ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』より、主人公機ガンダム・エアリアルの改修型を新規金型によってHGシリーズで立体化!
■シールドは11のビットステイヴに分離可能。機体各所に接続、劇中のイメージを表現できる。
■シェルユニットはインモールド成形のパーツや、シールとクリアパーツの組み合わせにより再現。発光状態と非発光状態を選択式で組み立てることができる。
■ビームパーツはクリア成形で表現。
■新型の専用携行火器となるビームライフルの銃身の長さは組み換え式で選択可能。全てのビットステイヴが銃身に接続されたガンビットライフルも再現できる。【付属品】
■ビームサーベル×2
■ビームライフル×1
■シールド×1
■シェルユニットクリアパーツ×1式
■シール×1https://bandai-hobby.net/item/5238/
価格 1,870円(税10%込) 発売日 2023年03月18日 対象年齢 8才以上
水星の魔女シーズン1の終わりの方で活躍したエアリアルの改修型がシーズン2目前にキット化されました。
ノーマルエアリアルからの流用パーツが多いのかと思いきや、ビームサーベル以外は新規造形ということでかなりの気合を感じられます。
ノーマルエアリアルから改善された点もあれば、期待のフォルムがより複雑になったぶん組み立てや処理が少し難しくなった箇所もあるので、まずはキットの特徴やノーマルエアリアルとの比較を中心に書いてゆきます。
ノーマルエアリアルのことをご存知という前提で書いている部分があるので、ご存知なくてより詳しく知りたい方は先にノーマルエアリアルの紹介を読んでいただいた方がいいかもしれません。
ちなみに、エアリアル改修型はHGブランドではあるものの切れ味の良いニッパーと先の細いピンセットがあった方がいいやつです。
私はいつも通りケロロニッパーと100均のネイルアート用ピンセットで戦いました。
とりあえずキット本体をみたい人は後編へどうぞ。
パッケージはエアリアル改修型のボリューム感が伝わるイラストで、ガンビットライフルを大きく構えた姿です。
水星の魔女HGシリーズの特徴である透明度が高くて柔らかいタッチのイラストです。
パッケージの側面にはこのキットのプレイバリューが写真と一緒に説明されています。
このところ新作プラモデルは争奪戦ばかりで、店頭でパッケージを眺めながら買うかどうか決めるという機会が減ってはいますが、こういうのを眺めて想像しながら買うかどうか決めるのが楽しさのひとつだったりするんですよね。
ランナーはノーマルエアリアルに比べて大きいのがどかんと1枚多い印象です。
ノーマルエアリアルは1,430円(税10%込)だったので400円くらい値上がりした感じですね。
ノーマルエアリアルの感覚で見てしまうと、改修型はめちゃくちゃコスパがいいという感じではなくなっていますが、それでもこのボリュームとプレイバリューで2000円を余裕で切るのはすごい。
めちゃくちゃ個人的な感覚でノーマルエアリアルと比べて良くなった点をまとめてみました。
ノーマルのエアリアルの売りの一つにダブルサイドシールという物がありました。
シールの糊が付いている方の面にプリントされていて、クリアパーツの裏側からシールを貼れて見た目がよくなるというあれです。
ただ、個人的にはそのメリットがさっぱりわからなくて、貼りにくいし失敗すると貼り直しでシールやパーツが傷んでかえって見栄えが悪くなって、「ダブルサイドシールだからこんなに綺麗に仕上がった!」っていう実感が全くない物でした。
バックパックの部分とか何度も貼り直してめちゃくちゃ汚くなったトラウマ部分でした…
でも今回ダブルサイドシールじゃなくなって普通のシールになっていました。
改修型は太ももの発光部分もプラパーツにシールを貼ってからクリアパーツを被せる方式になっていました。
ノーマルのエアリアルの時に「こういう方式で良かったのでは?」って言ったやつが、こういう方式になってくれて助かりました。
もしかして、ダブルサイドシールが不評でバンダイさんにそういう声が届いたりしてたのかな?
