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[レビュー]HG 1/72 特大型装甲特殊運搬車(境界戦機)

概要

放送中のテレビアニメ「境界戦機」に登場する特大型装甲特殊運搬車がプラモデル化されました。
境界戦機」は「工業デザインの側面から新たな視点を取り入れることで、関節構造など今までのロボットプラモデルとは違うアプローチで再現」というのがテーマだそうで、この特大型装甲特殊運搬車も工業デザイナーでありカーデザイナーであるKEN OKUYAMAさんのデザイン検証を受けたそうです。
ロボットの運搬車というだけでもプレイバリューが高そうな商品なので詳しくご紹介してゆきたいと思います。

ちなみに、まだ私はアニメの1話しか見ていないのでこの特大型装甲特殊運搬車が活躍するところには辿り着いていません。
もしも知識不足で的外れなことを書いていたらご容赦ください。

発売元バンダイスピリッツ
シリーズHG
価格3,300円(税10%込)
発売日2021年11月13日
対象年齢15才以上

パッケージ

一目でそれとわかるいい意味で無骨なイラストです。
面白そうな商品なので転売屋の餌食になるのではと不安だったのですがそこは境界戦機と言ってしまっていいのか店頭にた〜っぷりとありました。
Amazonなどネットショップでも送料込みの値引き額で販売中です。

パッケージは結構大きくて厚みがあります。

遊んでるイメージが湧く遊び方の提案みたいな商品写真は良いですよね!

ガンダムシリーズではあまり目にすることがなくなってきた箱横の商品ラインナップがなんとなく懐かしいです。

パーツ構成

昔のMG(マスターグレード)のような価格&サイズ感なのでけっこう作りがいのあるキットなのかなと思っていたのですが、そこは完全に肩透かしを食らいました。
パーツがでかいだけと言ってしまっても良いような構成で、プラモデルに慣れている人なら20分もかからず組み上がると思います。
後輪なんて、車軸の一本棒にワンパーツのホイール&タイヤをぶっさすだけの子供のおもちゃみたいな構成ですね。
じゃぁ後輪に関してどういう構成ならよかったのかと言われるとなんともいえないのですが、パーツ構成がざっくり&あっさりしすぎてびっくりしました。

特大型装甲特殊運搬車

20分かからず組み上げたのがこちらです。
フォルムはなかなか素晴らしく、世界観や遊びの幅を広げるにはすごく良い商品だと思います。
シンプルなパーツ構成を「少ないパーツ数でこれだけのハイクオリティなものが作れる」というポジティブに解釈できるかと思いますが、私は「プラモデルとしてはかなり物足りない」という気持ちが強かったです。

私は「今後塗装するかもな」と考えて素組みにシールを貼らないのですが、今回はあまりに寂しかったのでシールも貼りました。
メタリックオレンジっぽい部分はシールですね。
これ系の他の例と同じくシールの粘着力はイマイチなのでこだわるのであればパーツ自体の油脂をしっかりと拭き取ってから貼るのが良いでしょう。

勝手な思い込みでガッカリしたポイントはトラックの荷台の上に蓋がなかったことですかね…
原作のデザインも知らずに勝手に蓋があると思っていたのでクソデカ軽トラみたいな仕様にはびっくりしました。
ただこれは商品パッケージの通りですし私の勝手な思い込みと勝手な期待ということで。

真横から見るとこんな感じで荷台が大きめなのがよくわかると思います。
トラックの前輪はステアリングロッドがついていてハンドルを切るように片方のタイヤを動かすともう片方のタイヤも揃って傾いてくれるようになっています。
後輪は先述の通りワンパーツのタイヤに一本棒をぶっさすだけの最強にシンプルな構造です。
(ただし、タイヤの造形自体は悪くない)

先頭車両には搭乗用の扉があるのですがワンパーツなので開閉しません。
バンダイのプラモデルということで、当然この辺りは開くんじゃないかと期待していましたのでここもちょっと残念…
ちなみに、搭乗口はこっち側にしかありません。
反対側から運転席に乗れないので乗るために必ずこっちに回り込んで扉を開けるのってリアルで考えたらめちゃくちゃ効率悪くない?って思っちゃいました…


真正面からみるとこんな感じ。
写真ではわかりにくいのですがちょうど良いくらいの透過度のクリアパーツが美しいです。
タイヤの前にあるライトの部分はシールを貼ってからクリアパーツをはめるようになっていますが、私はシールを貼り忘れてクリアパーツをつけてしまい、クリアパーツが外せなくなりました…
素組派の方が気をつけるべき唯一のポイントがここかと思われます。

後ろから。
荷台の横の装甲はプラパーツの嵌め込みで軽くロックできるようになっているのですが、あまり強くないのでちょっとガシガシ遊んでると写真のようにすぐに浮いてきちゃいます。
ライト類は全てシールで下部中央は連結パーツの接続ポイントです。

キットを複数買えば連結パーツで荷台を繋げられるようになっているので買えば買うほど列車のように連らせることができそうです。(動力車がそれを引っ張れるかどうかっていうリアルな話は無視して)

