[レビュー]モビルスーツアンサンブル EX40 デンドロビウム(MOBILE SUIT ENSEMBLE)
2022/9/28 - ホビー, レビュー( バンダイ , ガンダム , おすすめ度★★★★☆ , モビルスーツアンサンブル )
[ご注意]
モビルスーツアンサンブルEXシリーズはプレミアムバンダイの受注販売限定品です。
本記事ではAmazonの商品リンクなどを貼り付けていますが、これらの商品は定価を大幅に超えて出品されている場合があります。
インターネットでご購入される場合はお値段を十分ご確認の上で購入を検討ください。
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概要
発売日 2022年9月26日発送品
販売価格 14,300円
製品素材 PVC・ABS・MABS
サイズ 全長約260mm
対象年齢 15歳以上
パッケージなど
箱はかなり大きくて厚みもかなりあります。
この中にプラモデルのようにパーツがぎっしりと入っています。
ボリュームに比例して組み立て説明図は両面印刷のペラ紙を4つに折ったものが2枚入っています。
パーツ類はこんな感じです。
いつも組み立てたくてうずうずしながら撮影するので、逆さになってるものなどもありますがご容赦ください笑
パーツ数が多く見えますが大きなパーツをザクザクと組み立てる感じなので、GP03本体を除いたオーキスの部分は30分くらいで組み上がります。
ガンプラと比べて組み立て説明図がわかりにくいので、指定のパーツがわかりにくくて探す時間も多かったりします。
このデンドロビウムはパーツの形状が良くて適度にシャープで前後に長いデザインなので、本当に飛べそうな感じのデンドロビウムです。
この段階では気の利いたパーツ分割に見えてすごく遊べそうに思えたのですが、他のアンサンブルへの流用はなかなか難しい構造になっているのでそれについては後述です。
付属のGP03
モビルスーツアンサンブル22で商品化されたガンダム試作3号機(GP03/ステイメン)がセットに含まれています。
GP03はデンドロビウムの中心に乗っかるので必須ですが、コアなファンは既に22弾で手に入れているものなのでいつも通りあまり嬉しくない抱き合わせ販売です。
ただ、今回は色々と嬉しい点もありEXシリーズならではの特別感があります。
嬉しくなった点
- 白い成形色がグレー寄りになって安っぽさがなくなり渋くなった
- 差し替えでフォールディングアームが再現できる
- フォールディングアームについてくる抜手のような形状のハンドパーツが流用可能
- 左肩に「03」のマーキングが追加された
- 太いまゆげが細くなった(めっちゃイケメンになった!)
- シールドが硬くなってポロポロが軽減された?(個体差または気のせいかも?)
今回付属のGP03と通常弾のものを並べてみました。
左が今回付属のもので右が通常弾のものです。
写真のマジックで何となく右が大きく見えますがサイズに違いはありません。
通常弾の方は真っ白なので膨張して見えると言うのもあるのかな?
通常弾で違和感バリバリだった太眉毛が半分以下の細さになってかなりシャープな顔つきになりました。
肩の「03」のマーキングの細い縁取りフォントも影響して、全体的にもシャープに見えるようになりました。
眉毛と肩のマーキングだけでここまで印象が変わるのか…
なかなか侮れないですね…
フォールディングアームはパーツ差し替えでの再現です。
フォールディングアームだけでも4ヶ所の可動ポイントがあるのですが、肩の付け根から考えれば多数の可動ポイントがあるのでかなり自由に動かせます。
ただ、前腕部の差し替えはアンサンブル特有のピンの硬さもあってやや面倒な印象がありました。
何度か差し替えて少しゆるくなってくれると遊びやすくなりそう。
ハンド部分に軽く挟んでいるだけなのでガッチリ握れる感じではないのですが、デンドロビウムの極太ビームサーベルを持たせて自立できるくらいの安定感です。
写真では片方しか交換していないですが、両腕分ついているのでかなり楽しいオプションです。
フォールディングアームについているハンドパーツは抜手のような形状で、他のハンドパーツと共通の軸になっているので差し替えて流用することもできます。
ガンダムファイトに出場できそうな感じになるので(?)このハンドパーツはかなり嬉しい!
