VF-1のアーマードバルキリーが大好きなのですが色々出ているトイにどれも手を出したことがなく、そこそこのお値段で手の込んだギミックの旧商品のHI-METAL Rシリーズのアーマードバルキリーがとても気になっていました。
でも、発売が2015年09月19日ということで、現在手に入るものの多くはプレミア価格の中古品で手が出せないでいました。
しかし、今回リバイバル版として再販されるとしりとても楽しみにしていました。
でもすっかり忘れていました。
HI-METAL Rシリーズって決して高品質なフィギュアとかじゃなくて「おもちゃの延長のちょっと高価なフィギュア」って感じだったんですよね…
この品質面で残念さを感じる点も多かったのですが、楽しい点もたくさんあったのでぶっちゃけでリバイバル版をレビューしたいと思います。
まずは、商品概要とアーマード状態のご紹介を中心に。
後編で素体のバルキリーを紹介したいと思います。
HI-METAL Rシリーズの「アーマードバルキリー」がリバイバル商品化!
「HI-METAL R」シリーズの第1弾商品である「VF-1J アーマードバルキリー」を、TV版を意識した仕様でリバイバル商品化!「アーマードバルキリー」と「VF-1J バルキリー(一条輝機)」をどちらも再現可能になったほか、機体各部のディテールアップパーツや、TV版仕様のハンドパーツなどの付属品を加え、装い新たに蘇る!
メーカー バンダイ
価格 13,200円(税10%込) 12,000円(税抜)
発売日 2023年05月20日
対象年齢 15才以上
全高 約140mm
材質 ABS、PVC、ダイキャスト製
セット内容・本体
https://tamashiiweb.com/item/14259/
・GBP-1S(アーマードパーツ)一式
・バルキリーTV版交換用手首左5種右3種
・ガンポッド
・胸ディテールパーツ
・脇腹ディテールパーツ
・ミサイル懸架用主翼左右
・主翼左右
・小型主翼
・着陸脚(機首下、左右)
・VF-1J バルキリー (一条輝機)再現用頭部
・シャッター開エアインテーク左右
・ミサイル×4
・ライフルグリップ3種
・キャノピー
・魂STAGE用ジョイントパーツ一式
・補助棒
・アーマードバルキリー版交換用手首左右各2種
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今回のリバイバル版はテレビ版を意識した商品になっています。
・旧商品は9,800円だったけどリバイバル版は12,000円
・頭部のゴーグルカラーを選択可能とするためにヘッドパーツがふたつついた
・素体のバルキリーの胴体の隙間を埋めるディテールアップパーツが付いた
・バルキリーのハンドパーツがテレビ準拠の丸指になった
あたりが旧商品との違いのようです。
めちゃくちゃぶっちゃけた言い方をすると、たいして重要ではないパーツの追加や変更で事実上の値上げ再販みたいな商品ですかね?
旧商品の発売は8年くらい前ということで当時と同じ条件で再販するのが難しく、単純な値上げだと訴求力が小さいとの判断から要素を追加したという感じですかね?
ものすっごく個人的な感想を言えばテレビ版の丸指より今風の角指が良かったので、単純な値上げ再販でもいいから旧商品が欲しかったです。
商品としては残念な部分が色々ありますが、パッケージは文句なしにかっこいいです。
ただ、このイラストはイメージでこんな感じでパージはできないです。
手の仕様が違うし、バルキリー本体に差し替え部分があったり腰アーマーもこういう分割じゃないんですよね。
当然ながら「イラストはイメージです」ではありますが、このイラストの素晴らしさに刺激を受けて過度な期待はしない方がいいです(笑)
パッケージ裏側からバルキリー本体の実物を覗くことができます。
いくつか見比べたのですが、結構な頻度で悲惨な塗装のものや汚れがあるものがあったので自分が許せるラインかどうか確認できる部分は確認した方がいいかも?
