2021年の秋にバンダイのホビーネクストフェイズで発表されて大きな話題になったRGゴッドガンダムが2022年の8月にようやく発売されました!
当初は2022年6月の発売ということでしたが、生産数確保のためか発売が2ヶ月くらい延期されて8月の発売となりました。
そのおかげか、発売日は店頭在庫も多くみられ翌月にはすでに再販も決まっているということで今までのような「欲しいガンプラが全く手に入らない」という状況が少し改善されたように見えました。
この調子でメーカーが積極的に高額転売屋を殺していってくれたら本当に嬉しいんですけど、Amazonをはじめとしてネットにはまだまだゴミ虫のような転売屋がわらわらと湧いていますね。
目先の利益だけを追求するのであれば誰が買おうが関係ないかもしれませんが、ファンを育てながら長く商売をするのであればメーカーも小売店も転売屋対策に本気を出さなければならないのです。
転売屋はコンテンツを殺す大きな要素の一つなのだから。
なお、念のためにお伝えしておきますと、転売屋等非正規ルートから購入したものは未開封であっても中古品と同等に扱われ、万一不良品であってもメーカーの対応を受けられない場合もあります。
転売屋はいけしゃーしゃーと「不良があった場合はメーカーに連絡してください」などと書き添えていますが、上記の通りメーカー対応が受けられない場合もあり、正規ルートで買ったと偽ってメーカー対応を受けた場合は詐欺罪に問われることもあります。
転売屋を殺すには社会全体が一丸となって転売屋からは購入しないを徹底するのが一番なので、欲しいけど手に入っていないという方もくれぐれも慎重なご判断を。
※この紹介記事内にもAmazonのリンクを貼っていますが、高額転売屋による定価を大幅に超える出品が多数ありますのでご注意ください。
Amazon直販の正規ルート商品が用意されていればリンク経由で購入いただけたらなと思っています。
ガンプラのRGシリーズは2,750円(税10%込)が中心で大型モデルや特殊ギミックがあるものが高めになるという印象でしたので、今回のゴッドガンダムは3,850円(税10%込)と少しお値段が高いという印象を持ちました。
しかし、振り返ってみると初代RGであるRX-78-2 ガンダムが発売されたのは2010年07月24日だそうで、RGシリーズはもう12年にもなるんですね。
値上げが始まったとしてもおかしくないくらいの歴史を重ねてますね。
RGシリーズもリリースを重ねるごとに進化や変化を感じられるものになっていますが、今回のゴッドガンダムもRGシリーズの変化(進化かどうかは賛否が分かれそうなので)を感じるものでした。
価格 | 3,850円(税10%込) |
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発売日 | 2022年08月13日 |
対象年齢 | 15才以上 |
比較的ガンプラに慣れている自分がちょいちょい写真を撮りながらのんびり組み立てて3時間くらいでした。
指示通りにデカールを貼るところまでやるとこれからさらにプラス1時間以上くらいという感じかな?
RGに慣れていない人だとパーツの細かさやもろさに対する力加減ミスで破損等のリスクがありますが、RGに慣れている人なら特に難しい部分はなかったです。(人によっては顔の組み立てに苦労するかも)
ただ、後述しますが金メッキ仕様のハイパーモードを出す気満々のアンダーゲートが多数あるので先が細く切れ味の良いニッパーは必須かと思います。
パッケージはいつものRG準拠のデザインで大きさもRG初代ガンダムと同じでした。
両肩のマシンキャノンのカバーの関係か、ゴッドガンダムって首から上をアップで見るとかなり白が強めの印象なんですね。(新発見)
箱の横にはこれでもかっていう情報量で小さめの写真とみっちりと文字があります。
日本語と一緒に書き添えられている英文に関しては読ませる気がないですってくらい小さなフォントです。
最近はネットで事前に商品知識を得ていて店頭にあれば飛びついて買うという人が多いと思うので、こういう「買おうか悩んでいる人向けの商品PR」みたいなのをじっくり読まれる機会も少ないのではと思うのですが、メーカーの商品に対する愛や熱量が伝わる部分でもあるので個人的にはめっちゃ好き。
RGなのでパーツはかなり細かく、細かいパーツでもモールドが高密度です。
この小さいのにめちゃくちゃ高密度な感じが「RGを見た後だとMGが間伸びして見える」という病気を引き起こす一因でもあります。
