「めちゃくちゃ素敵な商品っぽかったのにめちゃくちゃガッカリした商品」という印象が強くて、シリーズが続いても積極的に手を出しにくいなと感じていたモビリティジョイントですが、第一弾から4ヶ月を開けて第二弾が発売されました。
第二弾のランナップは「全部モビルスーツアンサンブルで出てるやつじゃん」という印象で第一弾のジオングほどのときめきがなく、前回のガッカリ度の高さも相まって見送ろうかと思っていました。
しかし、無理やりのEXパーツ商法を見直したのか拡張パーツが一つ減って全7種になったメーカーの努力(?)に対する小さな敬意と「もしかしたら第一弾は何らかの理由で塗装箇所を後から急遽シールにしたのでは?第二弾はシールの部分が減って品質も上がるのでは!?」という期待を込めてボックス購入しました。
第1弾だけで結論を出すのは良くないですもんね。
しかし、結果を言ってしまえば私的には第一弾以上のガッカリ度で、このシリーズの購入は今後ないだろうなと結論づけることになりました。
見た目はいいんですけどね…
今回は、主に不満点の羅列になりそうなので苦手な方はスルーでお願いいたします。
可動ユニット“MOBILITY JOINT”による高い可動性、EXパーツによる多彩なモデルチェンジ(強化・拡張)を楽しめる食玩ガンダムシリーズ。
https://www.bandai.co.jp/candy/products/2022/4549660738060000.html
第2弾はνガンダム、サザビー、ギラ・ドーガ、ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー専用機)と『逆襲のシャア』よりラインナップ。3種の「EXパーツ」を含む全7種で展開。
νガンダムはEXパーツ2種でさらに強化可能。ランゲ・ブルーノ砲は全長約100mmの大ボリュームで立体化。
メーカー希望小売価格:¥590(税込:¥649)
発売日:2022年8月29日
売場:全国量販店の菓子売場等
対象年齢:15才以上
組み立てキット(一部彩色済)(全7種)
商品の特徴などは第一弾のときにご紹介していますのでご参考にどうぞ
主にお顔立ちの部分で賛否が分かれそうなνガンダムは、造形以前に彩色が中途半端すぎるのが大きなガッカリさでした。
面長で大きめに見えるお顔の大切な部分がシールでの色分けとなっています。
なんでこんな中途半端な塗装にしちゃうんだろう?
シールとプラ&塗装部分の色味が全然違うのでシールを貼ったとしてもめちゃくちゃ浮いちゃうんですよね。
部分塗装をするにしてもやはり塗装済み部分と色味を合わせるのが難しいので、色合いにこだわると全塗装になっちゃう。
モビリティジョイントが「そのまま遊ぶにも中途半端、プラモと割り切ってちょっと手を加えるにしても中途半端」という商品になっちゃってるのは中途半端な塗装済み仕様にあるのでは?