ただ、完全に綺麗なものはないと思った方がいいかも。
それくらいの品質です。
パッケージ裏面の説明部分をちょっと拡大です。
ここだけ見ると素晴らしい商品で、13,200円という税込価格にも納得どころか安いって感じちゃうかも知れないですよね。
パッケージ側面と上面
中はブリスター2段重ねでバルキリーとアーマードパーツが入っています。
ブリスター同士はしっかりと嵌め込めれるようになっており、このはめ込みが浅いと小さな部品が箱の中で暴れちゃいます。
ミサイル発射後を表現するための差し替えパーツはあまり重要な部品ではないものの、めっちゃくちゃ小さな部品もあるので紛失にはくれぐれもご注意を。
主にバルキリーのパーツです。
主翼が4枚ついているのはミサイルをつける穴の有無です。
個人的にはここまでのこだわりが要らなかったので、ちょっとでもパーツを減らしてコスト還元してくれた方が嬉しかったかも。
こちらはアーマードパーツのブリスターです。
ゴーグル周りがグレーになっている差し替え用頭部はこちらに入っています。
ノーマルバトロイドの時に可動の邪魔にならないようになっている短い主翼なども入っていますが、やっぱりこの辺も自分的には不要なのでコスト還元して欲しかったかも。
右下の尖ったプラパーツはミサイル等を取り外す時に使う専用工具です。
ボックスの中に設定画をイメージするような仕切り紙が入っています。
片面印刷のただの厚紙ですが、これはかっこいいですね。
他の付属品は長い紙を折りたたんだ説明書です。
ちなみに、この商品にはスタンドはついておらずスタンド用のアタッチメントが付いているだけです。
アタッチメントは3ミリ規格なので3ミリ軸のスタンドなら使えると思いますが、推奨されているのは魂STAGEです。
ヘッドパーツはゴーグル部分だけ差し替えが用意されてるのかと思ったのですが、ゴーグル違いで二つ入っています。
お好みで好きな方を選ぶだけなので正直、無駄なコストに感じるのですが予備だと思うことにします。
ちなみに、ゴーグル周りがグレーの方は口元の白い塗装がくすんでいてグレーっぽくなっていました。
こういう残念さが散見される商品なんです。
アーマードパーツはシンプルなデザインなのでストレスフリーで装着できるかと思いきや、バルキリー本体からパーツの取り外しが必要な部分などもあって想像よりも少し手がかかる感じでした。
まず、バルキリー本体はこんな感じです。
バトロイドの脚の稼働範囲を広げるための一体型主翼だとアーマードにできないので可変用の主翼を使います。
初期状態だとバルキリーの首元や胸下部分に隙間を隠すためのディテールアップパーツが付いていますが、アーマードの場合はこれを外してやらなければなりません。
説明書だと両方外すようになってるのですが、胸下部分のほうは外さなくてもアーマードにできることに気づきました。
このパーツがあった方が機体の密度が高いので個人的にはこっちのパーツはつけたままの方が好きです。
機首の先端の「ノーズコーン」を外してあげないとアーマードパーツをつけることができないのがちょっと残念な部分でした。
形状的に仕方ないとはいえ、このちょっとした手間が遊びにくくて紛失も怖いところです。
ちなみに、私の個体はノーズコーンと本体の隙間にガッツリ隙間が空いています。
ノーズコーンのパーツの切り出しがめちゃくちゃ雑で、切り残したゲート跡が邪魔して密着できない感じでした。(白飛びして分かりにくですが、写真上部にいちばんでっかいゲート残りがあります)
ニッパーやデザインナイフで簡単に自己対応できる部分ではありますが、完成品で売ってるものなのですごく気持ち悪い。
ここだけで話をやめちゃうと「細かいこと気にしてるなー」って思われそうなので、ちょっと今回の品質についてお話ししておきましょう。
ハズレ個体を引いただけという可能性もありますが、店頭に並んでるのを厳選してると、お顔や塗装や汚れがひどいものがかなりの頻度であったので、ハズレ個体が珍しいことではなさそうという前提で。
こちらはアーマード用の爪先カバーなんですが、4つとも激しくゲート跡がえぐれていてかなりダメージが目立っています。
ゲート跡が残っているものはデザインナイフなどで切ればいいだけなんですけど、えぐれているのは修復が大変難しいです。
子供が手でもぎながら作ってるプラモデル見たいなクオリティですよこれ。
HI-METAL Rシリーズはマクロスしか知らないのですが、基本的に品質がいいものではなくてパーツのゲート跡が抉れてたり、パーツのつなぎ目が汚れて黒ずんでたり、なんか何度か接着したような跡があったり、塗料の擦れや飛び散りがあったりで「自分で組み立てるから組み立て前のパーツをセットで売ってくれ」って思っちゃうレベルなんですよね。
でも、今回のアーマードバルキリーは手持ちの中で一番ひどい。
コックピット前の黒いラインとか、変な塗料玉にプラの破片が付いてて悲惨な状態でした。
このプラのかけらをとったら塗装も一緒に禿げちゃった。
