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[レビュー]HG 1/100 YF-29 デュランダルバルキリー(早乙女アルト機)マクロスのプラモデル(バンダイ)

2023/8/29 - ホビー, レビューバンダイ , プラモデル , おすすめ度★★★☆☆ , マクロス

「バルキリーなんて完全変形できるから楽しいんでしょ?」っていう信仰を持っているので、差し替え変形であるHGマクロスシリーズはスルーしようと思っていました。
でも、デュランダルバルキリーは立体物を触ったことがない機体だったので「差し替え変形のプラモデルで4400円はちょっと高いな〜」って思いながらも手を出してみました。
シールを貼ること前提での色分けキットですが、こういう需要もあるかと思い「シールを全く貼らない状態」でのレビューです。
視点や着眼点により評価が二分化しそうなキットなので、感想の一つということで参考程度にお読みいただければ!

商品概要

HG『マクロス』プラモデル 新シリーズ第2弾は『マクロス F』より「YF-29 デュランダルバルキリー(早乙女アルト機)」をシャープな造形で立体化!
■一部に差替パーツを使用することで変形シークエンスを簡略化する「差替三段変形(ショートカットチェンジ)」を採用。HGシリーズならではの組み立てやすさと広い可動域、各形態の洗練されたフォルムを実現。
■ファイターモード時の前進翼の曲線美やガウォークモード時の特徴的なシルエットも忠実に再現。バトロイドモードは劇中を意識したスマートなボディラインを表現。
■肩を引き出し式にすることで腕部の可動域を拡大。
■胸部に3軸可動を内蔵することで、前後左右への広域な可動を実現。
■肩・脚部のミサイルハッチは展開が可能。シールドには劇中同様ナイフを格納できる。
■フォールドクォーツやキャノピー等の表現にこだわり、光の当たり方で変化する「偏光成形」を計3色使用。
■ネーマーシールは極薄ながらも優れた隠蔽性を発揮し、濃い成形色のパーツの上からでも鮮やかなカラー再現が可能。
■表情豊かなハンドパーツが付属し、さまざまなポージングを表現できる。

【付属品】
■ガンポッド×1
■シールド×1
■ナイフ×1
■ランディングギア×1式
■ファイター形態再現用パーツ×1式
■ジョイントパーツ×1式
■ハンドパーツ×1式
■台座×1
■ネーマーシール×1

価格4,400円(税10%込)
発売日2023年08月26日
対象年齢15才以上
https://bandai-hobby.net/item/5783/

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パッケージなど

一目で3段変形するバルキリーのプラモデルとわかるデザインがいいですね!
価格に比例するかのようにちょっと厚めなパッケージですが、箱の中は少し余裕がある感じでした。

外箱にダメージなど無かったのでたまたまかもしれませんが、私が購入したものはパーツの一部ゲートはずれがチラホラあり、ネーマーシールにもパーツがつけたような打痕があったりとちょっとしたハズレ商品でした。
プラモデルなのである程度は仕方ないですね。

組み立て説明図とプレバン商品である拡張セットのチラシが入っていました。
バルキリーってこういうスーパーパーツとかも魅力の一つなのでこのキットを組み立てるまでは「拡張セットも買おう!」と思ってましたが、組み立てたあとだと「まぁいらないか」になっちゃいました。

なんでそう思ったかという詳細は追い追い。

ランナー枚数はこんな感じ。

HGの名を冠していますがシャープなパーツも多くて大人向け。
HG水星の魔女シリーズとかは対象年齢が8歳以上でしたが、こちらは15歳以上ということで同じHGでもひとくくりには考えられないのですね。

なお、組み立て時間はシールを貼らなければ2時間ちょっとでした。
組み立てたものを変形させたりの時間を入れると3時間いかないくらいです。

見た印象よりはだいぶ組み立てやすくて思ったよりもサクッと終われました。
これが差し替え変形のメリットとも取れるかもしれませんが、完全変形キットを構造を理解しながら時間をかけて組み立てるのも楽しいので人それぞれ。

