青島文化教材社(アオシマ)から発売されているマクロスのバルキリーをモチーフにしている美少女プラモデルシリーズ「V.F.G(VARIABLE FIGHTER GIRLS)」に布製の星間飛行ステージ衣装がついた商品が発売されました。
マクロス40周年を記念するこの商品は「VFG マクロスフロンティア VF-25F メサイア ランカ・リー マクロス40thアニバーサリー」として限定販売されるものです。
注目はこれに付属している布製の「星間飛行」のステージ衣装です。
手持ちの1/10~1/12スケールのフィギュアに星間飛行の衣装を気させることができるかもしれないと言うことで、これ系のファンがざわついて「VFGシリーズに手を出したことがないけど、布製の衣装がつくなら買ってみよう」ってなった人もいるのではと思います。
だって、私がそうですもん。
でも、これ定価だと14,850円(税込)ということで、買うのに勇気がいる商品なんですよね。
発売されて手元に届きましたので、「星間飛行の布製の衣装は実際のところどうなの?」というテーマでまとめてみました。
「VFG マクロスフロンティア VF-25F メサイア ランカ・リー マクロス40thアニバーサリー」の商品レビューも予定していますがそれは近日中に!
この記事をお読みくださる方の中には15センチスケールサイズの布の衣装を手にするのが初めての方もおられると思うので、先に一般的な注意点をお伝えしておきます。
この商品が悪いという意味ではなく、このサイズの布製衣装の全般的な宿命とご理解ください。
1/12アサルトリリィシリーズとか触ったことがあるよって方はスキップどうぞ!
小さな生地を糸で縫い合わせているのでとにかく弱いです。
今回の衣装でいえばニーハイが質感重視の薄手なので引っ掛けると簡単に破けちゃうし、リボンのようなサテンっぽい生地はダメージを与えたつもりがなくてもいつの間にかほつれてゆく感じです。
丁寧に扱えばいきなり破れたりちぎれたりはないのですが、おもちゃ感覚でガシガシ遊んでると傷み、ほつれ、破れは出やすいです。
丁寧に扱っているつもりでも3〜4回着替えさせると気になる部分がで始めるという感じなので消耗品に近いものだと考えた方がいいかもですね。
布製なので皮脂や指の汚れが吸着しやすいです。
触っている時には気づかなくても、時間が経つと白っぽい部分が黄ばんできたりということはよくあります。
汚れたからといって洗うのは難しいので「汚さないようにする」がいちばんの方法です。
丁寧な方は手袋などをはめて触るようですが、自分は諦める覚悟ができているので「着せ替える前には手を洗う」程度で向き合っています。
例えばアサルトリリィのドールを作っているアゾンさんの例だと、ベトナムの工場で極小の衣装をほぼ手作業で作っています。
人間が着る服であれば数ミリのズレは大した問題ではないのですが、こういうミニチュアスケールの服となると数ミリのズレで着た時のシルエットが大きく変わることがあります。
個体差はサイズや着用感だけでなく耐久度にも現れてきますので、購入したらまずは弱そうな部分を事前にチェックしてとにかくそこに負荷をかけないように気をつけましょう。
ちょっと歪んでいて上手く着れないとか、少しきついななどは個性と割り切る方がいいかもです。
(小さすぎて全く着用できないなどがあればメーカーにご相談を)
布の厚さ自体は人間のものとさほど変わらないのにスケールは1/12とかになってるわけですから、サイズに対して厚めの生地となるものが多いです。
今回の衣装は関係ないですが、襟がある衣装など布が折れたり重なったりする部分はどうしてもごわごわした印象になります。
綺麗な着用結果を期待しすぎずに、「体に服がくっついてるだけで可愛い世界」だと理解した方が幸せかもです。
今までお話しした通り、耐久度や皮脂汚れなどなど「どう考えても中古はヤバい」という商品だと思います。
自分の実体験やいろんな方々の話を総合すると「美品って書かれてた中古品だけど、ふざけんなってレベルの状態だった」という経験が多いのです。
中古であっても専門店ならこういうトラブルも少ないんでしょうが普通のリサイクルショップや個人間売買だと想像よりも酷いものを手にすることが多いと思います。
