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[レビュー]RG ガオガイガー その1 キットの概要と特長編

2022/10/4 - ホビー, レビューバンダイ , おすすめ度★★★★★ , プラモデル , RG

商品概要

『勇者王ガオガイガー』より、RGならではの意匠を凝らしたガオガイガーが登場!
■変形合体と豊富なアクション性能を両立しつつ劇中イメージを追求。プラモデルオリジナルの解釈、検証を重ねた高次元のプロポーション。
■各種関節機構を徹底追求し、変形合体機構を有したままでの柔軟な可動域を実現。
■長年蓄積された設計、金型、成形技術により、組み立てるだけで劇中イメージに近い色分けを再現。
■各種ガオーマシンとの合体が可能。
■ガオガイガーの激しいアクションを新規開発のマニピュレータハンドで再現。全指関節が可動することで自然な手指可動を実現。
■脚部の“履帯”は1パーツずつを組み合わせる精密な構成。スライド可動することで、アクション時の干渉を軽減。広範囲の膝可動を実現。
■背部に装着したステルスガオーは、ヘル・アンド・ヘブン発動時のスラスター開口ギミックを搭載。
■ディバイディングドライバーは金属パーツを採用し、質感も追求。スプリングを内蔵し、シャフト部分には伸縮ギミックを搭載。
■プロテクトシェード発動時を再現したエフェクトPETパーツが付属。
■ヘル・アンド・ヘブン発動シーンをイメージした固定大型ハンドパーツが付属。

【付属品】
■可動指ハンドパーツ×1式/ヘル・アンド・ヘブンイメージハンドパーツ×1式/ガイガー用ハンドパーツ×2種
■ジョイントパーツ×1式
■リード線×1
■ディバイディングドライバー×1
■プロテクトシェードイメージエフェクト×1式
■リアリスティックデカール×1
■メタリック3Dシール×1

価格6,600円(税10%込)
発売日2022年09月17日
対象年齢15才以上

公式サイトより引用

※この紹介記事内にAmazonのリンクを貼っていますが、高額転売屋による定価を大幅に超える出品が多数ありますのでご注意ください。
Amazon直販の正規ルート商品が用意されていればリンク経由で購入いただけたらなと思っています。

この記事は3つに分かれています。
順番に読み進めてくださっている前提で書いていますので、お時間がある方は順番にお読みください。

はじめに

これでもかと言うほどのギミックと仕様を盛り込んだボリューム感たっぷりのRGガオガイガーは発表時からかなりの注目を集めており、私も発売を心待ちにしていた商品です。
「何が何でも差し替えなしの完全合体変形にこだわる」という執念に満ちた姿勢で、手首を隠すシャッター以外は差し替えなしで完全合体変形できると言う凄まじいキットです。
ガシガシ動かしてブンドドしたり、長い間遊ぶには耐久性に何がありそうなキットですが、現時点でのプラモデルの傑作の一つと言えるかもしれません。
もちろんプラモデルなので不満点や自分で手を加えて改善した方がいい点もちらほらありますが、それを踏まえてもプラモデルファンなら組み立ててみる価値のあるキットかなと思います。

気持ちよく飾ったり遊んだりするにはスタンド必須という点も加えておきますね。

↑組み立て説明書の中で紹介されていたスタンドです。

普段の素組レビューはシールを貼らずに紹介するのですが、今回はライナーガオー(新幹線)にのみシールを貼っています。

パッケージとランナーなど

立ち絵の奥にバストアップのでっかいイラストが描かれたRG準拠のパッケージとなっています。
6000円の価格に比例してパッケージは平べったくも面積が大きくて普通のRGの2倍くらいありそうです。
箱の大きさを活かして横には特徴やギミックがこれでもかというくらい紹介されていて、これを見ただけでワクワクします。
高額転売屋のせいで酷い世の中になっていますが、予備知識も目的もなくふらっとプラモデル屋に立ち寄った店先でこのプラモの箱を眺めた人が「面白そうじゃん!よし!買ってみるか!」ってなるような、気軽にプラモデルが買える世の中に戻ってほしい。

続いてざっくり撮影のランナーたちです。
RGらしい細かなパーツがある一方で、ステルスガオーのようにざっくりと大まかなパーツもあります。

リード線、PET素材のエフェクト、金属パーツなどプラ以外の素材が入っているとワクワクしちゃう…
アンダーゲートが多用されているのですがこのキットの組み立てにはあまり恩恵がなくてただめんどくさいだけです。
限定盤とかでメッキバージョンを出したくなった時用の保険的なアンダーゲートかなと思います。

