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[レビュー]HG Amplified IMGN 龍王丸 後編 キットレビュー(魔神英雄伝ワタル プラモデル)

2024/5/20 - ホビー, レビューバンダイ , プラモデル , おすすめ度★★★☆☆

前編はこちら

概要

『魔神英雄伝ワタル』より、プラモデルオリジナル解釈の高頭身アレンジを施した「龍王丸」がHG Amplified IMGN で立体化!
高頭身ならではのアクションや鳳王形態への変形で、龍王丸の魅力を“増幅”!
■「HG Amplified IMGN」とは、プラモデルというプロダクトの概念から、新たなアレンジを想像し、キャラクターの魅力を“増幅”していくシリーズ。
■全長約170mmの迫力アクション!高頭身ならではの長い手足を活かしたアクションが、龍王丸の新たなる魅力を“増幅”!
■額は紋様の有無を選択式で再現可能。
■グロスインジェクション成形とゴールドメッキパーツを採用。高密度な造形で鮮やかな質感を表現。
■鳳龍剣の刀身はゴールドメッキ仕様。オリジナルデザインの紋様は3Dメタリックシールで再現。
■鞘盾は鳳王形態用の開閉ギミックを搭載。鳳龍剣の収納も可能。
■鳳王形態への変形が可能。鳳王形態時に装着できるプラモデルオリジナルのPET シート製のエフェクトが付属。高頭身アレンジだけでなく、オリジナルエフェクトで龍王丸の魅力を“増幅”。
■肩の龍爪を付属台座へ取り付けることで「龍牙拳」の再現が可能。
■ディスプレイ用の台座も付属。

【付属品】
■鳳龍剣×1
■鞘盾×1
■エフェクト用PET シート×1式
■台座×1
■台座用ジョイントパーツ×1
■シール×1
■3Dメタリックシール×1

価格6,600円(税10%込)
発売日2024年05月18日
対象年齢15才以上
https://bandai-hobby.net/item/6043/

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内容

キットの内容は龍王丸本体に武器、スタンド、エフェクトなどです。
写真左の小さなパーツはスタンド接続用パーツとシールドの裏にソードを収納するための補助パーツです。
前編で「気の利かないキット」と言っちゃいましたが、自立性が良くないのにスタンドは人型形態には非対応だったり、アクション映えする機体なのに平手が付かないなども気が利かない要素の一部です。(他にもある)
別のキットや汎用パーツから平手を移植しようにも接続部分が汎用品とはちがうのでそれも難しくて、せめて左手だけでも平手が必要だろうという気持ちが…
救いとしては、手首用のピンが3ミリなのでもしも手首側に3ミリ穴が空いているようなハンドパーツがあれば簡単に移植できそうなところです。

龍王丸

前編でお伝えしたような問題点こそありますが、それを無事に解決できてお値段を気にしないのであればオンリーワンの魅力がある良キットと言えるのも実際のところです。

前作の龍神丸は少しゴテゴテしすぎていて自分の好みからは外れていたのですが、龍王丸は甲冑をイメージしたようなデザインが上手くまとめられていて見た目だけならかなり満足度の高いものでした。
鳳王の頭はオリジナルでは股から出てくる一部では「出産」と呼ばれるようなデザインでしたが、股のスペースが小さいリアル等身で鳳王の頭のサイズを確保するためにお尻のリアアーマーに収納されるデザインになっていました。(収納とはいえ半分くらいは顔が出ている)
こういうアレンジも面白くて、リアル体型で完全変形を維持しながら両モードのフォルムを崩していないのはかなりお見事です。

他はかなり頑張っているんですが、頭部が安っぽく見えてしまうのが残念なところでした。
おでこのクリアパーツがかなり浮いていて、瞳はシールでの再現、フェイスパーツは最近のプラモ基準だとややだるめ(とはいえHG準拠といえば普通)で、この辺りはひと世代前のプラモデルというような印象があります。