「中古を買うなら捨てる覚悟で」「美品は怪しくて未開封品で初めて期待できるレベル」と覚えておいた方がいいかもです。
店名を出したくないですが、実店舗もありネット通販もしているリサイクルショップの有名店はほんとうにひどいものが届きます。
VFGのランカちゃん専用に作られた衣装を他の商品に着せるわけですからもちろん自己責任で、ここに記載することも参考程度に捉えてください。
着られるかどうか知りたい人が多そうな商品として「アサルトリリィ 1/12スケール」「30MS」「メガミデバイス」をピックアップして試してみました。
感想は三段階で
○ … 着れるといっても良さそう
△ … 工夫すれば着れる、または着れるけどだいぶ不恰好
× … 無理っぽい
で表します。
どれもぼんやりした言い方なのはこのサイズの布製の衣装は個体差が激しいし、着させる対象も一例をピックアップするだけなのではっきり言えないためです。
VFGのメーカーであるアオシマさんが想定しているような使い方をするわけではありませんので、他商品への着用ができるできないがこの商品自体の評価に繋がらないことをご理解ください。
また、先述の通りちいさな布製品の特性で個体差などもけっこう激しいです。
特に私の手持ちのものはトップスが小さめに感じましたのでその点もご参考程度でお願いします。
衣装の部位ごとの着用感はこんな感じでした。
アサルトリリィ1/12 | 30MS | メガミデバイス | |
トップス | ○ | ○ | △ |
スカート | ○ | ○ | ○ |
ニーハイ | △ | ○ | △ |
アームドレス | × | ○ | ○ |
手首のリボン | ○ | ○ | △ |
ここからは個別に詳しくみてゆこうと思います。
まずはこの商品の正しい着用状態を見ていただくために衣装用の素体「V.F.Gランカ・リー」ちゃんに着ていただきました。
ランカちゃんの身長は156センチとのことですが、この素体はだいたい15センチちょっとだったのでスケール的には1/10くらいになりそうです。
私の個体がハズレ個体だったのか、ランカちゃん本体の靴と足首を接続する軸が組み立て時点でスポスポ抜けそうなくらいのゆるゆるで、まっすぐ立たせるのが難しい子でした…
脚が長めに見えますが靴がちょっと厚底のようになっています。
アームドレス(二の腕のふりふり)や手首のリボンはけっこうきっちきちのサイズで位置決めが難しい感じでした。
一方で、ニーハイはゆるっとしたフィット感でした。
スカートはこのサイズの衣装としてはかなりしっかりとした作りになっていて、背中の大きなリボンなどモチーフも安っぽくなくてとても可愛かったです。
スカートの左前は極小のボタンとリボンで飾り付けられています。
こんな小さなボタンなのにきちんと縫い付けられているからすごい。
これは背中側の写真ですが、トップスとスカートは後ろ部分をマジックテープで固定する方式です。(アサルトリリィなどではお馴染みの方式です)
私のはトップスがかなり小さく感じて、公式の商品写真のようなゆとりのあるヘソチラみたいな見せ方が無理でした。
控えめなバストサイズのランカちゃんでもほんとキッチキチなので、胸が大きな子だとたぶん着られません…
きっちきちなので背中のマジックテープが開き気味になっちゃう。
装着位置などで余裕を持った着せ方ができるかと思ったのですが、良いポジも見つからなかったのでこういう個体だったのかも。
美少女プラモに慣れてる方は衣装類もプラ製なのが当たり前かとは思うのですが、プラとは違う質感や重なりがめちゃくちゃ可愛いなって思います。
スカートが可動の邪魔にならずに座らせたりできるというのは布製衣装の最大のメリットかも。
特にニーハイで注意が必要なんですが、プラモにこの衣装を着せる時はゲート跡や尖った端っこなどに注意してください。
ゲート跡や尖った端っこが衣装を簡単にビリリって引っ掻いちゃってほつれさせてしまうのです。
このランカちゃんでいえばスネにゲート跡がでるのでしっかりと処理してから履かせましょう。
ちなみに、このランカちゃんに対する自分の印象をざっくり言うと
・プラモデルのパーツ分割や構造はかなりすごい
・でもパーツ同士の嵌合が甘い部分が結構ある(特に私のものは足首がゆっるゆる)
・ランカちゃんの顔がちょっとひょうきん?
