ホビー

[レビュー]ギガンティックアームズ01 パワードガーディアン

はじめに

現在、私の周りで1/12スケールのドールや美少女プラモが大人気でして、それらと組み合わせて遊べる小物やプラモデルをいろいろと探しておりました。

そこで偶然出会ったのがこのコトブキヤのギガンティックアームズ01 パワードガーディアンでした。
コトブキヤさんといえば15センチ前後の美少女プラモを色々販売しておられ、この15センチ前後が1/10~1/12スケールとしてちょうどいいサイズなんですよね。

コトブキヤの商品と組み合わせて遊べるパワードガーディアンはまさに私が求めていたニーズにバッチリでしたので、物は試しと即購入しました。
全高26センチと言うなかなかの大きさなので1万円近いのかと思いきやなんと税別で4,800円という優しいお値段だったのも魅力の一つでした。(プレミア価格での販売が多いので購入される場合はご確認を)

組み立ててそのまま遊ぶには難ありな点もあるのでその辺りにも言及しつつ、主に組み合わせ遊びという視点でこのパワードガーディアンをご紹介してゆきたいと思います。

製品情報

発売月 2017年12月
税込価格 5,280円
税抜価格 4,800円
スケール NON
製品サイズ 全高:約260mm
製品仕様 プラモデル
パーツ数 201~400
素材 PS・PE・ABS
設計 丸家 裕之介

まずはどういうコンセプトの商品か

パワードガーディアンギガンティックアームズというコトブキヤのオリジナルシリーズのひとつです。
ギガンティックアームズは同じくコトブキヤのオリジナルシリーズのフレームアームズ・ガールと組み合わせて遊ぶことを念頭においた巨大サポートユニットです。


ギガンティックアームズはコトブキヤのM.S.G (モデリングサポートグッズ)のシリーズでもあるので、M.S.G特有の3mm穴で統一されたジョイントを活用して無限の遊び方ができる仕様となっています。
最近、3mm穴はかなりいろいろな商品で採用されておりデファクトスタンダード的な規格になっているので、他メーカーの他商品とも柔軟に組み合わせて遊ぶことができるのです。
すばらしい!

ギガンティックアームズシリーズ…もっと早く出会いたかったぜ…

パッケージや商品仕様など

パッケージはでかいというか厚い!

300円仕事猫フィギュアと比べるとかなりの厚さであることがお分かりかと思います。(分かりにくい??)

このシリーズに初めて触れる方はパッケージに描かれている商品写真が混乱を呼びそうなのですが

・左側に写っている女の子は別商品なのでこの商品には入っていない
・この商品には真ん中上段の「ブリッツガンナー」と真ん中下段の「ムーバブルクローラー」が入っている
・右側に写っているのは「ブリッツガンナー」と「ムーバブルクローラー」が合体した「パワードガーディアン」

という感じです。

組み合わせ使用例、商品内容、その商品が合体した姿が一気に載ってるデザインなので勘違いしちゃう人もいるかもですね。

箱の横にパーツ一覧が掲載されていますが、ブリッツガンナームーバブルクローラーがブロックごとに分割された状態で並べられたものですね。
こんな感じのブロックを3mm軸で接続して自由に組み替え遊びができる商品で、ブリッツガンナームーバブルクローラーその合体形態のパワードガーディアンはこれらのブロックを使った一種の組み立て例といった感じでしょうか。

組み立て前のパーツのボリュームは多いように見えたのですが、大きめのパーツが多く組み立てもシンプルなのでプラモ慣れしている方なら迷うポイントはなさそうです。
ただ、ガシガシ遊ぶには強度が足りない部分があり接着してしまう方がストレスが減る部分もあって、それに関しては後ほど詳しくご紹介します。

あとゲートが太い部分がいくつかあって、切れ味の悪いニッパーだとド派手なゲート跡ができちゃいそうです。
切れ味の良い薄刃ニッパーがある方がいいですね。
私はケロロニッパーでギリギリ戦えました…