一方で肩の竜のエンブレムはシンプルながらもかなり美しく仕上がっていて、メッキパーツと黒いグロスインジェクションの質感の相性がバッチリでした。
パーツ間の隙間もない高密度でここはさすがバンダイといったところです。
肩の紋章はシールでの再現かと思っていたのでこの仕様には大満足で、組み立てていてもかっちりと合う感じが気持ちよかったところです。

胸周りはシンプルながらもメリハリのある造形とアクセントがかっこよかったです。
赤いラインは別パーツの嵌め込みですが、きっちりとはまって気持ちいいところでした。
首から下のデザインを目にするとやっぱ顔がチープに見えちゃうのが気になりますね…

握り拳しか付いていないハンドパーツですが、こちらは造形がチープで手の甲のパーツはガッツリと肉抜きが目立ちました。
ここはもう少しなんとかして欲しかった…

メッキパーツは少し粒子感を感じるマット寄りの質感で上品なものでした。
いい意味で色むらがあるのですがそれが光り方を変化させている面もあり、いい感じに強めの立体感を出してくれています。

可動に関してはびっくりするような部分はなくて、脚に関しては思ったよりも動かないという印象でした。
お尻のアーマーやふんどしの腰部分にも干渉しやすいので太ももをあげたり後ろに下げたりはやや苦手かも。
股関節の捩じ切れ問題もあるので、未対策だとあまりガシガシ動かしたくないというのもありますね。

大の字方向への可動もまぁまぁ優秀です。

ちょっと歪な感じでの立膝は可能です。

変形の関係で手首がスイングできるのは面白いポイントでした。

ボディーサイズや重量に対して足の裏が小さめなので自立は苦手なキットでした。
踵の翼(?)のようなパーツを後ろに倒せば自立させやすくなりますが、そのように設計されているものではないので接地が良いものではありません。

自立苦手のもう一つの原因ですが、結構な重量があるにも関わらずつま先がシンプルなCクリップでの接続でした。
奥までパチっとはめた直後はまぁまぁの保持力でしたが、撮影中にもゆるゆるし始めるくらいの耐久性だったので安定した自立は諦めた方がいいかも。
小さくて軽いキットならこの方式でも大丈夫なのですが、このクラスサイズ重量だと厳しそうですね。
簡易スタンドは付いていますが、人型には対応していないので飾る時はアクションベースを用意した方がいいかも。
組み立て説明書ではこれが使われていました。

ソード(鳳龍剣)はメッキとグロスインジェクションの青パーツの組み合わせで質感がとても良いです。

黒い部分は最近お馴染みのプラスチックシールなのですが、剣先に近い部分にある金色の超極小の丸ぽちを避けて露出する形になっていて質感と密着度と精密さが半端なかったです。
ほんとこの部分は感動するレベルで素晴らしかったで、このキット全体がこのくらいの精度で仕上がってたら神キットになってたんですが…

シールド(鞘盾)は展開するギミックがあって納刀することもできるのですが、ここも残念ながら気が利かない仕様がありました。

納刀のために別パーツをつけないといけないのと、それが先が緩やかにほんの少し太くなっている剣の形状にピッタリ合っているので、すーっと抜刀させるような動かし方はできないんです。
剣の持ち手が下になる向きなのでガッチリホールドすることを優先にしたのでしょうが、さほど塗装ハゲを気にしなくても良い素材ですしこの収納方式は結構めんどくさいので、もうひと工夫加えてもらって盾からすーっと抜ける方式だったら最高でした。

シールドは背中に装着させることもできます。

武器と一緒に何枚か。

武器と本体のサイズバランスもちょうど良くてかなりかっこいいですね。

必要十分には動くので抜刀ポーズもできますが、剣はすーっと抜けない仕様になっているのでご注意を。

肩のクローは取り外して龍牙拳を再現することができます。
裏側の3ミリ穴をスタンドに接続することができるのでディスプレイもしやすいですが、付属のスタンドは一つだけなので自分でスタンドを用意した方が飾りやすそうです。