謎の部分塗装をやめて数十円でもお値段が安くなるのであれば喜ばれそうだし私もプラモと割り切って買うんですけど、けっこうなお値段(税込649円)なのに中途半端なものをつかまされているというモヤモヤ感がずっと付き纏うのはモビリティジョイントならではの感覚です。
ただ、お値段に関してはνガンダム単品で考えるとそんなに悪いものじゃないんです。
割高なEXパーツにまで手を出すと商品全体としてのコスパがかなり悪く感じるようになるのです。
なので価格に関する不満は主にEXパーツを揃えた場合の価格という感じです。
立ち姿は悪くないというかむしろ個人的には好きな部類です。
このプロポーションやディテールの方向性が好きならしのごの言わずにモビリティジョイントは買いの一択でしょう。
気になるのは脚のアーマーパーツの分割線が真正面にきているところでしょうか。
のちに紹介するサザビーやギラ・ドーガは脚の共通フレームから専用パーツで分割線が正面に来ないよう工夫されているので、νガンダムも脚のアーマーのパーツ分割はもうちょっと工夫すれば真正面につなぎ目ドカンを防げたと思うのですがちょっと謎ですね。
武器なしでの立ち姿です。
薄目で見ると不気味さのあるバランスなんですが、ディテールの情報密度が高いのでしっかり見るとなんかいい感じに見えてしまう不思議さがあります。
デフォルメ体型ながらも今風の情報量で固定モデルの素体としてはめちゃくちゃ好みではあります。
バックパックに刺さっているビームサーベルの位置と角度に違和感があるけど細かいことはどうでもいいとします。
ガンダムと並べるとわかりやすいのですが、νガンダムの成形色はかなりグレーに寄っています。
ここが渋めでかっこいいと感じるのですが、シールのパーソナルマークの周りが真っ白なので成形色的にはシールがかなり浮いちゃいますね。
武器の造形と、成形色とシールの差がわかる写真がこちらです。
シールドのアレンジも賛否分かれそうではありますが自分は好き。
シールドの表面左右に空いている穴はHWSの大型シールドの接続穴になっています。
ここをディテールっぽく仕上げてくれているのでシールドの見栄えが良くなっています。
アンサンブルだと3ミリ穴をドカンと開けて汎用性を持たせそうな部分ですので、モビリティジョイントとアンサンブルのベクトルの違いが見て取れます。
この渋い成形色に真っ白に縁取られたパーソナルマークが乗っかっちゃうわけですから、シールがより一層浮いて見えちゃいますよね。
シールドは接続用のパーツを解してボールジョイントでの接続となりますが、νガンダムは肘側のボールジョイントがないので外側にしか接続できません。
たぶん、ファンネルを装備した時に干渉するとかそういう理由かなと思ったのですがそんな感じでもなく、ここは肘側にもボールジョイントをつけて遊びの幅を持たせてほしかったなと思いました。
νガンダムは色の問題以外にもう少し難点がありまして…
リアアーマーが干渉して膝がさっぱり曲がらないです…
そして、太ももを前に出そうとしてもフロントアーマーが干渉してさっぱり前に出せない…
可動フレームを駆使しながらも脚の稼働範囲はこんな感じです。
脚を左右には広げることはできますが、膝や前後の可動に関しては組み立て間違いをしてしまったのかと確認してしまうくらいの小ささです。
もともと膝関節が効果的とは言いにくいシリーズなのでしっかり動いたところでという感じかもしれませんが、せっかく関節があるなら動いてほしさはありますね…
脚は左右には開くのでそれなりに動かして遊ぶことができます。
スタンドはアクアシューターズのものをお借りしました。
このスタンド、強度が微妙で土台も小さくて安定感がイマイチではありますが写真撮影にはちょうど良いお手軽さです。
フレームはこんな感じ。
第一弾のガンダムと違って脚にもフレームがあります。
こんな感じのフレームモードで遊べるのは商品コンセプトが生きていると感じます。(第一弾のガンダムは本当によくわからない仕様だった…)
今回のフレームで気になったのがボールジョイントのクオリティです。
ボールジョイントの形が歪になっているみたいで、特定の方向に押し付けられてくるっと回ろうとするみたいな部分が多かったです。
一方でボールジョイントが緩い向きもあるようで緩い向きだと保持力皆無なレベルでプラプラになっちゃいます。
しばらく動かしてなじめば解決するかもしれませんが、ボールジョイントがスムーズに動かずに引っかかりを感じることも多く、無理やり動かすと軸の破損にもつながるかも?
