価格 | 1,540円(税10%込) |
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発売日 | 2022年11月05日 |
対象年齢 | 8才以上 |
ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』より、チュチュ専用のカスタム機、デミトレーナー(チュチュ専用機)をHGシリーズで立体化!
■肩は引き出し可動により腕部の可動域が拡大。前腕部も回転可動を搭載。
■首は引き出して可動範囲を拡張、腰部のボールジョイントは空間を設けた構造で前傾・後傾の姿勢が可能。
■バックパックからビームライフルへ延びるケーブルはリード線で表現。
■ビームライフルのアームパーツは本体のフロントアーマーへ接続が可能。
■両足側面のスラスターは上下のスライド・回転が可能。【付属品】
https://bandai-hobby.net/item/5179/
■ビームライフル×1
■ハンドパーツ×1式
■リード線×1
■シール×1
先に紹介したHGエアリアルと同様に透明感のあるタッチで躍動感があるデミトレーナーが描かれています。
この商品が発表された時は「好みじゃないけど量産機ベースのカスタム機は好きなので買えたら買おうかな」という感じだったのですが、パケ絵を見て「めちゃくちゃかっこいいから絶対に欲しい!」に変わったものでした。
パケ絵の力…侮れないですね…
ランナーなどはこんな感じです。
目立った新技術などはなくランナー数も少ないのにエアリアルよりも100円高くなっていて、エアリアルが主人公機ならではのご奉仕価格だったのかなと理解できる感じです。
ランナー的にはシンプルに見えるのですが、めちゃくちゃ工夫を凝らしまくっているパーツ構成になっており、デミトレーナー本体は合わせ目がないと言えるレベルのこだわり抜かれた変態キットでした。(褒めている)
曲線部分などは当然のようにワンパーツ成形で、バックパックのように合わせ目が出やすいところ(あまり気にされてないようなところ)も昨今並みの「合わせ目のモールド化」による合わせ目対策が行われています。
ガンプラを頻繁に組み立てている人にとっては「最近のガンプラのいいとこどりのパーツ構成」って感じかもしれませんが、HGシリーズを長らく組み立ててない方は成形技術の高さに腰を抜かすのでは?
腕や脚は筒状のパーツを挟み込み関節で繋いだり、複数のパーツを合わせそうな部分もワンパーツで成形されていたりと、そのあたりに注目してみると次々といろんな凄さに気づくと思います。
胴体部分の首側を横から見たところなのですが、段落ちモールドになっている部分も階段状の断面になっていて多少隙間が開いても下地が見えないように工夫されています。(この写真はわかりやすいように隙間をあけています)
段落ちモールドで合わせ目を消すものって結局段落ち部の接続部分が隙間になることがありますが、デミトレーナーはそれすら許さぬ徹底ぶりです。
膝などにあるパイプのような部分は中央が細くなっていますが、細くなる切り替え部分でパーツを繋ぐような構造になっています。
ここも派手に繋ぎ目が出る感じではなく自然に繋ぐことができています。
このパイプの太さが途中でかわってるやつ、たぶん「プラモのパーツ構成の都合」でデザインした形状なのかなとも思っちゃいます。
こちらは股関節のブロックなのですが、Cクリップも脚部接続用の穴も含めてワンパーツで成形されています。
強度とか保持力はどうなのかなと思いましたがまったく心配なしでした。
すごい。
胸部や腹部もしっかりと動いてくれる構造で、肩の付け根はボールジョイントで自由に動かすことができて、腹部もボールジョイントで動いてくれます。
肩の付け根のボールジョイントのおかげで手のひらを胸の前で合わせるような動きも余裕です。
ランナータグは「HG 1/144 デミトレーナー」なのですが、Dランナーだけ「HG 1/144 デミトレーナー 拡張パーツ」という名前になっていました。
ライフルと平手が拡張パーツランナーに入っています。
ただ、「HG 1/144 デミトレーナー」のランナーにもチュチュ専用のパーツが入っているのでバリエーション展開の参考情報にはならないかもです。
平手に関しては手の甲のパーツもDランナーに入っているので握り手の手の甲のパーツと色が違います。
お手軽に遊びたければ気にせず手首ごと差し替えればいいのですが、色まで合わせたかったら都度手の甲のパーツも差し替えという感じです。
頭部はカメラ部にクリアパーツが使われており、装甲の重なりを感じさせる表現になっています。
普通のデミトレーナーと違う頭部ですが、チュチュ専用機は大型ビームライフルに特化した独立センサーとビームバルカンが増設されたものになっています。
あとは特徴的なアンテナの追加ですね。
ランナータグの印象から考えると、Dランナーの差し替えで普通のデミトレーナーが販売されるのかと思っていたのですが、普通のデミトレーナーと違う部分を比較すると、ランナーが全部変わっちゃいそうに見えるんですよね…
デザインが違うところが結構多いのに、その違う部分が全ランナーに散らばっている感じでした。
組み立てやすいパーツ構成で組み立て時間はゆっくり目でも40分程度でした。
慣れてくれば30分くらいで組み立てできそうなキットだったので量産にも向いているかも。
これから紹介しますが、とにかく本体の出来がいいのでたくさん集めてガシャガシャ遊びたくなるキットです。
まずは大型ビームライフルなしの素立ちから。
頭部形状のせいか細身のATに見えちゃいます。
右肩の装甲がないのですが、大型ビームライフルの形状的に左腕を前にして戦うことが多そうなので軽量化のために省略したものですかね。
一撃離脱を想定した機体とのことで脚部も装甲が軽量化されている一方で、膝横に可動式のフレキシブルブースターがついているなど期待設定に説得力があるデザインとなっています。
