レビュー

[レビュー]HG 1/144 ガンダムキャリバーン(ガンプラ)

概要

ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』より、ガンダム・キャリバーンがHGで立体化!
■インモールド成形により胸部シェルユニットとアンテナの虹色の輝きを再現。
■ガンビットは水星の魔女 ウェポンディスプレイベース(別売り)2セットと組み合わせてディスプレイ可能。
■メインウェポンとなる長尺の携行火器、バリアブルロッドライフルが付属。
■白いエスカッシャンが付属。
■本体ディスプレイ用の台座が付属。

【付属品】
■ビームライフル×1
■シールド×1式
■ビームサーベル×2
■ディスプレイ台座×1
■シール×1

価格2,200円(税10%込)
発売日2023年07月15日
対象年齢8才以上
https://bandai-hobby.net/item/5527/

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はじめに

水星の魔女放送終了後の熱気も冷めやらぬまま、ラストバトルで超絶的な魅力を見せつけてくれたキャリバーンがHGとして発売されました。
前週に発売されたシュバルゼッテの人気も高くて争奪戦に敗れた方の多いであろう中、さらなる人気機体とも言えそうなキャリバーンはどのような争奪戦になるのか…
そんな心配をよそに、バンダイさんがめ〜っちゃくちゃ生産を頑張ってくれたんだと思いますが、どのお店にもものすごい入荷数だったようです。
私の行きつけのお店も朝イチの100人弱の行列でも余裕の在庫数で、夕方に再び訪れた時にもまだ少し在庫がありました。
通常の3倍くらい入荷したという感じのお話も耳にしたので、今回はほんと頑張ってくれたんだと思います。

現時点で通常販売品(プレバンはガンダムルブリスジウが控えていますね)の新情報がないので、水星の魔女シリーズの最後のキットになるかも?

パッケージと内容など

パッケージはこんな感じ。

魔女のホウキをモチーフにしたとも言われている「バリアブルロッドライフル」が目立つような構図になっています。
水星の魔女シリーズはパッケージイラストが美しいのですが、独特の彩色で実際の色が少しわかりにくく、今回もそんな感じのデザインです。

ランナーはこんな感じです。

ランナー数もパーツ数もけっこうみっちりで、お値段以上のボリュームを感じました。

パーツ数が多い上にシールの量も少し多く、貼りにくくて苦戦する箇所があったというのも起因しますが、組み立てには2時間ちょとかかりました。
ほかの水星の魔女シリーズのキットは1時間前後で組み立て終わることが多いので、これ系のキットにしては時間がかかった方です。

胸の発光パターンと虹色のアンテナ
裏面は綺麗なシルバーになっています

今回というかガンプラ史上一番個性的な部分が虹色グラデーションに彩色されたアンテナです。
これもインモールド成形で作られているのですが、透明感と繊細な色合いがとても見事で、エアブラシに慣れている方でもこれをやれと言われたらうーんって唸っちゃいそうなレベルです。
そいういう塗装難易度が高そうなパーツが高品質な彩色済みとなっているのはとても嬉しいです。

あと、胸の発光パターンもインモールド成形ですが、こちらはシールでも同等の再現ができそうな部分なのでありがたみが薄めです。
エアリアルの時もこんな感じで、インモールド成形に対して「技術力はすごいけど有用かはよくわからない」という印象を持っていましたが、この虹色アンテナを再現するための技術だったと言われるとかなり納得できる部分です。

シールはシェルユニットの発光状態と非発光状態を選択できるようになっています。
右下の緑のたくさんのラインはバリアブルロッドライフルの裏側の発光部分を再現するためのシールです。
これがとても面倒で貼りにくくてここだけで15分くらい食っちゃった気がします。
綺麗に塗装するのは難しそうな部分なので一旦はこのシールを使ってみたほうがいいかもという感じです。

いつもの組み立て説明書と入ってる時と入ってない時があるチラシ入りでした。

顔のパーツ構成については前作のシュバルゼッテでも驚きましたが、キャリバーンもRGレベルの分割で目のグリーンのパーツとその周りのグレーのパーツは隙間なく見事にハマる別パーツになっていて感動しました。
HGブランドでここまでハードルを上げてしまって、今後発売されるHGシリーズ大丈夫ですか?(さらなる期待)