私もRGに出会ってからはMGを作らなくなっちゃった。
RGの特徴のひとつである「リアリスティックデカール」は今回もバッチリ付属し、肉眼では読むのが難しいレベルの漢字などもありますね。
今回のレビューではほとんど貼っていまっせんが、RGシリーズはキラッと輝くメタリックデカールが装甲の隙間などからチラチラ見えるのがとてもかっこいいんですよね。
これ、拡大写真なのですが現物はかなり小さいのでデカールを貼るためには先の細いピンセットが必須です。
私は100均一などにあるネイルアート用のピンセットを使っていますが、100均のものは当たり外れが激しく、ものによっては先がしっかり閉じずに細かなものが全く挟めないので、作業効率と仕上げ品質を上げたい方はしっかりとしたツールを用意するといいかも。
ネット通販もまた地雷が多いので、自分は迷ったらタミヤのを買うようにしています。
タミヤならプラモデル作りとして平均以上の信頼度がある製品であることが多いので。
あと、RGのようにかなり細かなパーツのプラモデルを作るのならケロロニッパークラス以上のものが必要だと思います。
ことあるごとにケロロニッパーを紹介していますが、100均のニッパーを使っている人のお手軽な買い替えにはほんとこれがおすすめです。
刃が薄くて切れ味も良く細かな部分も切れて、お値段に対する品質がかなりいいです。
RGゴッドガンダムで「ここのゲート、ケロロニッパーで行けるのか!?あ、ギリギリ行けたわ!」って箇所が膝アーマー横のアンダーゲートの処理でした。
これ、実物は本当に小さな隙間なので刃先の太いニッパーや100均ニッパーだと難しそうな部分でしたがケロロニッパーならギリギリ行けました!
ここが手持ちのニッパーで難しいという人はデザインナイフで処理すべきゲートですね。
高くて切れ味のいいニッパーは求めればキリがなくなりますが、プラモデル作りの一つの基準かつ標準的ツールとしてはケロロニッパーはかなりおすすめです!(ベテラン向けではなく100均ニッパーで苦労している人向けのおすすめ情報)
あと、RGを組み立てるのはデザインナイフがあればより良いという感じですが、これは100均のものでもあまり困らない印象です。
ゴッドガンダムの組み立てに関しては、「デザインナイフでやれば綺麗にできそうだけど取り出すのがめんどくさいからまずはケロロニッパーで整えてみよう、あ、ケロロニッパーでいったんいけたわ」って感じでデザインナイフまでは使いませんでした。
ランナーは小さなものも含めると11枚で対象ランナーや派生ランナーがありますが余剰パーツはナシ。
ホワイト系でも濃淡が違う数種類の成形色が用意されていて、装甲の重なりを感じさせる仕様になるのがRGの特徴の一つです。
多色成形のAランナーにはパール成形の手のひらパーツもあります。
RGの特徴である組み立て済み成形ランナーであるアドバンスドMSジョイントですが、今回は腕パーツのみとなっています。
「1」「2」が肩で「3」「4」が前腕から手のひらパーツです。
初期のRGは組み立て済みの共通フレームでサクサク作れるのが楽しかったのですが、いつ頃からかこの技術は申し訳程度に使われるだけのものになっちゃいましたね。
あとは綺麗なグラデーションで発色のよい日輪エフェクトがついています。
クリアファイルのようなPET素材なので軽く、組み立て時に軽く曲げても跡が残ったりしないという有能な素材です。
一方で厚みがないので立体感を出しにくい素材なのですが、日輪エフェクトは三つのパーツを3段重ねすることで奥行きと色の重なりを楽しむことができました。
有能!
いつも通り小さいサイズに高密度のハイディテールで撮影が難しいRGです。
拡大写真なので伝わらないかもしれないけど、ほんと小さくて顔の組み立てとか苦行に近いのです。
でも、不思議ですよね…
RGの組み立てって苦行に近いほど楽しいんですよ…
付属品はハンドパーツ複数にゴッドスラッシュ(ビームソード)のビーム刃と日輪エフェクトです。
ハンドパーツは基本的にボールジョイント接続ですが、アドバンスドMSフレームの抜手のものだけ手首に軸があり180度くらい曲がるようになっています。
日輪エフェクトがしっかりと十分な大きさでいいですよね!
プロポーションに関しては賛否分かれそうなところで、個人的には手足が細い割にそれ以外が大きめに見えてずんぐりむっくりな印象を受けました。
たぶん、フロントアーマーやふんどしがシャープで長いので短足に見えちゃうのかな?