GP03がデンドロビウムに乗り込むときはしっかりと上を向かせたくなるのですが、その場合は首の延長パーツを使用します。
モビルスーツアンサンブルのキュベレイと同じ発想ですね。
キュベレイの時も感じたのですが首を上に向けるためだけにパーツを差し入れるのはなかなか面倒な上に、首の付け根がかなり太くなるのであまり歓迎できない仕様です。
共通フレームや頭部に少し手を入れて差し替えなしで少しだけでも上を向けるようにしてくれたら素晴らしかったんですけどコスト的に無理だったんでしょうね。
その他は通常弾と同じ武装に加えて、武器セットに入っていたフォールディングバズーカも2丁ついています。
これらを端折って少しでも安くしてくれたらよかったのにという思いと、アンサンブルの組み替え遊びは武器がいくらあっても困らないからまぁいいやという思いが交錯する感じです。
あと、はっきりしたことが言えないのですがシールドの折りたたみ部分の接続が硬くなってポロポロ問題が解決された可能性があります。
ただの個体差かもしれませんが、手元にある通常弾のシールド二つはどちらもポロポロだったのですが、今回のシールドはそれと比べてもはっきりとわかるような硬さでした。
ほんと、個体差や気のせいの可能性もあるのでご参考程度に。
デンドロビウム(オーキスと合体)
デンドロビウムのご紹介ですがまずは完成写真から。
製品写真をみた時からレーシングカーのようなマーキーングに違和感を覚えていましたが、商品が届くまで何度も見たので免疫がついたのか、精度が高くてサイズ感的にも似合ってるからか、手にするとあまり違和感はありませんでした。
うるさいくらいのマーキングはなかなかかっこいいですが、もしも「ここにめちゃくちゃコストがかかってるから14,300円です」と言われるならない方がよかったかもとも感じます。
コンテナブロック以外は薄めでシャープで前後に長い形状で本当に素早く真っ直ぐ飛んでくれそうなイメージです。
この全長が26センチくらいというなかなかのボリュームです。
写真でも少し目立ちますが、コンテナブロックは接続方式の関係で少し隙間があきやすいかもです。
抑えてもすぐにまた隙間が空いちゃう。
さて、GP03とオーキスの接続方法についてです。
オーキスのセンターブロックにアンサンブルの標準スタンドと同じ形の接続ピンが出ています。
そのままだと接続しにくいので本体全面を下に下げてから
GP03を差し込むだけです。
脚を後ろの伸ばしているので写真では脚がないように見えますが、GP03に関しては首以外の差し替えはありません。
(首の差し替えもお好みによりなのですが、首の延長パーツは見る角度によってはめちゃくちゃ太くて不恰好ですよね…)
こんな感じでのっかるのでこれに…
上にコンテナブロックを乗せて完成です。
接続がゆるいとか外れやすいと言う部分もなくがっしりとした作りです。
GP03を乗っけている部分はギリギリという感じではなく少し余裕があるので似たような体型のアンサンブルであれば他の子も載せることができそうです。
アクアシューターズを載せることだってできちゃいます!(実はこれがやりたくて買ったというのもある)
センターブロックに接続できないので寝かせて乗っけているだけなのですが、メガビーム砲を持たせることで体が固定されるので、激しく振り回したりしない限りは状態をキープできそうです。
髪の短めの子ならアンサンブルよりも上を向けやすいのでなかなかのプレイバリューですよこれ。
虹学アクアシューターズについている傘がアイフィールドっぽくてそれもまたヨシ!(?)
モデルは以前レビューもいたしましたAQUA SHOOTERS アクアシューターズ feat. 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会02 天王寺璃奈ちゃんです。
大型クローに装備する大型ビームサーベルは2本ついています。
ビーム部は肉抜きされたような形状になっていて、そこに肉抜きを補うように同色のパーツを嵌め込む感じになっています。
写真だと伝わりにくいですが実物を見るとつなぎ目や補強部分がうるさいくらいに目について、出来が良いとは言えない謎仕様の部分です。
ガンプラだとこれくらいのビーム部は一体成形してくれてるんですけど、これがそうなっていない理由は何なんだろう?