です。
あと、バンダイやコトブキヤの美少女プラモに慣れてしまうと「組み立てるのに真剣に向き合う必要がある」って感じですね。
パーツが合いにくいとか緩いとかちょいちょいあるので、調整しながら組み立ててあげないといけないんですが、まぁそもそもプラモデルってそういうものですよね。
布製の服の似たようなサイズのアクションフィギュアといえばこれと言うことで、アサルトリリィの1/12スケールのドールをご紹介します。
ちょっとだけ事前説明させていただくと
・アゾンと言うメーカーのピコニーモという素体を使ったドールのシリーズがアサルトリリィ1/12(なので、ピコニーモ素体を使った他のシリーズもある)
・身長差などを表現するために素体にもサイズ違いがある
・ドール愛好家からは「これはドールじゃなくてアクションフィギュア」っていうご意見が出ることもあるけど、ファンの多くはドールと呼んでるのでドールと呼びます。
と言う感じです。
アサルトリリィのドールはS素体(14センチくらい)の物でご紹介しようと思います。
アサルトリリィは1/12、ランカちゃんはおよそ1/10ということで、素体を並べるとけっこう身長差が出ます。
アサルトリリィの方は少しデフォルメがきいているので頭(顔)が大きくみえますかね?
さて、ここからが本題です。
ぶっちゃけこれがやりたくてこの商品を買ったというレベルなのですが、星間飛行の衣装はぜったいに吉村・Thi・梅さんに似合いますよね!
吉村・Thi・梅さんの素体仕様としては
●素体:ピコニーモボディ(S脚/LL胸/ホワイト)
●サイズ:1/12スケール(全高約14cm)
です。
1/12アサルトリリィシリーズの素体は二の腕がしっかりしているのでアームドレスは入りませんでした。
肘関節を抜いて(抜き防止構造になっているので非推奨)そこからダイレクトにつけれるかとも試してみたのですが、この子の二の腕には無理でした。
トップスの胸周りはきつめですが肩のストラップは余っちゃう感じでした。(先述の通り個体差の可能性あり)
ニーハイもダボダボした感じですがレッグウォーマー的なものだと思えばアリですかね?
ニーハイは先っちょに穴が空いているタイプです。
ランカちゃんが履く時は足首の軸をここから出して靴に接続させるという感じです。
アサルトリリィシリーズだと余った部分を靴の中にうまく隠せばもう少し整うかもしれませんが、ふくらはぎ周りがダボついているのでニーハイらしく履かせるのは難しそう。
ロングブーツのキャラも多いので、ロングブーツの子だとこの辺のダボダボ感はうまく隠せるかもしれません。
他の部位に関してはSサイズ素体にはちょっと大きいかなという感じではありますが、アサルトリリィのドールに見慣れていれば違和感を感じないレベルかなと思います。
「サイズが違って全然着れないだろうけど、VFGシリーズ気になってたし試しに買ってみるか」っていう程度の期待値で買ったので、思ったよりもしっかり似合ってて個人的には大満足のレベルです。
ちなみに、ランカちゃん付属の小物はランカちゃんサイズなのでアサルトリリィ1/12には少し大きくてマイクスタンドなどの流用は難しかったです。
こんな感じでよければアサルトリリィ1/12ドールに星間飛行の衣装を着せるのはオススメです!
