『マクロス7』より、主人公 熱気バサラと愛機 ファイヤーバルキリーが、ついにTINY SESSIONでセッションスタート!
2024年に30周年を迎える『マクロス7』より、主人公 熱気バサラと愛機 ファイヤーバルキリーが、ついにTINY SESSIONで商品化。デフォルメデザインでもしっかり三段変形を実現。ちっちゃ可愛いキャラクターフィギュアと様々な形でセッションさせちゃおう!過激にファイヤー!!
全高 約110mm(バトロイド時)
材質 ABS、PVC製
価格 5,500円(10%税込)
発売年月 2024年04月26日
対象年齢 15歳以上
セット内容・本体
https://tamashiiweb.com/item/14679/
・バトロイド形態用頭部
・バトロイド形態用背中カバー
・ランチャーポッド
・キャラクターフィギュア
・交換用平手左右
・ジョイントパーツ一式
・マーキングシール
・台座一式
TINY SESSION(タイニーセッション)シリーズは終わっちゃうものだと思っていたので、時間を置いてのファイヤーバルキリー発売の報はとてもうれしかったですね!
”歌姫”という括りでシリーズ化するものと思っていたので、熱気バサラのフィギュアが付くという点にも驚いちゃいました。
このシリーズは今まで4,500円(税抜)という価格で統一されていましたが、ここからは5,000円(税抜)になるようです。
昨今の物価高を反映させただけの値上げと思われ、値上げで何か仕様が上がっているどころか「いままでよりも安っぽくなった?」「調整が甘い部分が多いかな?」というのがぶっちゃけの印象でした。
今までのシリーズだと「こんなお安いお値段でクオリティも高くて遊びやすい、変形ロボ好きは全員買うべき!」って感想だったんですが、この子に関しては万人にはお勧めしにくいし、最初に触ったTINY SESSIONがもしもこれだったら私は熱心には買い続けてなかったかもなぁという印象がありました。
では、いつも通り見てゆきましょう!
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パッケージはいつも通りの構造ですが、今までのポップな感じとは変わって炎をモチーフにしたロックっぽいデザインになっていました。
小窓からはミニフィギュアは確認できるけど、バルキリーの確認はできないのもいつも通りです。
商品はファイター形態で収納されていて、特徴的なバトロイドの頭部も横向きで収納されているので見せにくいというのもあるのかもですが、このミニフィギュアは小さいのにほんと細かく塗装されているのでこれを見て欲しいというのが強いんでしょうね。
裏面は3段変形のイメージ図です。
頭部など一部パーツを差し替えでの変形ですが、これが本当によく考えられていて練り込まれたギミックなので感動しちゃいました。
中身はいつも通りの感じです。
安定感のある大きな専用スタンドは今までと同じくスイングもチルトもできる仕様なので使いやすい。
完全変形に近いのですが当然頭は差し替えとなります。
バトロイド時に背中を覆うパーツが必要だったり、ガウォークでは頭部のトサカを分解してくっつける必要があったりと差し替えや分解すべき箇所がありますが、総合的にはかなり頑張っている変形ギミックです。
残念に感じたのが、太ももにくる黄色いインテークの部分がシール貼り付けになっていた点でした。
黄色くは塗られているのに、黒い線を入れるためのシールがついています。
今までの機体だと、単色塗りながらもここにモールドが入っていたのでシールの貼り付けも必要なく自然な仕上がりだったんですが、これってモールドを入れ忘れたとかってオチじゃないですよね?
ここはかなりの謎ポイントでした。
ちなみに、コックピット横の稲妻マークもシールになっており、このあたりのマーキングがシールでの再現なのはシリーズ共通です。
変形時の剥がれリスクなどが気になりましたが、干渉するような場所じゃないのでひと安心できそう。
私はシールは貼らずにレビューします。
3センチくらいのミニフィギュアなのですが、このバサラは髪の毛を立てているのでもう少し全長が高くなっています。
小さいのに執念とも言えそうなレベルの細かな塗り分けで、接写すると気になる部分が目につくかもしれませんが肉眼で見るレベルには全く問題がないと言えそうです。
ギターの指板にはポジションマークまで塗られてるのかと思ってめちゃくちゃびっくりしたのですが、拡大するとただの気泡でした(笑)
撮影が困難なくらいの超極小で、言われないと気づかないレベルかもですが右手にはピックを持っているっぽいです。(塗り分けなし)
「バサラは首が動かせる」という噂を耳にしていましたが、塗料が融着しているのか私の個体は首が動かせる気配は全くなさそうでした。
個体差かもしれないので、「自分のバサラは首が動かせるよ」って人がいたら教えてください(笑)
商品はファイターの状態で入っているのでファイターからご紹介しましょう。
フォルムは悪くないのですがなんとなく貧相なイメージがあって、今までと大きさが違うのかと思いましたがメサイアやジークフリードと比べてみましたが小さいという感じはありませんでした。
ほぼ2色だけでアクセントとなるラインなども入っていない機体なので、情報量が少なく見えちゃうのかな?