大型ビームサーベルの持ち手部分には接続用のピンが出ており、お尻には3ミリピンが出ています。
接続用のピンはクローにしっかりはめるというよりはここを挟み込んでゆるく固定する感じです。
ゆるく固定と言ってもポロポロ落ちるような感じではないので心配はご無用。
クローに持たせるときはお尻の3ミリピンは使わないので遊びの幅を広げるためのピンですね。
このピンはハンドパーツの丸穴に合うサイズなので、普通のアンサンブルの手に直接大型ビームサーベルを持たせることもできます。
大型クローは水平スイングしてアーム部分が2ヶ所動くのでかなり自由に動かせます。
構造的に大型ビームサーベルを持たせるとクローの付け根部分が抜けちゃうのではという心配がありましたが、普通に動かしている分には問題ないレベルの保持力でした。
動かし続けているとだんだんゆるくなるので時々押し込んであげればOKです。
ワイルドに動かせて、使わなくなったら差し替えなしでピッタリと収納できるのでとても気持ちの良いギミックです。
色の影響もありメガビーム砲を超える存在感になりますね。
さて、通常弾で発売済みのガーベラテトラに仕込み済みのファンギミックがこれ。
ガーベラテトラのコックピット部分を取り外して…
デンドロビウムに付属の専用のビームパーツを使うと…
例のシーンが再現できるというやつですね。
こういう遊び心が入っているのはなかなか嬉しいですね。
このギミックが発表されたときはふーんって感じでしたが、触ってみるとなかなか面白かった!
ビームエフェクトのパーツも流用していろいろと遊べそうです。
なかなか満足度が高い商品なのですが、特徴的なコンテナブロックについては「え!?そうなの!?」とすこしガッカリした部分がいくつかあるのでご紹介です。
デンドロビウムといえばこのウェポンコンテナのハッチが開いて、ウェポンスロットの中からマイクロミサイルの束やGP03用の武装が出てくることを期待している人も多いのでは?
ウェポンスロットは左右で8個づつ、合計16個という設定なのですが、開くのは左右で5個づつとなっています。
外側3つはミサイルコンテナを取り出すことができ、中心二つはウェポンスロットの開閉のみを再現したもの(武器の収納は不可)というギミックになっています。
全部のウェポンスロットが開いて自由に差し替えて遊べるようなものではないのでご注意を。
取り出せる6個のミサイルポッドは4つがマイクロミサイル、2つが大型集束ミサイル(3つのミサイルが束ねられているやつ)になっています。
根本に3ミリピンが出ており、スタンド用の拡張パーツに接続して飾ることができます。
スタンド用の拡張パーツは角度が変えられるようになっており、これが6つ付属しています。
このウェポンスロット関連のギミックで遊びにくくて「え!?そうなの!?」となる部分なのですが、ミサイルを取り出すときはコンテナブロックの後ろを開けて、指や付属の専用治具で押し出して取り外します。
そんなに頻繁に取り出したり収納したりする人がいないという前提の仕様かもしれませんが、ブンドド遊び勢にとっては悶絶するほどめんどくさい仕様となっています。
また、ミサイルコンテナに関してはピンで接続されている部分以外はゆるゆるなので、「半分くらい迫り出した状態で飾る」というのは難しいです。
ここは遊びやすさと飾る表現の幅の点からもう少し詰めて欲しかったです。
個人的には4つに分かれるコンテナブロックを別の商品と組み合わせて遊ぶと楽しそうだと思っていたのですが、コンテナブロックの接続軸は3ミリではなく専用の軸になっていました。
ちょうど六角形なのでコトブキヤのプラモによくついている六角形を3ミリ軸に変換するパーツを使ったら良いかと思ったのですが、六角形のサイズが合わなかったので無理でした。
しかし、開発担当者さんの苦肉の策なのかな!?
外側のほうのコンテナの太いピンの真ん中に3ミリの穴が空いていました!