あと、VF-1J本体は全体的に赤の発色が悪いですね。
くすんだ赤なのですがムラがあるというか2度塗りみたいな感じになってるところがちらほらあって美しくないです。
いちいち書いてられないくらい謎の黒いスレ、塗装の重ね塗りっぽいところ、塗料が薄いところなどなどあって正直エグいです。
HI-METAL Rが高品質という印象はなかったけどこんなに酷かったっけと思い出してみると、バルキリーIIもなかなかひどかったのでHI-METAL Rはこれくらいの品質が基準なんだと思います。
話を戻してアーマーをつけてゆきましょう。
バルキリーはこんな感じからスタートです。
太ももアーマーの先端部分はバルキリーの背中パーツのピンに固定します。
腰のアーマーパーツはこんな感じで、前後サンドイッチを左右のミサイルで固定します。
勝手に股間部分と脚の部分は別パーツになってると思ってたのでここはびっくりでした。
こんな構造なので太ももの可動は絶望的ですが、意外な動き方をするので後ほどご説明を。
腰横のミサイルは基部とミサイルを分離できので発射後も再現できます。
ミサイルの接続部分にディテールを入れてくれてるのもありがたい。
先につけた太ももアーマーの先端部分をお尻アーマーでさらに挟み込んで、前側のパーツをつけたのちに左右のミサイルパーツをセットしたら腰は完成です。
腰アーマーの構造的に脚は全く動かなくなるかと思いきや、ガウォーク用に設けられているピンを軸に脚を90度くらい前に出すことができました。
ただ、細い金属ピンで接続されているところなので保持力があるわけではなく劣化したらぷらぷらしそうだし破損も心配です。
アーマーに少し遊びがあるので、脚はほんの少しだけなら後ろに動かすこともできますが、「後ろ側には全く動かない」くらいの理解の方が良いかと思います。
この部分はもうちょっと良い構造があったのではないかとも思うのですが、デザイン上ガシガシ動かせるようなものでもないでしょうからいろんな落とし所でこの構造になったんでしょう。
胸アーマーは引っ掛けて垂れ下がって緩めにロックされているだけなので、バトロイドを激しく動かしてるとアーマーがずれたり落ちたりしやすいです。
肩アーマーは元々の肩アーマーにミサイルポッド接続用のポチがついてるアーマを被せる感じです。
ここは適度な硬さでロックされるのですが、バルキリー本体の肩アーマーがややふにゃふにゃしているのでミサイルポッドの重さに負けてふにゃっと外側を向いちゃうことが多いです。
腕アーマーの構造が少し意外でした。
バトロイド素体のハンドパーツを抜いてでかいハンドパーツに差し替えるのかと思っていたのですが、バトロイドのハンドパーツはファイターに変形するときのように収納してしまって、アーマーに直接握り拳がついている感じでした。
本来の設定がどうかはわかんないですけど、構造と解釈としては面白いですね。
脚アーマーは気合が入っているのが伝わる部分で個人的にもすごく気に入った部分です。
片脚につき前後左右4パーツで挟み込むようになっており、かなりかっちりしとした作りで密着感も高いです。
アーマーもペナペナした感じでなく裏打ちパーツもついていて、パーツ自体の厚みもしっかりあるのでこのアーマーだけでもけっこう重いです。
もしかしたら、重心を下に寄せてアーマードバルキリーを立たせやすくる意図もあったのかも?
アーマードパーツも切り出しが雑気味で合わせ目など目立つ部分もありおもちゃ感が強いですが、バルキリー素体の悲惨さに比べたら許容範囲ですね。
足のつま先パーツをつけて、背中にブースターをつけたら完成です。
背中のブースターはバックパック横の角穴に差し込むだけなのですが、バックパックが重さに負けて動くのでブースターごと後ろに倒れがちかも。
バックパックが背中に固定されるようなロックがあったら良かったんでしょうけど、そういうのがないのでここのジョイントがへたってしまうとブースターは後ろに反ったままになっちゃいそう。
完成形はこんな感じです。
ちょっとおもちゃ感が強いながらも、いい感じにマッシブでかっこいいですね。
写真奥から、バルキリー変形用のハンド、バルキリーのハンド丸指バージョン、アーマードのハンド丸指バージョンです。
それぞれ左右分ついてきます。
アーマードのガンポッド用のハンドパーツが指差しパーツのような形状なのが面白いです。
「発射するとき以外はトリガーに指をかけるな」っていう人間界のルールを守ってるみたいで。
ガンポッドをアーマードで持たせるときはアーマード用の大きな持ち手をつけることになります。
このグリップをハンドパーツに持たせるのは少し難しくて、ハンドパーツの握りを広げながらある程度力技で持たせる感じです。
腕アーマーが厚くて大きいのでガンポッドのお尻が腕アーマーにぶつかっちゃうのが動かしにくくて少しストレスです。
ここからは主にポーズを中心にアーマードバルキリーを見てゆきます。
胸板がめちゃくちゃ厚いのでかなり小顔に見えますね。
肩や腕はバルキリーの素体の可動範囲がそのまま活きているのでよく動きます。