ランナーを見た時にかなり時間がかかりそうだなと身構えたのですが、多くの部分は組みやすい一方で地獄のように組みにくい部分もあってでトータルの組み立て時間はライナーガオーへのシールの貼り付けも込みで5時間くらいだったかも?
難易度が高い箇所も含めてもプラモ慣れしている人でも「いつもと組み立て方が違う部分」がたくさんあって飽きずに組み立てることができると思います。
自分も組み立て自体をかなり楽しめました。

注目のパーツの紹介

ランナーの状態でも感動しちゃうのがRGのすごいところで今回もなかなかすごかったです。

ライナーガオーの操縦席はすごく小さなパーツなのですが、フレームとクリアパーツが一体成形されています。
ただ、クリア素材が暗すぎて強い光をあてない限りは黒系の単色に見えちゃいます。(写真はけっこう明るさを調整している)
ほかのスモーク系クリアパーツも色が濃くて透過性が低いのでクリアパーツとしての効果は極めて低いです。
操縦席まできちんと作られているので、それらが見えるくらいのスケ感は欲しかったかも。

ハンドパーツはRGお得意の組み立て済みで今回は新規造形とのことです。
ガオガイガーはRGの中でも大型モデルなのでハンドパーツも大きくなっています。
初期RGのように「何をどうやってもとにかくポロポロ指が落ちる」という状況ではなくなりましたが、指の付け根は動かしているうちに抜けることもあり、一度抜けるといつものRGのようにスポスポと抜け落ちやすくなります。
「今までよりは多少マシ」という程度なので今までのRGと同様でガシガシ遊ぶにはやはり不向きですね。

組み立て済みで親指の第一関節まで動いてくれるというめちゃくちゃ気持ち悪い(褒めている)技術なんですよ…
遊びやすさはともかく、プラモ慣れした人でも驚きそうなハンドパーツです。

ドリルはつなぎ目のないワンパーツで、複雑な形状でかつ鋭さを表現するために先っちょの部分だけは別パーツになっています。
ランナー横の番号のサイズをみるとお分かりかと思うのですがここもかなり小さなパーツです。

いろいろと後述しますが、RGガオガイガーを組み立てるには先の細いピンセットが必須だと思います。

ライナーガオー(新幹線)の窓などはこのプラスチックシールで仕上げてゆきます。
厚手のクリアファイルのような素材がシールになっているのですが、その厚みがいい感じの奥行きになってくれてかなりいい感じに仕上がります。

ライナーガオーはかなり小さなサイズなので新幹線の窓部分もかなり小さいです。
側面は単色ワンパーツなのでこのままだとかなり寂しいのでこのシールを使った仕上げは必須かと。

本当に小さいので先の細いピンセットが必須です。
器用さに自信がある細い指の方でも多分むり。
このピンセットはステルスガオーの組み立てにも使いますので組み立てる方は是非ご用意を。
そんなにいいものである必要はなくて100均のもので十分だと思います。
最近はネイルアートコーナーに置かれていることが多いので、まずはネイルアートコーナーを探してみるのがいいかも。

光の反射で伝わりにくいかもですが、肉眼で見たときの仕上がりはかなりいいです。
このシールの厚みがいい感じに窓の厚さを表現していて、すごく小さな部分なのにまるで裏からクリアパーツが嵌め込まれているかのような仕上がりです。
シールの粘着力が微妙かなと思ったのですが、プラパーツの溝にバッチリ嵌め込まれるような形状になっているので多少のことでは剥がれ落ちたりずれたりすることはないと思います。

想像以上の仕上がりで感動する珍しい仕様でした。

ガオガイガーのヘルメットを接続する脊髄のようなパーツはリード線を使用することで自由に動かせるようになっています。

こんな構造だとすぐ壊れるんじゃないのとか思っちゃいましたが、リード線が簡単に抜けないようにかつ強度と動きの自由度も兼ね備えるような作りになっていてここも感動したポイントでした。
終端の折り曲げ部分を適当に対応するとパーツがはまらなかったり抜け防止の効果が出なかったりするので、ここの折り曲げはピンセットを使って正確に行った方が良いです。

パーツの弱さで言えばここにつけるヘルメットの付け根のボールジョイントがかなり小さくて頼りないのでこちが破損しないように注意が必要かと思いました。


先に大きめの難点・注意点のまとめ

名作とも言えるすごくいいキットだと思うのですが、小さめのサイズに合体変形ギミックをほぼ差し替えなしで実現している結果として厳しい箇所も多々あります。
この先のベタ褒め連発も気持ち悪いので(?)先に難点と感じる部分をまとめておきます。

ピンセット必須だと思ってください

RGのシール貼り付けには先の細いピンセットが必須ですが、RGガオガイガーは組み立てにもピンセットが必須です。
指先の器用さに自信がある人でもピンセットを使った方が作業が早く確実に終わります。