まとめて何枚か。

必要十分には動いてくれてるのですがいまいちポーズが決まりきらない部分があるのは下半身の可動範囲の制限が起因かもしれません。

スタンドでしっかり固定して遠目に眺めるにはめちゃくちゃいいキットだと思います。

鳳王形態

シンプルな変形なので変形ギミックとしてはみた通りという感じなのですが、めっちゃ好みのプロポーションでした。
脚がもうちょっと太ければ人型で映えたのでしょうが、鳳王にした時にこれ以上太いと不格好ですよね。
鳳王の頭がしっかりとリアスカートから出ることにより、十分な首の長さを確保することもできています。
残念な部分の多いキットではありましたが、この変形に関してはよく練られていてとてもお見事に感じます。

脚の長さが翼の長さにつながっていてとても美しいフォルムです。

お顔の正面から。
無駄に厚い部分がない見事なデザインで、これが龍王丸の人型に差し替えなしで変形するのは本当にすごい。

鳳王の目はシールでの再現でした。
パーツ構成を工夫したらくちばしの金メッキ部分を瞳に活かせた気もするのですが、事情があってのこの仕様なのでしょう。

手首をつけたまま変形させることができるので、差し替えや余剰パーツなしの完全変形です。
スタンドに接続する場合は、龍王丸のお腹の装甲の一部を剥がしてその3ミリ穴を使います。

クチバシは開閉可能なので表情付けできるのがいいですね!

飛行形態とは思えないほど関節がたくさんあってそれが効果的に動くので触るのが楽しいですね!
鳳王の首もある程度動かせるので表情付けも楽しいです。

ここからはホロエフェクトを接続してみます。

エフェクトは専用パーツで脚の裏側と首の後ろ付け根のスリットに差し込むのですが、首の後ろはちょっと挿しにくいです。

エフェクトは結構大きいのですが十分な厚みがあるので、翼のエフェクトがたらんと垂れ下がるようなことはないです。
一方で、ちょっと垂れ下がった方が雰囲気が出る尻尾のエフェクトはいい感じにしなってくれます。
この辺りも素材との付き合い方がお見事ですね!

あとはエフェクト付きで何枚か。

私はこのエフェクトのプリズム加工があまり好きではなかったのですが、面白い素材で手にした時はドキドキワクワクしたというのは間違い無いです。
プリズムの形が四角じゃなくて初代ヘッドロココみたいな鱗系だったらもっとそれらしい表現になって、私も気に入ったと思う…(この曲線に規則的な四角が並ぶプリズムに違和感を持っていたので)

龍王丸の人型優先のデザインだと思っていたので鳳王形態にはあまり期待していなかったのですが、触ってみるとこっちの方が楽しくてよくできているなと感じます。
股関節の調整がしっかりできればストレスフリーで変形ができるので楽しくわされると思います。

まとめ

龍王丸のアレンジ自体は素晴らしくて、変形もよく考えられていて両形態ともにプロポーションが破綻していない見事さがありました。
ただ、不良品と言えるレベルの股関節パーツの硬さや、全体に散見されるキットとしての気の利かなさや、素材の使用を優先したためのようなアンマッチで浮いている部分があったりとキット全体の完成度でみると他人にはお勧めできないと感じるキットでした。

金メッキや特殊なエフェクトシートやグロスインジェクションなどでコストがかかっているんだとは思いますが、定価6000円のキットでこの不具合や安っぽさはどうなのと思う部分も多くありました。

もう少しの品質向上や心配りで神キットになれるポテンシャルがあっただけに残念ではありますが、この龍王丸の立ち姿に惚れ込んでて、自分で調整ができる自信もあって価格にも不満がないという方にはお勧めできます!

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