ガンダムキャリバーン

本体以外の付属品はバリアブルロッドライフ、ビームサーベルの刃2本、白いエスカッシャンに、あとはよくみる簡易スタンドです。
この簡易スタンド、シンプルで頑丈な作りなのでありがたいのですが、足の幅が狭いので大きなキットや極端なポージングをするとひっくり返りやすいのです。
キャリバーンはバリアブルロッドライフの重みで重心が外側に行きがちなので、このスタンドは少しひっくり返りやすく感じました。
写真撮影程度なら大変役立ってありがたかったですが、長期間飾るとかを考えるのであれば専用のスタンドを用意したほうがいいかもですね。

あと、残念ながらキャリバーンには平手がついていませんでした。
平手が似合うモビルスーツなので左手だけでもつけて欲しかった。

そして、今回使っていませんがアンテナと胸のシェルユニットは非発光モードのクリアブラックパーツもあるのでお好みに合わせてご利用できます。

全身を見る前に腰から上をアップでご覧ください。
このキットの魅力の大半がここに集約されていると言っても過言ではないです。

アンテナのグラデーションは本当に綺麗で、写真を拡大してもらうとわかるのですが、塗料の粒子がいい感じの粒子感で機体デザインにすごくマッチしています。
胸のシェルユニットは発光が強めですが色の関係かエアリアルのようなおもちゃっぽさは薄れていて良いですね。

全体的に白っぽいイメージですが、そのおかげでセンサー類が美しく目立ってくれます。
標準だとすこし自立が苦手な子ですが、後述のかかとのギミックをうまく使えば安定して立たせることができます。

配色はシンプルに見えますがデザインはけっこう複雑で、ちらほら見せる「エアリアルっぽいデザイン」に安心したりする部分もあります。
バックパックの左右のスラスターはボールジョイントで可動します。

エアリアルと並べてみました。
キャリバーンのほうが少し進捗が高いです。
キャリバーンと並べるとエアリアルは少しボテボテとした印象に見えますね。

可動範囲に関してはだいたい当たり前に動くという感じですが、肘は90くらいとやや控えめな印象です。
構造だけ見ると関節はしっかり動きそうなのですが、けっこう干渉する部分が多くて気持ちよくスムーズなポージングができるというよりも、干渉する部分をうまく逃しながら動かすという感じですね。

かかと部分は後ろに倒すことができるのでそれを応用すれば後ろ倒れ防止の役に立ちます。
ただ、足首を接続しているCクリップが緩めなので、足首がくにゃっと動いてから倒れるケースがあり、摩耗するとその現象は加速しそうです。
スタンドがついているのでスタンドを使いましょうということかもですが、そのスタンドも安定感がやや他よりないので専用スタンドを買えということですかね。

かかと可動ギミックの本来の使い方はこれで、かかとパーツとつま先パーツを先端に向けて倒すことでハイマニューバモードが再現できるというものです。
地味目のギミックだけどうれしい。

シェルユニットはインモールド成形のパーツに比べてクリアブラックのパーツは奥まで光が届かないので、下に貼っているシールが目立ちにくいです。
私はインモールド成形のパーツを使っていますが、胸だけがかなり目立っている感じです。

普通はリアアーマーに隠れてほとんど見えないところなのですが、もも裏側上部の部分までシェルユニットがしっかりと再現されています。
リアアーマーが前後にスイングしてくれたら可動範囲が広がるのですが、この部分は固定なので太ももを大きく後ろに投げ出すようなポーズは難しかったです。

合わせ目に関しては「あるけど気にならない」部分が多い中、バックパックのブースター部分の左右は目合わせ部分はガッツリと目立っちゃってました。
正面から見るとけっこう目立つ部分なので処理してあげたくなるところです。

バリアブルロッドライフルの砲身もガッツリとモナカの合わせ目ができちゃいます。
加工できる人にとってはへたに中途半端な段落ちにするよりはこっちの方がありがたいかも。(合わせ目消しが楽)

組み立てるだけでかなりのクオリティで仕上がる子ではありますが、ゲート跡やパーティングラインをしっかり処理して、できれば目立つ合わせ目も消してあげてから、キャリバーンの美しさを存分に発揮してあげたくなるキットです。

続いて、キャリバーンの特徴的な長もの武器であるバリアブルロッドライフルについて。

魔女のホウキをモチーフにしたと言われている武器で、後ろについている4基の推進ユニット「クアドラ・スラスター」の開閉ギミックも再現されています。

グリップは2箇所あり展開し、キャリバーンの可動範囲を活用すれば両手持ちも可能です。

魔女のホウキの部分「クアドラ・スラスター」が展開します。
内側の緑色の発光部分はシールなのですが、シールの枚数が多い上に貼りにくくて結構苦労しました。
将来的には塗装しようかなと思ったのですが、この部分はワンパーツなのでマスキングも大変そうでした。
ここの部分の商品仕様をもう少しだけ頑張ってくれて、裏からクリアグリーンのパーツを差し込むとかだったらさらなる神キットになったかも?