ガオガイガーのヘルメットを接続するリード線は細かく正確に折り曲げなければならないですし、ステルスガオー上部の小さな板を並べる開閉式スリッドの箇所などはピンセットを使わないと無駄に苦労することになります。

↑こういうのがあれば心強いですが、自分は100均のネイルアート用のもの一本で十分クリアできました。

小さすぎてパーツの噛み合わせの悪い場所がある

合わせ目が目立たないように段落ちモールドのようになっている箇所があるのですが、小さい部分はパーツに負荷がかかって隙間が空いちゃう場所も多いです。
小さすぎる部分の段落ちモールドは普通にパーツの隙間に見えちゃうのであまり喜ばしくない箇所もちらほら。

ガイガーの頭部は「プラスチックが真っ直ぐである前提でトサカがくっつくことを期待している」箇所もあるのですが、まぁそんなわけないのでぱっくりと隙間が空いちゃいます。
こういう場所など接着した方が仕上がりが良くなる箇所は多数あります。
ガイガーの脚も動かしているうちにどんどん隙間が空きがちなので、可動や変形に影響のない部分は接着するのがいいかも。

ガオガイガーのマスクパーツが地獄

変形とサイズの都合による限界かもしれませんが、この白いマスクパーツが地獄です。
はめ込みが難しい割に保持力がほぼ皆無で、でもガイガーのフェイスにはけっこうピッタリとはまる精度の高いパーツです。
なので、ちょっとでもずれた状態で装着させようものならこの白いマスクパーツは勢いよく吹っ飛びます。
勢いよく吹っ飛んだ小さなマスクパーツを探して拾って、苦労してまた嵌めようとしても再び吹っ飛びます。
ここは接着した方がストレスなく遊べる部分ではありますが、かなり小さなパーツなので接着も難しいです。
慎重に集中力を高めてほんのちょっとだけ接着剤を塗って、しっかり乾かしてから触るのが良いかと。

ガオガイガー、ガイガーともに足首の構造に難がある

ガイガー(軸になるロボット)、ガオガイガーともに足首の構造に難があります。
ガイガーは小さな足パーツが細い軸でロールするような仕組みになっていますが、設置面積が小さすぎるうえにガタガタ動くので自立が困難なレベルです。
一方ガオガイガーの足となるドリルガオーの足首パーツなのですが、こちらはまぁまぁしっかりした大きさなのですが、この足首ジョイントで巨大なガオガイガーの重量を支えるにはちょっと難しそう。
組み立て直後は硬いのですが、触っていて軸が馴染んでくると割とふにゃふにゃで自立が困難になってきます。
また、足首ジョイントを脚側に接続する太ピンが短めなので抜けやすくもなっています。

これらを踏まえると、スタンド必須のキットなのかなと感じます。(スタンドはついていないので別売りをご購入ください)

説明書の中ではアクションベース4が紹介されているので事実上のRGガオガイガー公式スタンドかと思われます。

ステルスガオーにつけるたてがみのアームが破損しやすそう

ステルスガオーの本体下部にライオンのタテガミの一部を接続する箇所があるのですが、ここの接続アームが細くて長い割に軸が硬いので変形中に力加減を誤るとねじ切っちゃいそうです。
RG慣れした人なら「あ、ここは弱いところだ」とピンとくる感触なのですが、慣れていない人は要注意箇所です。
そんなに保持力が必要な箇所でもないので、ほんの少し穴を広げておくなどしておけば事故が防げるかも。

取扱説明書でちょうど赤塗りされているところが馴染ませておいた方が良さそうな軸です

なんかおかしいなと思ったら自分を疑った方がいいキット

パーツ数も多くかなり複雑なキットではありますが、細かなところまでかなり考えられている良キットだと思います。
プラモデルやおもちゃを触っている時に「これは何でこうなってないの?」みたいな疑問や不満が出ることがありますが、このキットに関してはかなり考えて設計している感じがするので自分が間違っている(見落としている)可能性が高いかもしれません。
プラモ慣れしている人ほど、「あれ?」と思ったら自分を疑ってみてください。

その他、小さい難点はポロポロとありますが基本的にはめちゃくちゃいいキットですし、手を加えれば消える難点も多くあります。
完璧を求めずに自分が歩み寄るを心がければめちゃくちゃ満足度が上がると思います。
不満点を並べはしたものの、とにかくいいキットで「昔はよくプラモデルを作ってたけど、ここ10年くらいは作っていない」みたいな友人がいれば、お誕生日プレゼントとして迷わず差し出したいレベルの超おすすめ商品です。(なので、気軽に買えるよう店頭在庫もりもりになってほしい)

では、おおむね商品についてご紹介したところで具体的な紹介に入ってゆきます!

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