ハードポイントっぽいところは3ミリ穴なので、他パーツを流用してカスタマイズしやすい作りになっています。
バックパックはスラスターの可動などはなし。
バックパック本体は前後張り合わせのモナカ構造なので張り合わせ部分に合わせ目が出ますが、モールドっぽく見えるように処理されています。
パックパックの左右には中央に3ミリ穴が空いた円盤パーツを取り付けるのでシンプルな構造ながらも合わせ目が目立ちません。
足首はこれ系のいつも通り肉抜きかデザインかわからない穴ぽこが空いていて横から見ると目立ちます。
頭部は形状のイメージに反してある程度上下にも動いてくれます。
可動範囲は必要十分という感じで、肘は90度程度、膝は正座ができる程度の動きです。
股関節はほぼ180度開きますが、足首の設置を考慮してまでの開き方だと写真のような感じです。
腕は水平以上には上がる感じです。
写真を撮り忘れたのですが、脚はフロントアーマーやリアアーマーを逃せば前後にほぼ180度動かせます。
膝ブロックの真下にシリンダーのような造形があって、膝を曲げるとそれが露呈してくるギミックもおもしろかった。
お尻のアーマー部にロックがあり、ロック位置の変更で股間ブロックの角度を変えることができます。
可動範囲の向上というよりはポージングに恩恵があるギミックです。
膝横のフレキシブルブースターは高さを変えることができ、軸接続なので360度くるくると回すこともできます。
一撃離脱機なのでブースターと方向を揃えて加速したり、逆に回してブレーキに使ったりするでしょうから説得力のあるオプションです。
シールドは肩アーマーに接続パーツを軸で接続してからボールジョイントで接続します。
ある程度動いてくれるので表現の幅が広がる部分です。
足の裏は肉抜きをデザインに落とし込もうとしていますが、肉抜きという主張の方が強めです。
足の裏には車輪のようなもの(ウィルダッシュプラス)がついていますが転がしギミックはなし。
踵のみグレーで色分けされていますが、こちらも見える部分だけが別パーツで色分けされているだけなので動きません。
下手に車輪が動いて自立が難しくなっても良くないのでこれでいいと思う。
股間下にはスタンド用の3ミリ穴があります。
デミトレーナー本体は必要十分には可動してくれて、場所によっては必要以上にも動いてくれます。
ただし構造上、足首が前後にほぼ動かないのだけが難点です。
ここからは大型ビームライフルを抱えて。
身長を超える大型ビームライフルはアームユニットを股間ブロックに接続して装備させます。
バックパックに接続されているケーブルはリード線で再現されていますが構造的にちょっと難ありです。(後述)
足首の動きがイマイチなので迫力のあるポーズを取ろうとしても接地がイマイチなのですがそれでも十分にかっこいい…
デザイン的にも目的に特化したメリハリの効いたフォルムなのが素敵。
大型ビームライフルは設定イラストのように股間ブロックだけでキープすることも可能です。
足首が固いうちは方足立も余裕です。
大型ビームライフルでうまくバランスが取れるから余裕なのかもしれません。
構造上、左半身を前に出して砲撃することが多いと思うので左肩にシールド、右肩は軽装っていうのは正解っぽいんですよね。
大型ビームライフルのケーブルは色合いがよくて長さもちょうどいいのですが…
針金入りの固めのリード線なので、遊んでいるうちに大型ビームライフルの後ろ側部分が引っ張られて外れることが多いです。
リード線のビームライフル側付け根のパーツも弱くて外れやすいので、この辺りは接着した方が遊びやすくなりそうです。
ただ、接着をミスると後ろ側のグリップが動かなくなるのでご注意を。
接着に自信がなければリード線を外して遊ぶくらいでもいいかも。
股間のアームを外せば大型ビームライフルを自由に取り回せるようになるし、関節はいずれも固めなのでポーズを決めての自立も余裕です。
遊びやすくてよく動いてくれるキットなので、大型ビームライフルで狙撃よりも格闘スタイルでガシガシ戦ってほしいやつかも。
チュチュのイメージをそのままに大型釘バットとか装備してほしいです。
最後はギャラリーでまとめて。
めちゃくちゃ格闘できそうな狙撃タイプというのがいいですね!
めちゃくちゃ気に入りました。
ほんと、自分はスルーしそうだったけどスルーしたら後悔してたであろう素晴らしい出来のキットでした。
HGエアリアルは「新技術のお披露目と主人公サービスのお得なお値段設定」も含めれば面白いキットでしたが、デミトレーナーはそういう補正なしでもよく考えられて設計されている素晴らしいキットだと思います。
水星の魔女シリーズの共通点として足首の可動が苦手というのがありますが、それ以外の弱点は大型ビームライフルがリード線に引っ張られて分解しやすいというところくらいでキット本体の出来はしばらく語り継がれるレベルなのではないかと感じました。
頑丈さもあるのでガシガシ遊べますし、ブロックとしての独立性も強いのでカスタマイズ遊びの土台にするのもいいと思います。
相変わらず転売が酷くてネットでは悲惨な価格になっていますが、バンダイさんも生産をかなり頑張ってくれているようでこのデミトレーナーは発売日翌日のお昼でも買うことができました。
ガンプラに力を入れて取り扱っているお店だけでなくベビーザらスにすら置いているレベルだったので数週間待てば誰でも手に入れることができる環境になると思います。
手に入れるチャンスがあればぜひ触ってみてほしい名作キットですが、転売屋を殺すいい機会なので転売屋からは絶対に買わず、定価以下で普通に購入できるようになるまでもう少しだけ待ってみてくださいね!
定価は1,540円(税10%込)ですのでご注意を!(本記事ではAmazonのリンクを貼っていますが価格は十分ご注意ください)