工夫次第ではこの穴を有効活用して他商品と組み合わせて遊べそうですね。
強度確保のためにこういう仕様になったと思うのですが、コンテナブロックが期待したほど流用できないのは一番残念なポイントでした。
ただ、開発側の3ミリ穴に対する執念みたいなのを感じられたのは良かった…
ちなみに、コンテナブロックも正面や背面には3ミリ穴がポロポロと用意されています。
使いやすくはないですがここも工夫次第で楽しめそうですね。
本体をバラすと3ミリ穴が色々と出てくる部分もあるのでほんと工夫次第で流用遊びも化けそうです。
一方で、メガビーム砲やIフィールドジェネレーターは2連の3ミリ軸での接続となります。
こちらも強度の関係だと思いますが、ピンが近くにくっついているので流用のハードルがちょっと高めです。
スタンドはメインのスタンドの他に、コンテナブロックを左右で支えるスタンドもついています。
高さを合わせて立てているところにふわっとコンテナを乗せているだけです。
コンテナブロックと若干隙間もあるのでゆるゆるだし、飾る角度がこれに決められてしまうし、何より不恰好ですよね。
メインのスタンドが十分に強いので今までのEXシリーズ同様にこの補助スタンドは使わないものになりそう。
メインのスタンドがへたってきたら効果を発揮するのかもしれませんがEXシリーズの補助スタンドが役に立ったと感じたことがないので、こういうのはコストカットしてもらっても良いなと個人的には思います。
ちなみに、私も含めて誤解している人が多いようなので念の為の補足です。
デンドロビウムのメガビーム砲って設定的にも自由に動かせるものじゃないんですってね?
グリップを握ってるのでそこから自由に動かして狙って射撃するのかと思いましたが固定されているそうで、アンサブルでも設定に忠実にメガビーム砲は本体に固定されています。
可動軸とかないので上下に向けることもできないし真正面を狙ったままの武装となっています。
最後にオリジナルギミックである「ステイメン&ウェポンシステム」の紹介をしたいのですが、一旦使いきれなかったデンドロビウムの写真をギャラリーでご覧ください。
ステイメン&ウェポンシステム
オーキスを組み替えることでアンサンブルオリジナルギミックの「ステイメン&ウェポンシステム」にすることができます。
組み替えはこんな感じ。
オーキスの底にあった専用スタンド接続パーツがバックパックの基部となるのですが、左右に二つづつ3ミリ穴が空いているのでこのパーツを軸にカスタマイズ遊びが捗りそう。
このモードを再現するときはメガビーム砲のグリップを外して、カバーをつけてグリップを収納します。
デンドロビウムの簡略化という感じでコンパクトにはなっていますが、それでもかなりのボリュームです。
大型クローがついていないモードなので、フォールディングアームに大型ビームサーベルを持たせても面白い。
フォールディングバズーカの2丁持ちも似合いますね!
おまけ 組み替え遊び
ウェポンシステム用のバックパックパーツの汎用性が高いのでこれを基部にいろんな組み替え遊びができます。
あと、ミサイル用のスタンド補助パーツを分解すればいろんな角度に3ミリ穴を向けることもできます。
「コンテナブロックだけは期待したほどの流用性やカスタマイズはなかったけど、それでも十分に組み替え遊びが楽しめる」というのが結局のところかと。
パーツ構成が想像力をくすぐる感じなので、他のアンサンブルと合わせて組み替え遊びをしたいなと言う気持ちがもくもくと湧いてくる良い商品です。
まとめ
基本的にはめちゃくちゃ良い商品なので、コンテナブロックの仕様や首の差し替えなどもう少し何とかしてほしいなという小さな不満も飲み込まれてしまうレベルです。
ただやはりネックなのは14,300円という価格ですね。
開発担当の方が円安も重なってこの価格でもかなりきついみたいなことをおっしゃっていましたが、消費者的にもこの価格はかなりきついです。
この商品に対して気持ちよくお金を出せるのは7,000円くらいかなというのが正直な感想です。
今の知識を持ったまま受注時期に戻れるのであれば、送料込みおよそ1.5万円というお金は他のことに使うしその方が満足度もさらに高いと思います。
モビルスーツアンサンブルのEXシリーズは「出したお金を忘れて楽しむもの」だと思うし、数千円、数万円でごちゃごちゃ言うユーザーが対象にはなっていないんだとは思います。
そういう視点で見れば自分は「無理をして買っているユーザー」であるため、金額から考えるとガッカリする部分も多いんだと思います。
ほんと、このモヤモヤを消すには「数万円を屁とも思わないくらい頑張って稼ぐ」しかないんでしょうね。
気持ちよくおもちゃで遊ぶためにお仕事がんばろうという気持ちになりました!(?)