肩アーマーもお大きすぎるのかもしれない。
でも、日本の格闘家っぽい体型と言われるとこれが正解にも見えてきます。
後述の股関節の機構で、脚を伸ばすことができるのですが伸ばしてもなんか短く見えちゃうんですよね。
二の腕が細いのも気になりますが、見方を変えれば「メリハリのあるプロポーション」なのかもしれません。
コアランダーなしだとこんな感じです。
股関節周りに工夫があって、まず腰のサイドアーマーがリアアーマーにくっついていて脚の可動から自由にかわせるようになっています。
また、股関節の軸受けの穴が左右独立して前方下側に動くようになっています。
この仕組みにより股関節周りの可動域が劇的に上がっていますね。
自立しながらキックもできます。
フロントアーマーが長めなのでやはりちょっと短足に見える?
フロントアーマーは可動軸がいくつか仕込まれていますので左右に開くことはできますが、脚の跳ね上げには邪魔になりますね。
膝は昨今基準でしっかりと曲がるので正座も余裕です。
スリッパはつま先部分だけが独立してロールします。
これらの機構のおかげでほぼ180度開脚可能です。
ここまでやることはそうそうないけどここまでできるのがすごい!
下半身がガシガシ動くので踏ん張りポーズのようなのもできます。
自立も難しくない構造ではありますが、撮影中に動かしただけでも足首がややふにゃふにゃし始めて自立が難しくなりました。
背負いもの大きめのRGの宿命かもしれないです。
上半身の可動もえげつなくて、肩関節が折り畳みのようになっているので腕の付け根をぐんと伸ばすことができるようになっています。
そして、胴体側のボールジョイント受けを前に迫り出すことができるので腕がかなり前に出ます。
これらの構造を駆使すると、反対側の肩を押さえられるくらい腕が伸びちゃいます。
腕の調子が悪いいててててみたいなポーズも余裕ですね。
そしてもちろん腕組みポーズが余裕でできます。
かっこいいじゃん!
両脚をすくっと伸ばして立たせて、右腕の肩関節だけ伸ばして展開させたらこんな感じです。
やっぱフロントアーマーと肩アーマーが大きいのかな?
細いのか太いのかスタイリッシュなのかわからないプロポーションはあまり自分好みではないです。
首も前後にめちゃくちゃ大きく倒すことができます。
特に前側には落ち込みまくりの限界鬱状態くらいまで倒せますね。
指カバー(ゴッドフィンガープロテクター)は展開できるだけじゃなくて指や爪もボールジョイント接続で可動します。
わかりにくいのですが指カバーの親指部分も軸で動きます。
指カバーが簡単に着脱できれば遊びの幅が広がりそうだったのですが、接続アームは挟み込みなので簡単に着脱はできませんでした。
ピンボケ恐縮ですが、肩のマシンキャノンや胸部は差し替えなしで開閉可能です。
マシンキャノンのカバーの接続軸は背中の溝にぱちっと嵌め込んでの可動が実現されており、ここの構造や細かさや密度には興奮しました。
胸の宝石(エネルギーマルチプライヤーゲート)はお好みのシールを貼ってからクリアパーツを被せる方式で、クリアパーツを被せると2度と取れなさそうな構造なので、シール選びの熟考と決断に加え慎重な作業が求められます。
肉眼で見えるような部分じゃないのでざっくり作業をしたら、拡大撮影すると中のシールが思いきりずれていました…
でも本当に小さな場所でクリアパーツがジェルシールのように光を反射するのでたぶん「ずれてるでしょ?」って他人に見せても肉眼では理解してもらえないレベルだと思います。
RGゴッドガンダムは私が見落としていない限りは関節に連動するスライド装甲ギミックが無くなっています。
ふくらはぎのスラスター展開ギミックはありますのでハイパーモードでお楽しみいただけます。
ちょっとわかりにくかったので具体的な写真は割愛ですが、肩のアーマーもハイパーモードの再現で少しだけ開くことができます。
肩のアーマーを開いた奥のフレームに金ピカシールを貼るようになっており、このシールを貼っておけば隙間から金ピカが見えてわかりやすくなる部分ですね。
本サイトは基本的に素組レビューであるのと、のちほどしっかり作り込みたいので今回のレビューでは目と胸のエンブレム以外、シール類は全て未貼り付けとなっています。
ゲートを処理したり墨入れが終わったらシールを貼りたいと思います!
