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映画ミッドサマー(レビュー・感想)

2022/8/3 - レビュー, 映画おすすめ度★★★★★

公開当初から「怖すぎて泣き笑いする」「頭がおかしすぎて笑いが出る」「鑑賞中に発狂しそうになった」などなど恐ろしい感想が聞こえてきたホラー映画のミッドサマーですが、公開から2年ちょっとで自分もようやく鑑賞することができました。
今回は私の視点で「気になってたけど見るのを躊躇し続けている」人の背中をあと押しできるようご紹介しようと思います。

ヘッダー画像はAmazonプライムビデオより。

ミッドサマー概要

原題Midsommar
監督アリ・アスター
脚本アリ・アスター
出演者フローレンス・ピュー ジャック・レイナー
公開2019年7月3日(アメリカ)
2020年2月21日(日本)
上映時間147分(劇場公開版・プライムビデオなど)
製作国 アメリカ・スウェーデン

原題は「Midsommar」となっており、英語とは綴りが違うのですがスウェーデン語で「夏至祭」という意味だそうです。
舞台はスウェーデンのとある田舎の集落、そこで行われている夏至際での出来事が描かれている作品です。
その夏至際はその集落独自のもので独自の宗教に基づくいわばカルト教団の儀式のようなもので、自分達の常識が通用しないコミュニティの中で主人公たちはどうなる?といった感じの作品です。

監督脚本のアリ・アスターさんはミッドサマーが長編映画2作品目だそうで、前作「ヘレディタリー/継承」もホラー映画としての高い評価を得ており、本作ミッドサマーの高評価も伴いホラー映画監督として確固たる地位を築いたのではないかと思います。

ネタバレなし感想

個人的にはホラー映画は好きなんですけど、ホラー映画にありがちな大きな音で驚かせる演出が苦手すぎるんですよ…
息を殺して映像に飲み込まれている時にでかい音出されたら誰でもびっくりしますよね。
そのびっくりを恐怖と錯覚させようとしてるんでしょうが手法としてはズルいと感じてめちゃくちゃ苦手なんです。

あれだけ話題になっていたにも関わらず、ミッドサマーの鑑賞を躊躇していたのも「どうせでっかい音やびっくりシーンで驚かせる映画で、それに映画館補正がかかって怖いだけでしょ」っていう先入観を持っていたからでした。

でもこれそんなことはなかった。

緻密かつリアルに自分達の常識が通用しない狂気の世界を描いており、鑑賞者の想像力に働きかけながら精神的に追い詰めてくれるような上質なホラー映画でした。

映画って不思議なもので「まだ20分しか経ってないのかー」みたいに現実の時間を意識しちゃうようなものと、時間を忘れて映画の世界に引き摺り込まれるものがありますよね。
自分にとってこのミッドサマーは完全に後者で序盤は劇的な変化も動きもない割に映像に飲み込まれて時間を忘れちゃうようなものでした。

この監督さんはとにかく人の心情を表現するのが上手なんだと思います。

この映画の中盤くらいの「ちょっとこの儀式おかしくない?」ってなるところまではほんとめちゃくちゃ面白くて、息を呑むように画面を見守り続けていました。
ただ、後半からは普通のグロ系ホラーになっちゃいましたね。
それでも十分に面白いのですが前半までの緊迫感や緊張感から考えると後半のそれは特別な映画という感じにはならなかったです。

さて、この映画の1番の見どころ(?)と言われている「性の儀式」のシーンです。
これほんとマジで子作りの儀式なので他人と一緒に観るもんじゃないという感じでして、男女で一緒に鑑賞すると気まずくなること間違いないと思います。
しかし、私にとってこの「性の儀式」のシーンが「頭がおかしすぎて笑いが出る」というものになりました。

一人で鑑賞しながら大爆笑しちゃったんですけど、これを映画館で観ていた人たちは一体どういう感情でどういう会場状況になっていたんだろう??

ミッドサマーを映画館で観た人はすごいけど、この映画に出演して全裸で大まじめに演技している役者さんたちはもっとすごいぞ!?
性の儀式のシーンがある種の「笑いのトラウマ」になってしまう人がいるのではないだろうか…

しかしこの映画、この狂気的な性の儀式を含めても独自の感性でかなりの完成度を誇っていると思います。

観るのをまだ躊躇している人へ

正直、twitter特有の誇大表現などで「気が狂うほど怖い映画」と思って躊躇している人もいそうなので、私の主観で判断基準をまとめます。

見どころは? → スウェーデンの集落の風景や独自の宗教観に基づく建築・アートなど映像的に引き込まれる部分が多いです。中盤までの緊迫感、不気味さはかなりいい感じ!後半からは性の儀式を除けば割と普通のサイコサスペンスかも。

グロい? → グロシーンはありますがホラー映画やサイコサスペンスに慣れている人ならどうってことないかも?

怖い? → 映像のみせ方や心理描写がとにかく上手いので怖いというよりも不気味の方が近いかも。ただ、日常とはかけ離れているので夜中にトイレに行けなくなるような怖さとは違うしトラウマになるようなものでもないかと。(性の儀式が笑いのトラウマになるかも)

一人で観ても大丈夫? → 性の儀式がほんと露骨にアレなのでむしろ一人で観る方がいいかも…

ということで、ホラーやサイコサスペンスが好きな人は観れば楽しめるし、それ系の名作と感じる人も多いのではと思います。
そもそもホラーやグロが苦手という方は無理して観ない方がいいかも…
私にとっては積極的に他人にオススメはしないけど、これ系が好きな人が見逃していたら勿体無いと感じる映画でした!

執筆時点ではAmazonプライムビデオでも楽しめるので鑑賞までのハードルは低いと思います。


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