コンパクトながらもメリハリがあって、航空機らしい薄さもありデフォルメの変形とは思えない見事なフォルムです。
だけど貧相なイメージが拭えなくてたぶんこの原因は、めちゃくちゃ安っぽいプラ感があるからかなと思いました。
食玩のプラみたいな感じで、キャンディ感のある赤い成形色が剥き出しでものすごく安っぽく感じました。
今までのTINY SESSIONは成形色の上からマット寄りに塗装されたりしていたのですが、突然こういう質感のプラ剥き出しみたいな仕様になるとだいぶ安っぽく見えちゃいますね。
しかし、ファイヤーバルキリーの個性を考えると一概にそれがダメなこととは言えなくて、ファイヤーバルキリーってマクロスワールドの中でもかなりファンシーでファンタジーな機体なんですよね。
それを意識した上での解釈としてこのキャンディレッドっぽい仕様はなしじゃないかもです。
でも、コスト削減を意図して今後これくらいの仕上げでいくって感じだとシリーズとしての魅力が激減です。
YF-19の発売も決まっていますが、今回だけの仕様であって欲しい…
開封した状態のままだとコックピット部分は中身がスッカスカなので、キャノピーの奥の空っぽ感はかなり目立ちました。
ただ、バサラの足を固定するパーツをつけたままキャノピーを閉めることができるので、これを入れるとスカスカ感がかなり軽減されます。
これはコックピット内に固定したままがいいと思います。
期待下部にガンポッドを装着できますが、メサイアやジークフリードのガンポッドと比べるとかなり貧相で小型になっています。
主翼の根元についている補助翼は極小ながらも、折りたたみできるようになっているのにこだわりを感じました。
こういうところを見ると、担当者さんがファイヤーバルキリーに愛を持って商品化したんだろうなというのが伝わってきます。
このファイターの欠点として、変形の都合の肩ジョイントが丸見えでスカスカ感があるところですかね。
トイと割り切れば全然OKなレベルなんですが、他の部分のパーツの密着度が高いのでここだけ極端にスカスカしてるのが目につく感じです。
成形色剥き出しで赤が多いので間延びした印象がありますが、フォルムはいいので可愛がりたくなる機体ですね。
もう一歩仕上げや精度に踏み込んでもらえてたら神商品になってたかもなぁ…
VF-19はかなり複雑な変形だと思うのですが、これをデフォルメにしつつほぼ完全変形を目指しているわけですからどこかに皺寄せがきますよね。
その皺寄せがきてるのがガウォークかなと思います。
まずは変形について。
肩を跳ね上げたり、脚を伸ばしたりでファイターからはほぼそのまま変形可能ですが、バトロイド頭部のトサカをガウォークのお尻(尾翼)に移植させてあげる必要があります。
頭部の大きさに比例して、尾翼にもってくるトサカ部分も大きくなっているのでデフォルメとしての見栄えはいいです。
変形で一番怖かったのが、膝関節の引き伸ばしでした。
膝関節を逆方向に90度まげるためにぐーっと引き伸ばしてあげないといけないのですが、ここが最初はめちゃくちゃ硬くてどれくらい伸ばしていいのかも分かりにくく、力加減を間違えると破損しそうな部分でした。
それ以外は特に難しい部分はなく気持ちよく変形できます。
ガウォークは見る角度によっては綺麗にまとまっているのですが…
脚が機体の後ろ側についてる感じになのでちょっとバランスが悪く見えます。
各パーツの正規のポジションにこだわらなければ、ポージングの幅はかなり広いので微調整しつつカッコよく見えるバランスを探ることもできそう。
このガウォークの酷評を目にしましたが、デフォルメという部分も考慮すればそこまで絶望的ではないという印象です。
シールドの黄色いV字のようなマークが綺麗に塗り分けられているのもポイントが高いです。
重心低めにみえますが、「かっこいいガウォーク」ではなく「かわいいガウォーク」と解釈すればいい感じかと。
TINY SESSIONなのでミニフィギュアと組み合わせていつもの遊びができますね。
TINY SESSIONシリーズで自分で操縦するキャラが付属するのは初めてですけど、作品を知らない人はこの子がギターで操縦するとは到底想像もつかないでしょうね(笑)
もう一点、困った部分があってバサラの脚を固定するパーツがかなりきつい割に、頑張って嵌め込んでもゴムっぽい素材の弾性のおかげでむにゅっと外れることが多いです。
説明書にも塗装ハゲ注意の旨が書かれているのですが、ここももうちょっとしっかり調整して欲しかった部分です。
バトロイドへの変形は頭部と背中に補助パーツをつける以外は完全変形です。
VF-19は胴内に機首を畳んで織り込むというかなり難しい変形となっていて、リアル等身でもプロポーションとギミックの両立が難しいところですが、TINY SESSIONはデフォルメながらも機首の折りたたみが再現されていてびっくりしました。
もっと補助パーツをつけたり、軸を差し替えたりの変形を覚悟してたのでここには感動。
ヒロイックなフェイスを持つ頭部は綺麗に塗り分けられていますが、今までのシリーズにあったような透明度が高く厚みのある綺麗なクリアパーツは使われていませんでした。
あのクリアパーツがツインアイに使われていたらもっと良かったろうけどそこはコストの問題かな?