腰は2軸で前側にも後側にも引き出しながら大きく倒せるようになっています。
すごいけど稼働軸はふんどし正面に固定されているため腰の捻りについてきません。
この大きな前後スイングを活かせるポーズは限られてくるかも。
腰回りは動かしすぎると腰骨まる出しみたいに腰が浮いて見えるような状態にもなります。
RGゴッドガンダムは全体的によく動くけどかっこよく見える可動範囲は限られているなという感じです。
細かいけど嬉しいポイントがお尻にあるスタンド用がスライドカバー(装甲)で隠せることです。
カバーは本体から取れないようになっているのでスタンド使用時も紛失のリスクがないです。
拡大写真で何枚か。
よく動くし昔のRGのようなポロポロ地獄もないけれど、1/144サイズで小さな可動軸が埋め込まれまくってるのでとにかく繊細です。
アクションが売りだけど思い切りガシャガシャ遊ぶという用途には向いてないと思うし、力加減を間違えたら即座に壊れるところがいろいろあると思う。
付属品です。
サーベル(ゴッドスラッシュ)はビーム刃部分だけでゴッドガンダムの足から腰の上側くらいまでの長さがあります。
手に持たせるとかなりの存在感で二刀流にすると大迫力。
ブレード持ちで何枚か。
コアランダーは分離変形可能です。
ウイングが大きいので全体もかなり大きめに見えます。
コアランダーではウイングの部分の3パーツを一つにまとめる感じになるのですが、ロックなどはなくピッタリとくっつけても手を離した瞬間に隙間ができちゃうタイプです。
あと、ウイングを挟み込んでいる青いカバーパーツがわりと外れやすいです。
カバーについては接着してしまえば解決する部分です。
裏側にはスタンド用の穴がありこちらは剥き出しです。
キャノピーが開いて操縦席も造形されています。
キャノピーも閉じた時は自然と少し開いちゃうので隙間ができますが、ここはサイズ的に無視できるレベルです。
ウイングが離れちゃうのは大きな部分なのでちょっと気になる。
お尻のスラスターは左右が独立して上下に動きます。
差し替えなしでスムーズに変形、ウイングを90度後ろに立てることができるのもいいですね。
合体は背中の穴にそのまま差し込むだけです。
奥まで刺すと軽めのクリックがあるので、コアランダーがごっそりと抜け落ちるようなことはなさそう。
最近のバンダイ商法から察して「どうせ日輪エフェクトはプレバン限定の別売りなんでしょ」と邪推してたので付属してくれたのはとても嬉しかった!
PET素材は軽いので関節が弱ってなくて無茶なポーズでない限りは自立も余裕です。
PET素材の透過による色の重なりが美しくてぎりぎりわざとらしくないエフェクトとしてとても優秀です。
エフェクトはクリアパーツのジョイントでコアランダーの穴に接続します。
なので、コアランダーを装備していない状態での接続は不可能です。
ジョイントパーツは可動軸がありますが、日輪の輪っかの取り付けのために曲がるだけなので、ここを曲げてエフェクトの角度を変えて遊べるなどというものではありません。
ハンドパーツの質感も良いので動かしていて楽しい!
シールなどをしっかりと貼って仕上げて、きちんとしたハイパーモードでまた飾りたい!
元々のデザインやRGかにあたってのプロポーションバランスなど好みの問題で好き嫌いが分かれる部分がありそうですが、プラモデルの仕様としてはサイズから考えるとほんととんでもないことになっています。
1/100スケールなら当たり前なことも1/144スケールだとほんとすごい設計力と成形技術で実現しているというのが伝わってきます。
初期RGのようなちょっと動かすだけでパーツが2〜3個ポロポロ取れるという現象は起きなくなっているし、破損に注意する慎重さが必要ながらもある程度はガシガシアクションさせて遊べるものになっていると思います。
RGの特徴だと思っていた組み立て済みフレームが最近のRG同様に少なかったことは寂しいですし、関節に合わせて連動するスライド装甲ギミックがなくなっちゃったのも寂しいです。
RGのポジティブな進化と言える部分もあれば、賛否分かれる変化という部分もありそうでした。
RGシリーズが定価3000円以下(実売だと2000円くらい)で買えていた頃は「RG触ったことなければ試しに買ってみろ!」とオススメできていましたが、最近の入手難度やお値段の高額化が関わってくると「RG触ったことがなくてかつそのMSがめちゃくちゃ好きなら買ってみろ!」くらいのおすすめ度になってきました。
賛否が分かれそうな部分はいろいろありますが、プラモデルを組み立てることが好きで塗装などしなくても色分けされていることが嬉しいという方は喜べるものだと思います。
なによりも、バンダイさんが発売延期してまで生産数を増やしてくれて久々に店頭にたくさん並んでいたのが嬉しかったです。
ギラッ!