今回どの機体も造形的な干渉が激しい上に、ボールジョイントの動きに変な癖があって動かしていてまったく気持ち良くないんですよね。
ここからは「6.サザビー&νガンダム用EXパーツ」からνガンダム用のEXパーツをお借りしてのご紹介です。
ニューハイパーバズーカはモナカで他は全てワンパーツです。
ニューハイパーバズーカの持ち手の根元に丸軸のようなものが見えたので、持ち手の角度が変えられるのかなと思いましたがこちらはただのモールドでしたので角度は変えられません。
ニューハイパーバズーカの弾倉の黒い部分はシールで色分けするようになっています。
個人的にはこのおもちゃっぽいシールを貼るくらいなら真っ白の方がマシと思っちゃう。
サーベルは標準的なものとνガンダムらしさのあるものの2種類が付いています。
サーベルは十分な大きさで作られているので迫力があります。
サーベルを持たせる時はバックパックからサーベル部分を外せるようになっています。
ファンネルを装備させたものがこちらです。
十分な大きさで情報密度も高いので単色でもかなりカッコよく見えます。
ファンネルは左側専用で逆に付けることはできません。
なので、二つ集めたからといってツインファンネルにもできません。
このνガンダム、目の部分だけでも塗ってくれていたら「こういうアレンジで配色もこういう感じです」が通りそうなディテールと成形色の渋さなのですが、大事な部分が塗られていないのでどうしても「中途半端な塗り」と感じてしまいます。
造形はほんとけっこう好きなんですけどね…
バズーカはバックパックに背負わせることもできます。
他の武装から考えると細くて小さいイメージがあるけどこんなもんですかね?
続いて、「5.νガンダム用EXパーツ」と組み合わせてHWS装備型を再現します。
わかっていたことですが「5.νガンダム用EXパーツ」も「6.サザビー&νガンダム用EXパーツ」も開封すると「え!?これが600円!?嘘でしょ!」ってなるスカスカ感です。
流石に塗装されてるだろうなと思ったところが堂々のシールによる色分けでした。
コストが高そうなνガンダム本体はふくらはぎ塗ってたじゃん…
なんでこのスカスカのオプションパーツは塗ってくれないの…
モビルスーツアンサンブルは「こんなところは色分けされないと思ってたのに、極小の別パーツで色分けされてた!すごい!」って感じでいい意味で予想を裏切ってきますが、モビリティジョイントは「プラの量がスカスカの高額オプションパーツだし、特長的なここくらいは別パーツか何かで色分けされてるでしょ」って部分がシールでの色分けとなっていて悪い意味で予想を裏切ってくれます。
前回「パッケージ詐欺だ!」って怒ってる人を見かけましたがその気持ちはほんとよくわかる…
しかし、ほんと造形はすごくかっこいいんですよね。
「見た目がかっこいい」というのはモビリティジョイントにモヤモヤする理由の一つでもあります。
だって、見た目が悪かったら「こんなもんいらねぇ!」で秒でお別れ判断できますもんね。
価格・販売方法・仕様・プレイバリューは悪いけど見た目はかっこいいからお別れに悩みが出ちゃうんです。
シールドやアーマーも十分に大きいので迫力があります。
お別れするか悩んでいたけど「もうこのシリーズはお別れでいいや」と見限ったポイントがここでした。
胸部アーマーが「元の装甲を分解して組み立ててからの差し替え」という一番めんどくさい方式でした。
私はこういうフルアーマー的なおもちゃは多少フォルムが崩れても装甲を重ね着させる感じが好きなんです。
νガンダムの胸のダクトの溝が深かったので、もしかしたらここが固定穴になるかなと思っていましたが、分解して差し替えというたいそうありがたみのないものでした。
第一弾のパーフェクトガンダムの換装もひどいもんでしたが、こんなシンプルな重装型でこういう仕様がくるとは流石に…
パーフェクトガンダムとνガンダムの仕様に一貫性があればそれが遊びの幅にもなるのでしょうが、重装化に対するベクトルが違うんですよね。
パーフェクトガンダムは胸の装甲は重ねるけど脚は総差し替え、νガンダムは逆で脚は装甲を重ねるけど胸は元あるものを分解して組み替えて差し替えという感じで。