組み立て説明書は冊子タイプがついてきます。

組み立て説明書にはカラーページもあって、遊び方の例なども掲載されています。
遊びの幅が広すぎてこれ単体はもちろん、他商品と組み合わせればもう永遠に遊べちゃう…

ここの写真にある戦車形態みたいなやつは、私が写真を撮り忘れてこの先出てこないやつなので目に焼き付けておいてください(笑)

コトブキヤの別シリーズであるヘキサギアとも組み合わせて遊べるようになっており、一部にヘキサギア用の六角形ジョイントも使われています。
その六角形ジョイントを3ミリ軸に変換するためのポリパーツもついているからここでも組み替えの幅が無限に広がって本当に親切な商品です。

フレームアームズ・ガール 轟雷などに使用できるプリントなしのフェイスパーツもついています。
瞳デカールがあるので好みのものを貼り付けることができるのですが、公式さんから「フレームアームズ・ガールに使う予定がない人はデカールを貼る練習にでも使ってね」的な提案もありますので使い方は自由ですね。

ちなみに、同じコトブキヤのジ・バニャンとフェイスパーツのサイズが同じように見えたので流用できるかと思ったのですが、裏側の接続方法が違ったのでそのまま差し替えは無理でした。
もしかしてこの部分って商品によってまちまちであまり互換性がないのかな?

ブリッツガンナー

パワードガーディアンの上半身になる支援メカでフレームアームズ・ガールをはじめとする15センチサイズのアクションフィギュアが搭乗するのにちょうど良いサイズです。
この乗り物形態はエアライドモードと呼ぶそうです。
手にするとなかなかいい形状なんだけど写真に収めるのが難しいです。

こちらは斜め正面からの写真です。
搭乗者が本体上部にあるハンドルを握って操作する感じです。

本体左右にある4連砲は開いて指のような形状にもできます。


スタンドを使っているかのような感じで自立できるのは本体下部にあるフットレストのおかげです。
パイロット(ドライバー?)が乗る時にここに足を乗せるのですが、結構保持力と安定感があるのでここを使って自立させることができます。
たぶんこういう想定で作ったんじゃないと思うけどそのように使えるのだから助かります。

可愛い子にライドさせるとこんな感じです。(撮影に使っているスタンドは別商品です)

フットステップに可動軸があるので、脚の長さやヒールの形状が違う子でもベスポジに移動できるのが素晴らしいです。

フィギュアは3ミリピンで背中の穴に固定するようになっているのですが、背中に穴が空いていない子はピンが丸ごと邪魔になってしまいます。
ただ、背もたれ部分のパーツはたまたま余剰パーツがあるのでピンなし版を組んで必要に応じて差し替えることもできます。
ほんと、柔軟性の高いキットです。

このフィギュアはジ・バニャンの頭を中国製の謎プラモ+そのプラモについていたチャイナドレスの組み合わせで作ったものです。
ジ・バニャンの時に耳を刺す穴が目立ってるんですけどこの組み合わせかなり気に入っています!

↑中国の謎プラモ、キットの出来はなかなか難ありでしたが1/12サイズのチャイナドレスセットだと割り切るとかなりおすすめです!

上半身ブロックのブリッツガンナーはご紹介したような乗り物以外にも背負いものとして使うこともできます。

背負わせるには背中や腰の中央に3mm穴が空いているものが良いのですが、EGガンダムのバックパックにちょうどいい3mm穴が空いていたので背負わせてみました。

私のEGガンダムは遊び倒しすぎて関節がもうくにゃくにゃなのですが、フットレストがいい感じのサポートレッグのようになって自立も余裕でした。

他商品と組み合わせれば工夫次第で無限に遊べちゃう。
まだ上半身しか紹介していないけど、上半身だけでも完全に面白い!