アサルトリリィシリーズは在庫の関係か何かで定期的に値引きが太い子がいるのですが、最近はこのこの値引きが太めです。(推し)
30MSも需要があるかもと思うので手元にあった物で寄せ集めました。
30MSはガシガシ遊びに使ってるので、手持ちのものはみんなパーツが他所に行ってたり改造してたりですぐにお出しできる初期状態のものがありませんでしたのでこんな感じですみません…
リリネルですが体はいわゆる水着ボディを使っていますので、一般的な30MSシリーズのスケールと解釈してもらっても大丈夫かと思います。
30MSの水着素体は今回ご紹介しているものの中ではいちばん細身なのでどれもダボダボながらもすんなりと身につけることができました。
胴体も細いのでトップスからのおなかチラリもできています。
プラモだとランカちゃんと同じように足首を外してニーハイを履かせて、ニーハイの先から足首のピンを出してから靴を履かせる方式になります。
この方式はくるぶしのあたりに布が集まりやすくてダボついちゃうのですが、プラモに履かせる方法としては最適解だと思います。
ニーハイのダボダボ感が気になるけど、可動を妨げないスカートっていいですね。
30MSシリーズの子に似合うかどうかは別として、着用しやすさはこのシリーズがいちばんでした。
30MSの標準素体はバトルスーツみたいになっていますが、バトルスーツにこの衣装を着させることはあまりないかなと思うので、着させるなら水着っぽいオプションボディパーツがお勧めです。
胸周りが大きい子に着させるとどうなるかという興味が抑えられず、似合うかどうかを一切無視してメガミデバイスの巨乳枠のこの子に着てもらいました。
いきなり前提がつくがえるのですが、そもそもメガミデバイスにはトップスを着せにくかったので巨乳の子に着せるなど到底無理でした。
なので、この先の着用イメージは胸のパーツを外してきさせています。(本末転倒)
配色面でもあまり似合ってないですが無理やり着てもらうとこんな感じです。
手首のリボンはめちゃくちゃ頑張れば付けられそうでしたが、破損やほつれのリスクが高そうなので基本的には無理と判断(後ほど補足あり)
もともとニーハイを履いてるような子にニーハイを履かせていますがニーハイはスカートの着用は難しくないです。
メガミデバイスがトップスの着用が難しいとしたのはメガミデバイス特有の肩甲骨の装甲が邪魔しちゃうからなんです。
ここがなければもう少しスッキリ着させられるかもしれませんが、ここは接着が推奨されている部分でもあるので接着してしまってる人もいるかも?
メガミデバイスは脚がシュッとしているのでニーハイはダボついちゃうしあまり見た目が美しくもないですね。
30MSにせよ女神デバイスにせよ、ニーハイを履かせたかったらももから下は色違いパーツを用意して使いましょうみたいなスタンスなので、無理に履かせなくていいかもですね。
手首に関してはリングを取り付ける方のパーツ(リングをつける部分が細くなっているやつ)であればリボンを通すことができます。
個人的には細かい部分を気にせず着せられるものだけを着せる感じだと1/12アサルトリリィシリーズがいちばんいいかなと思いました。
すでにアサルトリリィシリーズを持ってる方なら、星間飛行のステージ衣装というより組み合わせコーデの選択肢として遊ぶこともできますしね。
30MSは着用させやすいので似合う子がいればいいかもしれませんね。
ただ、標準素体のバトルスーツみたいなやつは違和感があるので水着素体のようなものを使った方が自然です。
メガミデバイスは似合う子がいればと言う感じですが、肩甲骨の装甲の問題があるので着こなすにはコツがいるかも?
VFG マクロスフロンティア VF-25F メサイア ランカ・リー マクロス40thアニバーサリーは限定商品であり、これ系の衣装の中古品はお勧めしないと言うこともあるので、気になる方は手に入るうちに購入した方がいいかもしれませんね。
お値段は高いですがプラモデルが好きで布製の衣装に興味がある人にとってはその価値が十分あると思います。
プレイバリューが本当にすごいので!
この商品はボリュームタップリなので3つの記事とひとつのおまけ記事に分かれています。
1.商品概要編
2.ランカ・リー編
3.メサイアバルキリー編
おまけ.星間飛行ステージ衣装を他商品と組み合わせる場合