こちらが特徴であるネーマーシールです。
粘着力が高くて下地の隠蔽力も強いというのが売りのようなのですが、貼ると安っぽくなりそうな部分もあるので今回は一旦貼らずに組み立てました。
パーツのシャープなモールドの上から、シールで覆ってプリントの黒線を描いちゃうのに抵抗があるんですよね…

パーツ的な特徴として光の当たり方で変化する「偏光成形」のクリアパーツが3色あります。
キャノピーなどは遠目に見ると「お!?」と思うのですがホロラメの入ったクリアパーツっていう感じで、光の当て方によってはラメ感が強く感じられます。
グリーンのパーツなどは造形もだるめで女児のおもちゃの素材みたいに感じられました。

内容物はこんな感じです。

パッケージ等では↑のようにバトロイド基準で差し替えパーツが記載されているのですが、先の写真のような感じでファイター基準でみるとこんな感じでけっこうガッツリ余っちゃいますね。

付属のスタンドはHG水星の魔女とかでよく見かけるいつものやつですが、デュランダルバルキリーに対しては足部分の面積が小さいので頼りないですね。

ランナーの構成の都合でわけがわかんない感じになってるのがハンドパーツです。
たくさん入ってるように見えますが、一部を除くと同じものが二つずつ入っています。
その割に自然な平手が左手しかないとか、敬礼平手やガンポッド用の握りては右手しかないとか、ぱっと見のボリューム感よりもバリエーションがないんですよね。
ランナーの都合で余っただけのパーツではありますが、ランナーの都合っていうのが理解できないとめっちゃくちゃモヤモヤするかも?

ランカサインの平手がありますが、ワンパーツ成形の限界みたいなちょっと微妙さのある仕上がりです。

バトロイド

まずはバトロイドから。
シールを貼っていないので設定と比べると色分けが足りませんが、成形色での色分けもかなり頑張っているので元デザインを知らなければこれでも十分にかっこいいですね。

差し替え変形の採用によりプロポーションを最適化したというシリーズですが、プロポーションに関しては正解がわからないので「うーん」です。
頭が大きく四肢が短めで全体的にまるっこさすら感じられるバランスですが「差し替え変形でこういうバランスにしたかったんだ!」って話であればこれが正解なので。
YF-19の時はかなり「うーん」なバランスだったのですが、デュランダルはそれよりは「変形しそうなデザイン」が維持されているかなという感じです。

重心が後ろに行きがちでかつ腰回りのバランスや形状が独特なので自立はやや苦手です。
まぁ、地面をガシガシ走るタイプの機体でないのでスタンドを使ってポーズを決めて飾るのがいいですよね。
ただ、付属のスタンドは頼りないので長期展示なら専用スタンドを用意した方がいいです。

頭部はクリアパーツを2色組み合わせられていて一見綺麗なのですが、クリアパーツの造形がだるめなのでちょっとぼんやりとした印象になります。
色ももうちょっと深めの方が合う気がするんですが女児のおもちゃっぽい色味がなんとも…
頭部の白いパーツとクリアパーツはシャープにかっちり噛み合ってくれるので、この辺りは流石のバンダイのプラモデルというところ。

差し替え変形により可動範囲も向上したという話ですが、肘膝はともに90度ちょっとで必要十分には動くけど物足りなさがあります。

胸下が3軸可動でグイグイ動くのも売りですが、ポーズ決めに効果的なほどかといわれると「うーん」ってかんじ。

一方で肩は引き出し機構が優秀なので腕を前面に向けることができます。
接続部分のボールジョイントにやや抜けやすさを感じますが触っていて楽しい部分です。

バトロイドはお腹と下半身の部分が大きく「くの字型」に凹むようなデザインになっています。
ここは軸で回転しますがくの字の角度が変えられるとかではないので、機体デザインに慣れていないと戸惑うかも。