プロポーション的には胴や腰のスカスカ感と間延びした感じが気になりますが、これはリアル等身のVF-19でもこうなっちゃいがちな部分なので、ある意味設定通りのバランスが再現されたプロポーションなのかも?
可動軸が多いのですがトリッキーな動きをする部分が多いのでポージングへの恩恵は少なく、腰を左右にも回せないのでポーズには期待しない方がいいかもです。
太ももにもロールがありますが、ロールの軸が中心よりずれていて斜めに切られているので動きのクセが強くてバトロイドでのアクションには不向きな可動軸でした。
ガウォークでハの字開きなどの恩恵があるので、ガウォーク用の可動軸なのかも。
気になるのは太ももの内側の大きな肉抜きで、他のTINY SESSIONもこの辺りに肉抜きがあるのですが、ファイヤバルキリーは大きく目立つ部分にできています。
ツインアイは最近よくあるシルバーにクリアカラーを塗っているタイプでした。
頭部の塗り分けも発色も素晴らしくて、このシリーズはバトロイドの顔が売りの一つになっているようで力が入っているのが伝わります。
ほんと、TINY SESSIONは今までのどの機体も顔がめちゃくちゃかっこいいんです。
バトロイドでスタンドを使う場合は、平ピンを背中に刺すアタッチメントを使用します。
安定感があってスタンドのチルトもそのまま活かせるのでありがたい仕組みです。
アクションもポージングも期待できないのですが何枚か。
あとはバサラと一緒に。
基本的にはよくできている良い商品なんですが、今までのものが良すぎた分「値上げして安っぽくなった」という印象がほんのりついてきちゃいます。
これも調整不足かと思うのですが、平手のボールジョイントが大きすぎるのか手首の交換をしようとしてもそのままでは入りませんでした。
平手は軟質素材なのでグリグリむりやり押し込もうとすると軸を捩じ切ってしまいそうで、ここに関しては「ちゃんとチェックしたの?」って疑いたくなるようなレベルでした。
試してみて交換が難しいと感じたら無理せずにニッパーなどでボールジョイントのサイドをほんの少し切り落としてあげても良いかも。(自己責任で)
「値上げした上で仕様や品質が下がった」という印象が強く細かな不満は多くあるものの、変形ギミックなどはかなり練られておりやっぱり好きなシリーズだなと感じました。
主な欠点は
・値上がりしたけど恩恵は感じない(ただの物価高の影響っぽい)
・バルキリーの質感が全体的に安っぽくなった
・調整不足と思える箇所が目についた(特に平手)
・ガンポッドがなんか小さい
くらいで、その辺りを除けば遊びやすさやギミックの楽しさはTINY SESSIONとしての及第点かなと思います。
TINY SESSION未経験者に最初のひとつとしてはこれを勧めないですが、シリーズを買い集めている人とか、ファイヤーバルキリーや熱気バサラに特別な愛着がある人にとってはお気に入りの商品になるかなと思います。
なんにせよ、シリーズが続いてくれると嬉しいのですが次の「TINY SESSION マクロスプラス YF-19(イサム・ダイソン機) with ミュン・ファン・ローン」では今回の欠点は解決してほしいところです。
ファイヤーバルキリーのクオリティが続くと流石に手が伸びなくなっちゃう…