉しい仕様だと思います。
ペダルリングは結構硬いので爪で開こうとすると負けちゃうと思います。
パッケージ写真のようにピックで開くのがおすすめです!
ピックが引っかかりやすいような溝がついているのでピックを使えば難なく開きます。
閉じたままでも使えるし、ふたつあるペダルリングの片方だけを開いて使うこともできるので、足元のスペースや演奏スタイルに合わせていろいろな使い方ができます。
この仕様が気に入ればこれを買うしかないという感じのアイテムなのですが、検討すべき部分もいろいろとありますので購入を検討されている方は読み進めてください。
アクティブ回路を使用しているため9Vセンターマイナスのアダプターが必須です。
デメリットに感じる方もおられるかと思いますが、アクティブ回路のボリュームペダルには接続機器や設置順序をさほど気にしなくてもいいというメリットもあります。
BOSSの有名なボリュームペダルは接続順序に合わせてペダルを選ぶ必要があったので、使い方によってはローインピーダンスとハイインピーダンスのものを2種類用意しなければならないです。
しかし、このMOOER Levelineでしたらその辺りを気にせず何にでも使えます。
音量の最小値、最大値の設定はできず全部踏み込めばボリューム全開、全部戻せばボリュームがゼロに近づくようになっています。
本体が小さいためペダルの動きも小さく、その小さい動きの中で狙った音量に定めるのはなかなか困難に思えます。
ちょっと重めの踏み心地なので慣れれば踏み込みすぎなどを防いで調整できそうですが、素早く音量を変えるのは難しく精密な足捌きが必要です。
慣れるまではオンオフスイッチくらいの役割にしかなりません…
また、このペダルの動きの重さが個人的なネックになっており、私はギターとボリュームペダルを使って小刻みなバイオリン奏法のようなことをすることが多いのですが、小刻みに対応しやすい踏みの重さではないんですね…
本体重量がずっしりで倒れにくいと紹介しましたが、小刻みなバイオリン奏法に使おうとするとひっくり返しそうになることが多かったです。
この辺りは特殊な用法なので普通に使う分には不自由がないと思いますが、足元でのバイオリン奏法に導入しようとしている方は要検討ポイントかと思います。
私はBOSSの有名なボリュームペダルのふにゃふにゃともパカパカとも言えるあの軽い踏み心地に慣れすぎているので使い心地のさは大きいと感じました。
スタジオ練習の時などは徒歩で機材を運んでいるのでちょっとでもコンパクトにちょっとでも軽くしたいという思いが強いです。
MOOER Levelineはコンパクトさなら最高なのですが重量はしっかりとありBOSSの有名なボリュームペダルと比べて60グラムほど重いです。
ボリュームペダルだけを使いたい時でもACアダプタを一緒に持ち歩かなければならないので、使い方によっては逆に嵩張っちゃうのも難点ですね…
ボリュームペダルをどのように扱うか、ボリュームの調整にどのような重要度があるかによってLevelineの評価は大きく分かれると思います。
私は足元で細かくバイオリン奏法のように使いたいと大体の音量でいいので素早く狙った音量に調整したいというニーズが強かったためLevelineは合いませんでした。
使い込んで機材に慣れれば印象も変わったかもしれませんが、学習コストに見合うだけのリターンがないかなと感じたので元のボリュームペダルに戻っちゃいました。
ただ、このLevelineはかなりいい商品だとも感じています。
先に述べたデメリットをメリットと感じる方もおられると思います。
ACアダプタを常に持ち歩いている人で機材の面積を小さくしたい人、ボリュームの調整がマックス・なんとなく小さめ・オフのざっくり三段階くらいで良いと感じてる人、無音時のノイズ対策としてボリュームペダルを組み込んでる人、変形ギミックが好きな人などには有力な選択肢になると思います。
表題の「自分には合わなかったけど他人には選択肢として提示したいアイテム」の理由がこの辺りです。
こういうものが選択肢として存在すると知っているだけでも心強いアイテムだと思います。