私はモビリティジョイントに「パーツや装甲の互換性が高めで付け替えやカスタマイズが楽しめるもの」を期待しているのですが、開発側はたぶん「どういう方法でもいいから最終的にフルアーマーができればいい」ってスタンスなんだと思います。
モビリティフレームに対して「種類が集まれば組み替えの幅が広がって楽しめる」とも思ってたのですが、この調子だとたぶん手持ち武器の交換程度にしか楽しめなさそうというのが実際のところですね。
さらに困ったことに、今回のモビリティフレームはなんか緩くて装甲を外そうとすると高確率でフレームが分解されちゃうんですよね。
こちらはギラドーガですがこんな感じでフレームが前後に分かれちゃいます。
胸部装甲、バックパック、フレームの接続のなかでフレームの接続が一番弱いので真っ先に外れちゃうからだと思います。
そんなこんなが重なって、気軽にガシャガシャ遊べそうな食玩なのに触っていてとにかく触っていて気持ち悪いんです。
あと、今回どの機体(νガンダムは多少ましですが)も肩装甲が「乗っているだけ」って感じなのでほんとちょっとした事でポロポロと外れてしまいます。
大袈裟じゃなくて撮影時間の半分くらいは外れた肩アーマーを戻してました。
話を戻しましょう。
シールドは元のシールドの上に被せて重装化します。
シールドに空いていたスリッドに大型シールド裏の専用ピンで接続する方式なので元のシールドのフォルムを崩さずに追加シールドをしっかり固定できます。
これを不恰好と感じる方も多いかもしれませんが、私はこっちの方式が重装化っぽくて圧倒的に好き。
なんで胸の装甲でこれをやってくれなかったんだ…
この厚みがOKなら胸も重ね着方式で再現してくれよ…
ファンネルやバズーカもお借りして更なる重装化が可能です。
この状態の再現に3箱必要なのでほぼ2000円のおもちゃですね。
お値段もさることながら販売方法の難易度もあって店頭で単品買いする人が運良く3種類を買い集めることができるかというのもネックになりそう。
第一弾は発売直後から盛大なワゴンセールが開催されていたので第二弾は小売店も仕入れに躊躇してるのでは?
だからこういう売り方が嫌いなんですよ…
面白そうだけどGフレームに手を出さない理由も完全にこれです。
ボリュームあってかっこいいんですけどね…
でも、触っていて楽しくないという絶妙に残念な商品です。
すでにおおむね紹介しましたが、全体がわかるように補足説明です。
νガンダムと組み合わせて遊ぶ別売りのHWS装備型パーツです。
箱を開けるとスッカスカに真っ白なパーツが入っています。
ほんと、このシリーズは塗る・塗らないの基準がわからない…(つま先だけは絶対に塗りたくないというのは伝わる)
フロントアーマーを付ける時のセンターブロックはνガンダムから流用です。
ふくらはぎアーマーやリアアーマーは気持ちよくはまるのだから、この気持ちよさを商品全体に取り入れてくれればよかったのに、なぜか胸部アーマーとフロントアーマーは組み替え&差し替えです。
大型シールドは2パーツ構成ですが、パーツ同士をくっつける穴に共通性はないので一部流用しての組み替え遊びは難しいです。
600円の箱を開けて出てくるのがこれですもん。
前回で覚悟はできていたとはいえ、流石に今回も「うわぁ…」ってなりました。
今回はオプションパーツの種類が減って、サザビー&νガンダムのオプションが抱き合わせの単品販売となります。
νガンダムかサザビーのどちらかしかいらないって人にとっては迷惑極まりない分売商法です。
サザビーにとって必須のシールドと、νガンダムにとって必須のファンネルが入っているので買うしかないじゃん。
こんな売り方するくらいならνガンダムやサザビーの販売価格を上げてでもそれぞれのパーツをセットにしてくれる方がよっぽど親切に思えるんですけど…
並べるとボリュームがあるように見えるのですが、薄い&細いパーツの集まりなので箱の中身はスッカスカという感じです。
HWSのシールドと違い、サザビーのシールドは黒い部分が塗られています。
ニューハイパーバズーカの弾倉とサザビーのシールドのロゴはシールで色分けです。
あまりネガティブなことは書きたくないのですが、商品に対する失望で不平不満を並べるような感じになってしまいました…
・νガンダムとHWSとEXパーツ
・サザビーとEXパーツ
・ギラ・ドーガとEXパーツ