個体差なのかなんなのか、今回はこのよくあるCクリップがはめにくかったように思えます。
これ系のパーツは完全にはめるとパチっとした感じのクリック感があることが多いのですが、クリックされるまではめても少し浮いてしまってるイメージでした。
特に「クアドラ・スラスター」のこの部分はしっかりと奥まではめていないと開閉ができないのですが、奥まではめていても少し浮いてしまっていて、動かす時に引っかかったり外れたりするのが少しストレスでした。
手軽な調整方法もわからないので、動かすときは一部外してからはめ直して動かしたりしています。

ようやくですが、キャリバーンに装備させるとこんな感じです。

やや後ろに倒れやすいので、かかとパーツを展開して安定させています。

さすがの専用武装ということで、バリアブルロッドライフルが機体デザインにバッチリマッチしていていい感じの統一感です。

バリアブルロッドライフルは専用のアームをバックパックのボールジョイントに接続して装備させます。
アームは可動軸が多いのである程度自由に動かせますが、腕の可動範囲よりは小さいので持たせたまま思う場所に動かせないという感じはあります。
じゃぁアームを外しちゃえと思い試したのですが、バリアブルロッドライフルはお尻が重くて重心がとりにくい武器なのでグリップが負けて転がるため、接続アームは必須と思ったほうがいいかもです。

肩に構えるとかなら比較的安定するんですけどね。(そしてかっこいい)

ちなみに、バックパック左側にはボールジョイントがないので左手に持たせるなどは難しいです。

バリアブルロッドライフルは肘の形に沿ってくれる形状になっているのも良かったです。
こういう部分が専用武器としての機体との統一感を加速してくれていると思う。

長もの武器いいですね。

後ろから発光部分を眺めるのが至高かと思います。

魔女がほうきに乗るみたいにできるかなと思い試してみました。
アームの位置を動かせばアームに接続したままこういうことができましたが、見栄えはイマイチですね。

その他の武装としてまずはビームサーベルです。
クリアブルーの平たいタイプのビーム刃が2本ついており、ランナーを見ると2007年製でした。
いつもの感じで背中のサーベルラックから持ち手を外して、ビーム刃と取り付ける方式です。
機体に対して長めのサーベルなのでアクション映えします。

あとは白いエスカッシャンがついています。

エスカッシャンについて詳しく見る前に何枚かポーズで。

足の裏のパターンをご覧ください
抜刀ポーズも可能です(頑張ればもう少し決まる)

長ものライフルに長めのビームサーベルに大きくスタイリッシュなシールドと、組み合わせて遊ぶのに完璧な素材が揃っています。

さて、エスカッシャンをもう少し見てゆきましょう。

エスカッシャンはエアリアルのものと同じく11基のビットステイヴに分かれます。
これをエアリアルと同様にキャリバーンの本体にくっつけてゆくことができます。

肩や腕の接続部分はプレート方式で、太もも横だけは丸軸方式です。
プレート方式で接続している部分を丸軸だと思って動かすとネジ切っちゃうリスクがありそうなのでご注意を。

全身に装備させるとこんな感じです。

本体と同系色なので目立ちにくさがあるのですが、背中やお尻の長めのパーツはシルエットを大きく変えてくれている部分です。

リアアーマーの接続部分は外側に開くことができるので角度の調整が可能です。

いやー、ほんとかっこいいですね。

あとは写真で何枚か。

まとめ

水星の魔女のクライマックスを飾るにふさわしいボリューム感たっぷりのキットで、虹色グラデーションアンテナなど見たこともないようなパーツが特別感を加速してくれていました。
初めてのガンプラにもおすすめできるキットだと思うし、自分のスキルに応じて気になる部分に手を加えやすいキットだとも思います。
もう少しこうだったらいいなという欲が出たりもするのですが、このレベルのキットが2,200円(税10%込)というのは破格だと感じており、バンダイさん的には「主人公機だからしばらくバンバン売れるだろうし、利益が薄くても販売個数で稼ぐぞ!」っていう感じなのかもです。

個人的にはキットとしての質の完成度の高さはシュバルゼッテが上かなと思いますが、半分くらいの人は水星の魔女シリーズで最高傑作のキットはと尋ねられるとキャリバーンって答えるんじゃないかな?

まだ手に入れられてない方も、当面はかなり手厚く再販されると思うのでこまめにチェックを!

こねこ星人