バトロイド時のコックピットは背中と胴体の間に隠れるデザインなのですが、バトロイド時もしっかりとクリアのキャノピーが使われています。
横からここがチラ見えする時の情報量が上がるし、こういうところならラメも悪目立ちせずに存在感アップに貢献してくれるのでGoodです。

シールドにナイフが収納でき、肩周りの広い可動範囲のおかげで抜刀のようなポーズを取ることもできます。
ただ、右手は自然な平手がないので握り拳か敬礼平手を使うことになります。

このキットで予想外に嬉しかったのがこれ。

差し替えなしでミサイルポッドが開くところですね!
脚部のミサイルポッドも上下を軸で動かしつつ、差し替えなしで開閉が可能です。
ミサイルはワンパーツなので造形的には物足りなさがありますがこういうギミックは本当に大好き!

ちなみに脚部のミサイルポッド、もしや3ミリ軸なのではとワクワクしたのですが測ってみると2.9ミリでした。
パースの破損や穴の摩耗リスクを許容できるのであれば、無理やり3ミリ穴として使うことは可能です。
一方で、ミサイルポッド(こちらにピンがある)を他商品の3ミリ穴に差し込むとゆるゆるなので、ミサイルポッドの流用はできないと思った方がいいです。
別になんでもかんでも3ミリにする必要もないんですが、3ミリでも支障がない部分は3ミリにしてくれた方が楽しみが広がるのになという無責任な消費者からの無責任な感想でした。

ガンポッドの展開は砲身のみ差し替えで、銃身の基部を伸ばすとセンサーが自動で上に上がる仕組みになっています。

デュランダルバルキリーの特徴的な武装である背中の隠顕式連装MDEビーム砲は差し替え無しの可動ギミックでいい感じ。
砲身が二段階でぐいっと伸びるのが気持ちいいですね。
形状的には背部に綺麗に折りたたみ収納できるっぽく見えますが、ロックなどはないのでけっこう隙間ができがちです。
3〜4回動かしたあたりで砲身のロックが緩くなってキープできなくなったり、砲台側の接続軸が緩くなったりと耐久面での不安がありました。

あとはギャラリーで何枚か。

造形は悪くなくそこそこ動くのである程度遠慮しながらガシガシ遊ぶにはいいですね。
ある程度遠慮しないと壊れそうな部分がいくつかあるので、ガシガシ遊ぶにもある程度遠慮してくださいね(笑)

色分け用のシールを貼らずに墨入れとペン塗りと適当なマーキングだけで十分かっこよくなりそうな色分けです。
公式の水転写デカールが別売りで用意されているので、こだわる人はこちらを合わせて購入してもいいかも?

でもやっぱ頭が大きい気がする…

ガウォーク

つづいて、ガウォークを見てゆきましょう。
まずは完成写真から。

バルキリーのガウォークってうまくいけば「バトロイドとファイターの間の不整合をいい感じに吸収できる」モードであり、失敗すると「一番割を食って微妙なフォームになる」だと思うんですが、このキットは後者寄りです。
ホバリングしながら自由に動く形態というよりは、不恰好にちょこちょこ歩きそうな形態に見えちゃった。

変形のための分解はこんな感じです。
バトロイド専用の頭部つき軸ユニットを除外して、代わりにガウォーク&ファイター専用の機種と収納頭部を持ってきます。
差し替えメインなのですが、主翼は隠されたアームで伸縮して少しこだわりを感じます。
主翼左右のエンジンユニットは軸で回転するのでガウォークのホバリング表現などにも使えるギミックです。

丸ごと余るバトロイド専用の頭部つき軸ユニット

太もも付け根のエンジンカバーは取り外し可能ですが、取り外すと内部のディテールよりも取り付け用の溝の方が目立っちゃうかも。

女児のラメ入りおもちゃみたいな感じで異質感のあるコックピット周り。
キャノピーのフレームはシールでの色分けですが、シールを貼った人の感想だと貼るのがなかなか難しいそうです。

