[レビュー]モビルスーツアンサンブルEX30 連合のブーステッドマンセット(カラミティ・フォビドゥン・レイダー)
2021/9/13 - ホビー, レビュー( バンダイ , ガンダム , おすすめ度★★★★★ , モビルスーツアンサンブル )
概要
プレミアムバンダイ限定商品
機動戦士ガンダム MOBILE SUIT ENSEMBLE EX30 連合のブーステッドマンセット
販売価格:9,350円(税込)
発売:2021年8月27日
↑Amazonでチェック(限定商品のためプレミアム価格になっていることが多いです。定価は9,350円ですのでご理解の上でご購入を検討してください)
モビルスーツアンサンブルのプレミアムバンダイ限定EXシリーズも30作目となりました。
モビルスーツアンサンブルは高品質で遊びの幅が多くマニアックな機体もラインナップされることで着実にファンを獲得しつづけて息の長い人気シリーズになったんだなってことを実感します。
私はプレミアムバンダイの商法にあまり好意的な印象を持っていないので(機会があれば理由などをお話ししたいです)、できるだけ手を出さないようにしていたのですがこのセットは迷った挙句買ってしまいました…
普通に販売したら売り上げが渋くてやばそうな商品を、ディープなファンのためにこだわり抜いた品質でお届けしてくれる、こういうプレミアムバンダイのお仕事なら大歓迎なんですよ!
このモビルスーツアンサンブルEX30は連合のブーステッドマンセットと称されて、カラミティガンダム・フォビドゥンガンダム・レイダーガンダムの3体がセットで販売されていてお値段なんと9000円くらいです。
1体あたり3000円くらいですかね…
私はなんでもガンプラ基準で考えてしまうので、「9000円のガンプラって言ったらかなり良いものが買えるけどこれ高くね?」って思っちゃうんですよ。
でもなんだろうこの満足感は…届くまではもやもやしていたお値段でしたが、手元にくると「別に高くないな」に変わっちゃんですよね…
これがモビルスーツアンサンブルの魅力であり魔力なのか…いや、呪いかなぁ……
パッケージなど
プレミアムバンダイの商品ってパッケージがモノクロ印刷で、場合によっては商品名が印刷されているだけみたいなものがあるのですが、モビルスーツアンサンブルEXシリーズはそのまま店頭に並んでいてもおかしくないしっかりとしたパッケージに入っています。
裏面も抜かりない感じで一般販売を想定してるのかなと思いながらも、これらが一般販売されているところはまだみたことがないです。
三体入っているので箱は分厚いです。
この箱にゴムの塊のようなものがぎっしり詰まっているのでずっしりと重いです。
一回箱のふたを開けたらちゃんと閉まらなくなっちゃうレベルのぎっしりさ!
この時点で「高いと思ってたけど良い買い物したなー」って思えちゃうのが不思議…
ぎゅうぎゅうに入っていて、一度取り出しちゃうと蓋を閉めるのが困難です。
箱の中には機体ごととスタンドがまとめられた中袋が4つ入っていて、各機体はこの中袋の中にそれぞれパーツが仕切りで分けられた長い小袋が入っている感じです。(ガチャポンで出てくるような感じ)
スタンドのパーツはまとめて一袋に入っていますが、機体は機体ごとにまとめられているので一袋づつ開けて一袋づつ組み立てていくのが良いでしょう。
それでは、各機体を詳しく紹介してゆきましょう!
カラミティガンダム
数あるガンダムの中では比較的地味というか目立たない部類のガンダムだと思うのですが、カラーリングとでっかいキャノン砲がめちゃくちゃ魅力的に見えて自分は大好きな機体です。
FULL MECHANICSっていうプラモデルシリーズでも第一弾として商品化されていて、結構スポットライトが当たっているのを見ると実はファンが多いのかも?