技術力のアピールとしては面白かったけど、その側面ばかりが強くて個人的には好きじゃなかったです。
でも、今回普通のシールに戻ってくれたおかげで今回は綺麗に仕上がりました。
ノーマルエアリアル(写真右側)の時は、発光部の線が太くてくっきりしすぎてておもちゃっぽくなるのが気になっていたのですが、改修型はそれが落ち着いて少し高級感が出てくれました。
このシェルユニット自体にも段差のようなモールドが入ったのでこの部分ののっぺり感が減って密度も高くなりました。
でも個人的にはまだもうすこしギラツキを感じるのでクリアパーツの下にシールのバージョンの方が好きでした。
ノーマルエアリアルのキットの問題点として、爪先のボールジョイント接続がゆるゆるで自立が難しいという点があったのですが、同様の構造ながらもここが少し頑丈になったように感じました。
ノーマルエアリアルは組み立てた時点でつま先のゆるさが気になっていたのを記憶していますが、改修型はここが硬めでノーマルほどのヤバさは感じません。
ただ、構造は同じなので劣化したら同じだろうなと想像します。
足首から下の構造が特殊で接地や自立が不自由という点はあまり改善されてないかも。
あくまでHGシリーズのキットなので求めすぎてはいけないのですが、それでもちょっと注意が必要だったり気になったりする部分をまとめました。
ネガキャンに見えるかもしれませんが、おすすめ度は圧倒的★5なので素晴らしいキットという大前提でお読みください。
アンテナパーツはアンテナの太さや強度に比較してかなり頑丈なゲートが付いていました。
平べったいタイプのゲートなので平たい方向に切れ味の良いニッパーを入れれば問題はないですが、切れ味の悪いニッパーだとパーツの欠損、歪み、破損につながるかもなと思いました。
真ん中の2本アンテナの間に入っている部分は刃の厚いニッパーだと入れにくそうなスペースだったので薄刃ニッパーの方がいいかもしれませんね。
私はいつも通りケロロニッパーで注意しながら切り出せば難なくクリアでした。
最近のキットなので合わせ目を隠したり、合わせ目をモールドっぽくして意味を持たせるなどの配慮があるのですが、特に2箇所気になる部分がありました。
一つ目は手首の部分です。
普通に組んでも隙間ができるのですが、ボールジョイントを包むパーツでもあるので場合によっては大きな隙間になったり手首ボールジョイントの保磁力自体に悪影響がでそうです。
接着面が小さめではありますが接着できない箇所でもないので、ストレス度やこだわりや使い勝手と相談しながら気になる人は手を入れた方がいいかも。
バックパックの下側のスラスターは美しい曲面パーツなのですが平成中期のプラモデルくらい大胆に合わせ目が出ます。
スラスター内側にも合わせ目が見える部分で、こだわればきりがないけど綺麗な合わせ目消しには中級以上の技術が必要かも。
気にしないとか、簡易的に接着のみして目立ちにくくするとか、スラスター内部は無視して表面だけ合わせ目消しするとか、各自のこだわりやスキルに合わせて落とし所を決める部分ですね。
その他ノーマルエアリアルと同様に太ももやふくらはぎの後ろ側にも普通に合わせ目が出るなど、合わせ目は結構出ています。
かっこいいから細かいことはどうでもいいってキットではありますが、意地悪な目で見ると気になるところはちらほら出てくる感じですね。(全然いいです)
HGシリーズなのでシールでの色分け部分も多いのですが、シールを全て使っても色分けが不十分な箇所もあります。
もちろん、HGでは良くあることなので価格帯や仕様を考えれば仕方ない部分ですが、他の部分の完成度が高いので目立っちゃう感じですね。
特に気になる部分はここ。
エアリアルの足裏の蛇腹っぽい部分ですが、これはノーマルエアリアと同じく踵と足裏部分で色が変わっちゃってます。
設定的にはここはグレー系なのですが補うシールなどもないので気になる人は気になっちゃうかも?
部分塗装に初めてチャレンジするって人はこういうところを部分塗装してみるのもいいのかも?