下半身に関してはあまり期待しない方が良くて、特に脚は前には動かしやすいですが後ろにはほとんど動きません。
バルキリーの素体もそうなのですが腰が動かないのでアクションポーズには向いていません。
VF-1J本体の成形色は純白でプラ感がめちゃくちゃ強くて安っぽいのですが、アーマードの白は少しブルーに寄ったくすんだ白です。
色の差が出ちゃってるので二の腕や太ももなど素体剥き出し部分のプラ感が強調される感じになっちゃいます。
ここからは別売りのスタンドと一緒に。
脚の自由度がないので浮かせた方がしっくりくるかもしれませんね。
アーマードバルキリーの目玉の一つが豊富なミサイルだと思います。
HI-METAL Rも全てのミサイルハッチが差し替えなしで開いて、いずれも発射後が再現できるようになっています。
この辺が楽しいので多少の品質の悪さには目を閉じれるかもしれないですが、まぁ品質は良くないです(苦笑)。
おもちゃっぽい部分が色々と目につきますが、可動範囲がどうだのって話を無視できるくらいかっこいいですね。
肩のミサイルポッドはパッケージの時点では何も入ってません。
ハッチを開いた時にだけミサイルパーツをセットしてみせるタイプかと思って震え上がったのですが、ミサイルパーツをセットして蓋をすることができました。
これができるかどうかで遊びやすさが全然変わってくるので、わけのわかんない差し替え方式じゃなくてひと安心です。
ミサイル発射前と発射後をそれぞれセットしてみました。
発射後はちょっと安っぽく見えちゃいますね。
これ、塗装も含めて気になるところは自分で手を入れた方が楽しい商品なのかもしれません。
胸のミサイルポッドも差し替えで発射前後を再現できます。
腕のミサイルはミサイルパーツを直接取り外すことで発射前後を再現します。
ミサイルを外した部分はディテールあり。
脚のミサイルポッドもハッチの開閉は差し替えなしでストレスなく楽しめます。
横側のミサイルポッドはミサイルを外すことで発射後が再現できます。
後ろ側のミサイルポッドはミサイルパーツを発射後のものと差し替えることで再現できます。
ただ、このパーツがかなり小さく少しはめにくいのでわりとめんどうなので、一度試したら2度と試さない気がする…
脚横のミサイルは二つがセットで造形されているので着脱は二つ単位です。
腰のミサイルも着脱可能です。
作りが荒いところも多く、触っていて劣化や破損が心配になる箇所もありますが手軽に遊べる可変バルキリーを素体にしたアーマードというだけでありがたみがある商品だと思います。
公式設定だったかなんだったか全く覚えてないんですけど、アーマードガウォークという概念をちらほら見かけるので再現できるか試してみました。
うん、かなり好きかもしれない。
VF-1シリーズで一番好きなのはD型なので、D型のHI-METAL Rはバッチリ手元にあるのです。
アーマードを買った裏目標の一つがD型をあまーどにしたいというものだったので試してみました。
ぱっと見良さそうに見えるのですが、D型は胸のパーツがSやJと違うみたいで胸アーマーがきちんとはまってくれませんでした。
胸に引っ掛けているだけなので傾けると外れちゃう感じです。
複座なのでもしかしたらコックピット周りがちょっと大きくて、それに合わせて胸板も大きいのかな?
目視ではっきりわかる違いはないのでほんと誤差なのかもしれない。
参考までにアーマード付属のJ型と並べて。
アーマードは腕アーマーがゴツくて延長される感じにもなってるので全く別物に見えますね。
うん、やっぱD型めっちゃ好きかも。
令和の時代のリバイバルだからと言って過度な期待は持ってはならない商品で、とにかく品質の悪さが気になりました。
アーマードで脚の可動範囲が極端に悪くなること以外は設計に関する大きな不満はなく、とにかく製造工程の品質の悪さが残念すぎました。
ランナーから手でパーツをもぎとったようなもで当たり前のように組み立ててるのはいかがなものかと思いますが、今まで他の商品も似たような感じだったのでこれがHI-METAL R品質なんですよね。
特に思い入れが強い方なら買うしかないと思いますが、高額転売屋に高いお金を払ってまで買う商品かと言われると疑問です。
旧製品みたいに1万円を超えないように努力したみたいな商品でこの品質ならふふふって感じですけど、1万円を大きく超えてこの品質だとええええってなっちゃいます。
ハズレ個体を引いてしまったが故の厳しい評価かもしれませんので、あたり個体を引くと印象が変わってたかもしれませんが、ハズレ個体が多そうだなという印象です。
HI-METAL Rはオーガスも発売が決まっており、欲しいなって思ってたんですけどこの品質で2万円となると立ち直れないくらいのダメージを受けそうなのでやめとこうかなという気持ちになっちゃいました。
後編では素体のVF-1Jを紹介しようと思っていますが、他に優先したいものがあるのでちょっと先になるかもしれません。
記事ができたらここにリンクを表示させますね!