ガシャポンでは絶対にできないようなバカでかサイズのキャノン砲を背負っています。
キャノン砲の正式名称は125mm 2連装高エネルギー長射程ビーム砲 シュラークだそうです。
キャノン砲のお尻のマルイチモールドは別パーツなので好きな向きに変えることができます。
キャノン砲を小さくすればガシャポン版のラインナップでもいけたのかもしれませんが、妥協せずに思い切り巨大化してくれたことでとんでもないシルエットに仕上がっていて、それが商品の特別さを出しまくっていて最高です。
とにかくでかい…
シュラークの砲身にパーツに切り出し跡が目立つのですが薄刃ニッパーで丁寧に切り出してもこんな感じです。
判別が付かなかったのですが、グレーっぽい整形色の上からグレーの塗料を塗っていて整形色と塗料の差があるから目立ってるのかなと想像しました。(塗料を塗っているのか判別が付かない)
このシュラークは本体と同じPVCで出来ているのですが、肉厚な筒状になっていてふにゃふにゃと曲がる心配もなく重すぎてヘタれる心配もなさそうな感じです。
機体自体も関節が硬くて自立できるのですが、モビルスーツアンサンブル特有の「ちょっと時間が経てばふにゃふにゃし始める現象」が起きちゃうと自立は無理でしょうね…
スタンドを上手に使って行きましょう!
パーツ構成はこんな感じです。
シールドがシャープなプラ製ですがあとは一般的なモビルスーツアンサンブルと同じような構成です。
ボリューム感はすごいです。
キャノン砲の接続軸はボールジョイントになっていて、奥まで差し込むと基部が密着して正面に向けて軸で可動するのみなのですが、引き出せばボールジョイントの特性を活かして砲身を左右に振ることもできます。
キャノン砲の向きで大きく表情がつけられるので面白いです。
肩から上の黄色いパーツは軸で接続しているのでそこだけを前後にスイングさせることも可能ですが、たぶん開発者の意図してない動きです。(黒っぽい肩パーツの上部にある○モールドと黄色いパーツの○モールド受けがズレるので)
肩パーツ上部の機体カラーの部分も別パーツなのですが普通に作っちゃうとどうしても隙間が空いてしまいます。
砲身は太いのですが発射口はプチっとした感じですね。
シールドはプラ製なのでかっちりしたシャープな作りです。(糸くずが付いてますね、すみません)
シールドは2パーツ構成に115mm 2連装衝角砲 ケーファー・ツヴァイの砲身を埋める感じです。
シールド本体の2パーツは組み立て済みなのですが接着はされていないので、丁寧に剥がせば分離させることができます。
なぜ分離させたかというとケーファー・ツヴァイが可動する仕様なのかどうかわからなかったので確認したかったからです。
動きそうな構造なのに砲身とシールドがキッチキチに噛み合ってるので動かそうとすると砲身を折っちゃいそうになるんですよね。
シールド側か砲身の接続部分のどちらかをいい感じに削ってやればストレスなく動くようになりそうですが、砲身は挟まれて固定されているだけなので削りすぎるとポロポロと落ちちゃいそう…
シールドの2パーツを固定しているピンも細くてキチチキなのでちょっとしたミスで事故りそうな部分です。
ケーファー・ツヴァイがキチキチなのをスムーズに動かしたいって方は自己責任で分解・調整をしても良いでしょうが、ある程度腕に自信がある人じゃないと失敗しそうですね…
塗装の精度はまぁまぁって感じで一部発色がイマイチな部分もありますが、モールドがくっきりで小さいのに情報量が多くてめちゃくちゃかっこいいです。
モビルスーツアンサンブルはアクションフィギュアではないので可動に関しては関節が多い割には効果が少ないって感じなのですが、キャノン砲で表情がつけられるから動かしていて楽しいです。
これは新たなお気に入りです。
フォビドゥンガンダム
エルメスっぽい甲羅を背負ったフォビドゥンガンダムです。
甲羅が想像よりデカくてこちらもものすごいボリュームですが、背負いものがだいたいプラパーツで出来ているので軽くてかなりカッチリとシャープな作りになっています。
これだけで最高ですね…
パーツ構成はこんな感じで、右上のでっかいランナーはバックパックの両端にある可動装甲を繋ぐためのアームになるものです。
手持ちの鎌ニーズヘグはワンパーツながらも丁寧に塗り分けされていて造形もシャープなのでかなりいい感じ!