ちなみに、「上半身だけ欲しいな!」と思った方のためにコトブキヤさんは色違いで上半身のみを販売してくださっています。
お値段はパワーガーディアンのちょうど半分、ほんともうこういうのめちゃくちゃありがたい!

ムーバブルクローラー

こちらはパワーガーディアンの下半身となるムーバブルクローラーです。
片足で2つ、両足で4つのブロックからできているキャタピラ部分が秀逸で、めいっぱい開くと戦車のように平べったくなり、写真のように中途半端に開くと4脚のようにも見え、めいっぱい立てるとのちに紹介するパワーガーディアンのように直立します。

ここの角度で表情が変わるのが面白い!

これも写真だと造形を捉えにくいデザインですが真横からみるとこんな感じ。
脚部上についている機銃は差し替えで収納状態も再現できます。

キャタピラ部分は回転せず造形のみなのですが一つ難点があります。
キャタピラは一つの脚部ブロックにつき5つのパーツに分かれているのですが、先端部のキャタピラパーツの保持力が皆無でポロンポロン外れてしまいます。
ここが3ミリピンでの接続になっているので、取り外せることで遊びの幅があるのかもしれませんがストレスの方が大きいと感じる方は接着してしまった方がいいかも。
全体的にパーツの精度は発売当時の2017年の基準でもかなりいい線いってると思うのですが、ここだけゆるゆるなのはとても不思議。


上半身にもあったのですが、下半身もそれと同じ「コアブロック」を使うことになります。
コアブロックに脚部をくっつけてムーバブルクローラーが完成します。

コアブロックはアームが収納されており、ブリッツガンナーの時はここにハンドルが付けられていたのですが、ムーバブルクローラーではハンドルの代わりにハンドパーツをつけて、そのハンドパーツにはマシンガンを持たせることができます。

コアブロックは差し替えなしでアームを収納することができ、収納すると前腕部分になっていた装甲が蓋のような役割をしてかっちりと閉まってくれるのです。
ロック機構などはないので微調整が必要ですが綺麗に収納できるので気持ちがいいです。

パワードガーディアンの姿でご紹介ですが、マシンガンは15センチのドールにちょうどいいサイズです。
この商品、「できるかな」と思ったことが大体できるのが気持ちいです。

こちらの下半身コトブキヤさんは色違いで上半身のみを販売してくださっています!
お値段はパワーガーディアンのちょうど半分、ほんともうこういうのめちゃくちゃありがたい!(2度目)

パワードガーディアン

ブリッツガンナーを上半身に、ムーバブルクローラーを下半身にして差し替え変形したものがこのパワードガーティアンです。
全高およそ26センチのジャンボサイズです。
フレームアームズ・ガールなどの15センチクラスのフィギュアを乗せて遊ぶことを想定していますが、コアブロックが顔のようになって乗せなくてもロボットとしての説得力が十分にあります。

指示通りの組み立てだと胴体周りに空っぽさがありますが、コアブロックの装甲を下ろしたりアームを閉じたりすれば胴体周りにも密度が出ていい感じ。

ギャラリーで少しアクションを見ていただきましょう。

ロボットとしての可動が埋め込まれているというよりはパーツの分割とジョイントの都合で動くという感じです。
ガシガシとアクションさせるというよりはフィギュアと組み合わせて遊ぶパワーローダーのようなモードなので「動くところが動く」というくらいの割り切りで手にするのが良いかと思います。

なんにせよ、大きさの割にジョイントが弱い部分もあるのでガシガシと動かしているとド派手にパーツが外れて倒壊します。

フィギュアを乗せる時は上半身のコアブロックのアームにクリアグリーンのディスプレイをつけます。
このディスプレイ、ランナー構成の関係で合計4枚あって接続も3ミリ軸なのでかなり遊べるし雰囲気もめちゃくちゃ出ます。