ビーフライフルの銃口(小さい)の内側にめちゃくちゃ小さいシールを貼るようになっています。
かなり小さな部分なのでシールの粘着力が十分に発揮されない割に、この部分が緩く曲面になっているので位置もなかなか決まりませんでした。
先の細いピンセットを使っても苦労したので指で貼るのはかなり困難だと思います。
しかしですよ、苦労して丁寧にシールを貼ってもほぼこの部分は見えないんです。
組み立てると小さな銃口の奥側になる部分で、頑張って光をあててもこんな程度の存在感です。
苦労して貼る意味があまりないとも言えるし、失敗しても目立たないから軽い気持ちで貼っちゃえとも言える部分です。
なんか細かい作業をやった達成感はあったけど仕上がりを見て「!??」ってなった場所でした。
嫌じゃなかったけどこのニッチなこだわりにはほんとびっくり笑
さっきの小さなシールの話以外にも指だと組み立てが難しい場所があるので先の細いピンセットはあった方がいいです。
このおでこのクリアパーツなのですが、改修型はアンテナが4本になったことで指を置くスペースが減って指で組み立てるのが難しかったです。(パーツの構造的に先にアンテナだけを後からつけるのは無理)
まるっこく小さな部分なのでピンセットを使っても力加減を間違えると飛んで行っちゃうし、注意しながら自分に合った方法で組み立てるしかない箇所です。
しっかり奥まで入れて固定しないとポロっと外れて紛失しやすい部分でもあるので色々厄介ですね。
ノーマルのエアリアルと同じく、胸のシェルユニットはクリアパーツにプリント済みフィルムを挟んで成形されている「インモールド成形」のパーツか、普通のクリアパーツかを選ぶことができます。
こちらがインモールド成形のパーツです。
写真だとちょっとわかりにくいのですが、今回は胸のシェルユニットは上部と前部の二つのパーツで構成するのですが、インモールド成形のパーツは「上部」のものしかないので、前部の模様の下地となる部分はどのみちシールでの再現となります。(写真はシールを貼って前部のクリアパーツだけをつけた状態)
インモールド成形の方を使ったからと言ってシールの方の素材と見た目のバランスが取れなくなるという感じはないのですが、どうせシールが必要なのにわざわざインモールド成形のパーツを用意するほどのメリットもないなというのが正直な感想です。
写真向かって左側がクリアパーツの下からシールが見えているバージョン、右側がインモールド成形のパーツです。
クリアパーツのほうは発光部分が少し奥まった感じでクリアパーツ自体のモールドが際立つ上品さと奥行きを感んじる仕上がりになります。
一方、インモールド成形のほうはノーマルエアリアルよりは上品になったものの発光部分の主張が強めになっています。
私は太ももの発光部との統一感からも普通のクリアパーツの方がいいかなと思いそちらを選びました。
お好みで選べる部分で、今回はどのみちシールを貼るので両方試して好きな方にしたらいいですね。
ちなみに、シールは無発光状態(黒)を選ぶこともできます。
エアリアルのカメラ類は緑か赤を選択するようにもなっています。
どれもこれもお好みで。
ノーマルのエアリアルもそうなのですが頭部は9つのパーツでほぼ完璧に色分けされています。
瞳やカメラ部分にシールを貼るようにはなっていますが、メタリック感を出すために貼る感じであって、成形色だけでもしっかりと色分けされているんです。
シールに頼っている部分はおでこの発光部分だけなんです。
対象年齢ゆえのアンテナのだるさこそありますが、これはもうほとんどRGですね。
ここからはノーマルエアリアルと改修型を並べて比較してみます。
改修型はノーマルの金型を流用しての追加武装かと思っていたのですが、ビームサーベル以外は新規造形ということで2体を比べてみると全然違います。
意外なことに、胴体・腰回り・太ももはノーマルエアリアルの方がボリュームがあります。
頭部も改修型の方が小さく見えます。
改修型の方ががっしりと大きいイメージがあったのですが、バックパックのボリュームや肩の配色などに目を引っ張られた印象で、機体自体は改修型の方が少し小さい感じになっています。
アンテナを除いた頭頂部までの高さはほぼ同じなのですが、肩までの高さは改修型の方が少し高くなっています。
比べてみるといろんな発見があって面白い。
ちなみに、写真だと青色の差があまり出ていないのですが、改修型のブルー部分はくすんで渋めのブルーになっています。
横から見るとバックパックの大きさが全然違うので改修型の方がボリューミーです。
もうひとつ注目はシールドのジョイント部分です。
ノーマルエアリアルは3ミリの丸軸で接続でしたが改修型は細い縦溝での接続になりました。
ノーマルエアリアルの感覚でシールドを回そうとすると接続軸を捩じ切っちゃうのでご注意を。
改修型のバックパックが大きすぎるので比較にならないですが後ろはこんな感じです。
バックパックの穴は互換性があるので、ノーマルエアリアルに改修型のバックパックを装備させることもできます。
シールドもノーマルの方が面積が大きいのですが、厚みは改修型の方があるように見えるかもしれません。
ノーマルも改修型もそれぞれに良さがあっていいですね!
ノーマルエアリアルの時に感じた女性っぽさが改修型では少し控えめになって、ロボっぽさが少し強くなった印象でしょうか。
可動範囲に関しては特筆すべき違いはなさそうでした。
兄弟機みたいな感じならこういう立ち絵も映えるんでしょうけど、「改修」なのでこの二機が同時に立ち並ぶことはないんですよね。
でもまぁ脳内設定は自由なので好きなように楽しみましょ!
後編へ続く