フォビドゥンのボディは左側に写っている専用パーツを使いますので、右側のいつものボディパーツは使いません。
専用パーツの方がボディの幅が広くなっているのですが誤差のレベルにも思えるくらいなのですが、背負いものを大きくするためのこだわりのポイントだったのかなと想像します。
ちょっと角度を付けて見ると背負いものの大きさがより引き立ってめちゃくちゃかっこいいです。
ニーズヘグ(鎌)の両手持ちがバッチリ決まるし、とにかく鎌のサイズとか造形がいいのでめっちゃくちゃかっこいいです。
機体本体の可動は標準的なモビルスーツアンサンブルと同じなのですが、鎌のケレン味と自由に動くバックパックの装甲板のおかげでめちゃくちゃ動くフィギュアに見えちゃいます。
今回の3体の中では動かしていて一番楽しいのがフォビドゥンかも…
個体差かもしれませんが私のものは別パーツになっているコックピットの赤い部分がポロポロ落ちまくりました。
モビルスーツアンサンブルは可動やギミックに影響がないポロポロ取れる箇所は接着してしまった方がストレスが少ないので私は撮影中に接着してしまいました。
撮影中に紛失しそうなレベルでポロポロ落ちちゃうんですもん…
頭を外してバックアップを被せれば高速強襲形態になります。
バックパックは本体に2本のアームで接続されているので差し替えなしでこの位置に動くのですが、アームがかなり硬いので馴染むまでは根本から外れちゃうことが多いかと思います。
特徴的な牙のようなレールガンエクツァーンですが、こちらは接続方法の関係でいったん外してから向きを変えることになります。
このエクツァーンの造形も複雑かつシャープでめちゃくちゃかっこいいんです。
カラミティは少し塗装の荒さや発色の濁りがありましたがフォビドゥンは全てが完璧レベルです。
カラミティ・フォビドゥン・レイダーはそれぞれ専用スタンドがついています。
特にフォビドゥンは色々なポーズが決まって表情を付けて遊びやすい機体なので立派なスタンドがあるのは嬉しいです。
モビルスーツ側の接続軸はいつも通りなので他の機体にも流用できますが、可動軸などはないのでいつも使ってるスタンドが大きく頑丈になったって程度の理解で良いかと思います。
余談ですが、フォビドゥンの体って結構シンプルで「強量産型」みたいな雰囲気があるなって思いました。
そのままだと色が合わないのですが、ジェガンとかリ・ガズィとかの頭を乗せるとけっこう好みのMSが生まれました…
モビルスーツアンサンブルはほとんど全てのMSが共通規格だからこそ遊びの幅が生まれるというのが素晴らしいです。
ちなみに、写真のリガズィはガシャポン戦士fのものです。(互換性バッチリ)
レイダーガンダム
最後は変形もバッチリ再現されたレイダーガンダムです。
曲線と直線でできた複雑なデザインで、モールドが沈みやすい黒い色にも負けていない情報量です。
股間の穴が気になりすぎたので元デザインはどうなのかなと思ってみたらもともとここに穴が空いてるデザインだったんですね。
あまり意識したことがなかったのですが、そういうデザインだとわかれば穴も気にならないです。
こちらも大きめの背負いもので、翼がプラパーツで出来ているので薄めなのにカッチリした作りになっています。
バックパックの先っちょが航空機の機首とキャノピーのように見えてしまうことでやや大味な印象を受けます。
でも、元デザインもこんなものでして、リアル体型だと目立たなかったけどデフォルメするとこういう解釈になっちゃったって感じですね。
パーツはこんな感じでプラパーツの多様でシャープさや可動・変形ギミックが再現されています。
モビルスーツアンサンブルは組み立てに関しては不親切で、商品をみてわからなければネットにある組み立て方をみてくださいというスタンスですが、その説明自体がわかりにくいこともちらほら。
この商品には紙で説明書が入っている(ガシャポン版よりだいぶ親切)のですが、それを見ても組み立てに迷う部分やわかりにくい部分がちらほらありました。(特にプラパーツのあたり)