操縦者からみたらこんな感じなのかな…
ディテールは2種類でウィンドウのようなものと、レーダーのようなものがあります。

こっちはレーダーっぽいの

脚部は開き具合を変えれば安定感が増すし、平べったくすれば人型戦車のようにもなるのでここも遊び方を選べるポイントですね。

顔がないとはいえ表情がつけられないというわけでもないし、可動箇所も多いので触っているうちに新しい発見があるとても面白い商品です。

さて、フィギュアを乗せてみましょう。

フィギュアを乗せる時はパワードガーディアン前面のハンドル部を前に倒し、腰を支えるための左右のアームを開きます。

背もたれの3ミリピンをフィギュアの背中や腰に差し込むのが一番安定感の出る遊び方です。
差し込んだらアームで腰回りをホールドしてあげるとさらに安定感が増します。

うわぁぁぁ!!!!

たのしぃ!!!!!

楽しすぎてめちゃくちゃコスパのいいおもちゃに感じるよ!

手の指のようになっている方向は3門を横並びに開くことはできるけど指のように曲げることはできません。
この部分の自由度はないので「巨大な刀を持たせたいな!」など妄想された方はご注意を。

せっかくなので女の子に乗ってもらいましょう!

うわぁぁ!!!!

楽しいい!!!!!

無骨なガンダムと違う華奢な女の子だとパワードガーディアンとのギャップがより引き立って可愛いですね!

美少女プラモでスカートなどが造形されている子だと形状や可動範囲の関係で乗せにくい子がいるかもしれませんが、布製の服を着せているドールだとその辺の心配もなくめちゃくちゃ親和性が高いですね!

まだ試してないけど、アサルトリリィの1/12スケールのフィギュアなら相性がめちゃくちゃよさそう!

遊びやすくするための問題解決

とてもプレイバリューが高く魅力的でコスパも良いパワードガーディアンですがガシガシ遊ぶおもちゃとしての欠点が3つほどあります。

1.キャタピラの先端パーツが取れる(気になるなら接着でいいかも)
2.ブリッツガンナーの腕部分は結構重量があるのにプラ製の3ミリ棒で接続するだけだから怖い(気を付けるしかなさそう)
3.パワードガーディアンモードで重さに負けてコアブロックが崩壊する

です。

特に「3」は高い位置からの落下にも繋がるので二次災害も起きそうな問題点です。

パワードガーディアンの腕を接続するパーツの勘合が弱いのでちょっと動かすと重さに負けてドカンと外れてしまいます。

同じく、そこが外れるとコアブロックの先端ブロックを接続しているパーツも外れちゃいます。
この部分はコアブロックを変形させている時もすっぽりと外れやすいです。

パーツ写真ではわかりにくいので組み立て説明書でご説明をします。
これらの外れやすい部分は赤丸の箇所なのですが、可動に影響もなく外す必要もない部分なので接着してしまった方が安全に遊べてストレスも軽減されると思います。

大きなキットなので落下は破損にもつながるのでガシガシ遊びたい人はここをしっかり対策しましょうね!

まとめ

個人的に接着を推奨したい箇所もあって少し手のかかるキットではありますが、それを差し引いてもとても満足度の高いキットでした。
コスパもプレイバリューもとんでもなく素晴らしいので、15センチクラスのフィギュアやロボット(ガンダムだと1/144くらい)、1/10~1/12スケールのドールなどと組み合わせて遊ぶには最高の商品だと思います。

また、3ミリ穴も豊富なので「フィギュアを乗せて遊ぶ」以外にも他商品と組み合わせて遊ぶことができますし、なんならパワードガーディアンを二つ組み合わせて遊ぶのも面白いかも?

組み立てるのが楽しいのではなく、組み立ててから組み替えるのが楽しいブロック的な要素もある素晴らしい商品です。

これ、もっと早く出会えてたらよかったな…

Amazonはたぶん定価越えしていますので、ご購入の際はご確認とご納得を!

こねこ星人