正直、先頭車両は二つも三つもいらないので荷台だけ別売りしてくれたらよかったなぁ…
スポット作品の商品なので1年くらい売れ残ればワゴンセール行きが濃厚かなとも思えるので、もしも半額セールなどがあればあと2セットくらいは買いたいです…

荷台横側の装甲はずらして下に下げて上部を外側に広げることができます。
ロボットが乗った時に乗り降りしやすいようにするための仕組みですね。

荷台は先頭車両と軸接続なのでトレーラーのように旋回できます。

荷台先端と先頭車両の後部接続部分に連絡通路の扉のようなものが見られます。
運転席からここを通って荷台に移動できるんでしょうね。
ただし、先述のとおりどちらも扉は開きません。

裏からみたところ。
下側も装甲に包まれていてメンテしにくそうだけど戦地での荒々しい運用が想定されているのが伝わるデザインです。

先頭車両の注目ポイント

運転席の防護シールドが上下に可動します。
特にクリックなどがあるわけではないので防護シールドは稼働範囲の中で好きな位置に動かすことができます。
防護シールドを一番上まで上げるとセンサーのような部分が露出しまして、このセンサーはクリアパーツの下にシルバーのシールが貼られている状態です。

先頭車両の天井はパカっと外すことができて、中に運転席や居室が再現されているのがよくわかります。
このスケールにあったフィギュアがついていたらより遊びの幅が広がったのにそこも惜しいところ…

ちょうどよさそうなフィギュアとして、ガンプラMG(1/100)のパイロットフィギュアを乗せるとこんな感じです。

オプションパーツ

荷台の連結パーツとケンブの武器である腕部超熱振式戦闘爪がついています。

ケンブの武器ですが私の手元にあるメイレスジョウガンにつけることもできました。
ただ、肩の部分が干渉してその干渉をかわしてから動かさなければならないのでスムーズに遊べるという感じではなかったです。

ロボットを乗せてみる

同時販売されたものを同時購入したメイレスジョウガンを載せるとこんな感じ。
ピッタリ収まってるようですが肩の先端パーツなどを外さないと横幅的に収まらないという最高に残念な仕様でした。
まだここまでアニメ見てないけどメイレスジョウガンを載せる時にいちいち肩の黄色い部分を外してるのかしら…
外してるんなら作中通りということですが、外してなければ商品仕様が残念すぎる…
専用の機体くらいはストレスなく収納できる仕様で販売して欲しかった…

機体を乗せるときは腰から下を180度回転させてお尻のリアアーマーを前に持ってくるような形にします。
上空から何かが落ちてきてもこの分厚いリアアーマーが下半身を守ってくれるような設計ですかね?

荷台に乗せるときはこんな感じでメイレスジョウガンを変形(?)させます。
最適位置に固定されるとかがないのでこの形をベースに荷台に収まるように形状を調整するみたいな作業です。
写真のものは一つ忘れていることがあって、胸上部の装甲板を立てて頭部の顔面部分をそれで守るようにするのが正解です。
触っている人間にとっては実感がある部分ですが、見た目だけでいえば誤差のレベルです。

私はどちらかといえば特大型装甲特殊運搬車を他のおもちゃと組み合わせて遊びたいと思っていました。
専用に設計されたロボットがきちんと収まらないストレスを抱くよりも、手持ちのおもちゃでピッタリとはまるものを探して遊んだ方が私的には楽しかった。

RGザク(1/144)はこの通りピッタリと入りました。
「ザクトレーラー改」とか名付けて遊ぶと楽しそうだったのですが、この頃のRGは動かすたびにパーツがどこかポロリするようなやつだったのでガシガシ遊ぶにはちょっとストレス。

私のお気に入りのRGビルドストライクも綺麗に収納できました。
こちらはポロリに比較的強いRGなのでガシガシ遊べて楽しかった!

バックパックがゴテゴテしていないシンプルな形状の1/144スケールガンプラならぴったり収納できるものが多そうですが、RG νガンダムみたいに明らかに身長が高いものは全然無理でした。

スケールなどを無視してモビルスーツアンサンブルを乗せてみました。
取り回しもいいしこれはめちゃくちゃ楽しい!

まとめ

「今のバンダイならこれくらいはやってくれそう」みたいな期待を抱きすぎてしまうとかなりガッカリする商品かもしれません。
パーツ構成が大味でざっくりというのが大きな原因ですが、ここは「プラモデル初心者でも簡単に作れる」というメリットとも言えるのでなんともいえないところです。
パトレイバーのレイバーキャリアみたいな機能的に完成した専用車両を期待するとガッカリするかもしれませんが、汎用的なでっかいトラックのおもちゃが簡易的なプラモデルになっているくらいの解釈であれば満足が行くかもしれません。
ガシガシ遊ぶのが好きな人にとっては遊びの幅を広げるアイテムになると思うので、気になるなら在庫があるうちに手にしてみるのがいいかもしれませんね!
スポット作品のプラモなので作品放送中を逃すと再販も期待しにくそうなので…

こねこ星人