ガンプラ作りに慣れている私でも迷っちゃうところがあるので、ガンプラを作ったことがない人にはけっこう厳しいのではと思ってみたり。
バックパックはこんな感じで翼の付け根が2軸で動くので自由な角度に動かすことができます。
腰につける可変型クロー兼プラズマ砲であるアフラマズダです。
結構自由に動いて隙間なく折り畳めるのが素晴らしく、クローの部分は軟質パーツになっています。
折り畳んで腰に装備しているところです。
他のパーツに干渉するかと思いきや、腰のPVC素材特有の弾性である程度自然に広がって動いてくれるのが面白いです。
ただ、接続軸がやや浅めなのでポロポロする個体もあるかも知れません。
ここもストレスが溜まるようなら接着で。
先にお伝えした通り、翼の角度が自由に変えられるので表現の幅が広がります。
塗りはやや荒めだったのがちょっと残念…
フルアーマーガンダムみたいな2連装52mm超高初速防盾砲はスリムで長めに作られていて存在感が大きめ。
ニョルニル(トゲ鉄球)は延長パーツの差し替えで伸ばすことができます。
クローは差し替えなしで結構自由に動きますが、腰への接続軸の関係で動かしたい位置に動かせない面もあります。
三機とも目のクリアの下にはモールドが入っていてシルバーで塗られています。
光が上手に入ればキラッと光ってかっこいいです。
トゲ鉄球ニョルニルの構造が少し面白くて、両端に接続ピンがついたパーツの使わない方の接続ピンをトゲ鉄球の中に隠すような仕様になっています。
接続ピンは真っ直ぐなものと角度がついたものがあり、真っ直ぐな方はMS形態の手持ち武器で、角度がついている方はMA形態で使います。
レイダーガンダムのMA形態を再現できます。
余剰パーツは肩から下の両腕で残りパーツを差し替えれば変形完了です。
両肩のビームも差し替えパーツを付け足すのですが、差し込む角度をしっかり決めれば奥までちゃんと刺さります。
私のはここの差し込みが硬すぎてそれに気づかなかったのでちょっと浮いていますが、今はちゃんと奥まで刺さるようになっています。
スタンドを使うときは顎の下に専用の補助パーツを入れて安定させることになるのですが、レイダーだけならこれは特になくても安定します。(このパーツを取り付けるのがなかなか大変です)
トゲ鉄球ニョルニルは角度付きパーツで股間にセットします。
いや、なんかわかんないけどめっちゃ強そうじゃん…
股間鉄球……
レイダー×カラミティ
変形したレイダーガンダムに接続パーツをつけるとカラミティガンダムを乗せてあげることができます。
共通的なジョイントに接続するパーツなのでカラミティ以外でもだいたいの機体を乗せてあげることができます。
レイダーガンダムの顎を支えている透明パーツはレイダーMA形態単体を飾るにはなくてもいいのですが、カラミティとの二階建て飾りをするのであれば付けておかないと崩れ落ちちゃうやつです。
接続はこんな感じで、乗る側はスタンド接続用の穴とお尻の後ろにある穴を使う感じです。
接続パーツのおかげで飾るだけならかなり安定するのですが、ガシガシ遊べるほどの強度じゃない感じです。
接続パーツはけっこうキチキチなので接続を試みると衝撃でいろんなところがポロポロ取れちゃったりするし、そもそもこの接続がややめんどくさいっていうのもあるので積極的には遊ばないギミックかなと感じましたが、飾り方の方法が増えるのは嬉しいです。
まとめ
購入するまでは躊躇するお値段なんですが、手元に届くと満足感が高くて嬉しくなっちゃうようなセットでした。
もうちょっとこうだったらいいなというのもないことはないのですが、あまりスポットライトを浴びる機会がないような機体に情熱を込めて製品化してくださるという取り組みは素直に嬉しいです。
ただやっぱ、毎回は買えないから購入したいやつを選ぶようにはなっちゃいますね…
パワーローダーは予約済みなのでこちらも届くのが楽しみです!