一旦何枚かまとめて。

一応、太ももにロールがついているので脚の八の字開きを目指せるのですが、可動範囲がそんなに大きくないこととスタンドに飾った時の保持力がイマイチということとで基本的には脚はぶらーんと真下に向いちゃいそうですね。
膝ももう少し前側に深く折れてくれたらガウォーク感が出るのですが、ほぼ90度なのでほんと直立でちょこんちょこん歩く鳥みたいになってます。

もしも、完全変形だったら腰ブロックを動かして脚を前に出すなど変形の都合で入っている構造を上手く使えたのかもしれませんが、差し替えにしたことでそういう手段も無くなってます。

お気に入りはガウォークのままミサイルハッチフルオープンしたところですね!
脚が前に出せて逆噴射っぽくできたらめちゃくちゃキマっただろうに残念…

ファイター

最後はファイターです。

機首が少し大きいのか胴が少し小さいのか、なんか違和感があるのですがこんなものですかね?
ガウォークではSFとして気にならなかったバランスも、航空機に寄るとちょっと気になってしまう…

いろんな隙間が目立ってあまり美しいと言えないのが難点の一つで、差し替え変形なのにあちこち隙間ができるのは微妙な気持ちになります。

あと、尾翼にクリックとかがないのも難点ですね。
角度調整のベスポジがわからない上に、ちょっとした拍子に動いてしまいがちです。
しかし、最近こういうところに気持ちのいいクリックが入っているものを見かけないので、構造的に難しさがあるんですかね?

ガウォークから変形させると肩周りから腕のユニットが丸ごと余ります。(シールドをはずし忘れていますが、シールドは設定通りファイターのお尻につきます)

ファイター専用のブロックをかまして、各パーツをくっつけてゆく感じです。

腕などが造形されているファイター専用のパーツです。
真っ白で造形も大味。

ガンポッドは機体の下側に装着できます。
ガンポッド横の太ももパーツがパックリ分割していて、組み立て間違いかと思いましたがキットの仕様らしいです。(組み立て図にコメントあり)
気にしなければ目立たないけど、ファイターとしてこういう隙間が美しくなさすぎ…

機首は上下二つの白い大きなパーツでサンドイッチするのですが、アンダーゲートなのでここの処理が甘いとガッツリ隙間ができちゃいます。
私の写真もまだちょっと処理が甘いのでデザインナイフなどを使った方が良さそうなところ。

差し替えでランディングギアを展開させることもできます。

ファイターは角度によってはカッコよく見えるけど、角度によっては「こんな感じだっけ?」って見える部分があります。
こんな感じだっけ??

ファイターとガウォークで使う機首はコックピットにフィギュアを座らせることができます。
バトロイド用のものはコックピットはあって座席に穴はあるけどフィギュアは無しです。

バトロイドとファイターの機首でキャノピーの接続形状が違って、バトロイドの組み立てに指定されているキャノピーを使うとキャノピーを開けた感じにすることができます。
特に入れ替わっても支障がないと思うので、ファイターの方の機首にバトロイドの方のキャノピーを使った方が面白いかも。

まとめ

個人的には触ったことのないデュランダルバルキリーの立体物という点ではそれなりに楽しめるキットでした。
ただ、差し替え変形にしたことで大きなメリットがあったかと言われると「う〜ん」という感じで、差し替えなのに可動がイマイチ(軸に対して効果が薄いという意味)だったり、隙間が空いてかっちりした変形じゃなかったりでやっぱ全体的にイマイチに思えます。
完全変形に近かったマクロスデルタとかのキットと比べるとこれはもはや退化なのではと感じるレベルでした。
マクロスデルタのキットを組み立てた時にあったような「プラモでこんなにかっちり合うんだ!」「こんな複雑な変形をプラモで再現できるんだ!」「こんな複雑なのに各形態それなりのプロポーションですごい!」みたいな感動がないんです。
ドラケンIIIとかほんと凄すぎてびっくりしたんですけど、あれって7年前なんですよね。
この差し替えHGシリーズに7年間の進化が感じられるかというと個人的にはNOでやっぱ退化すら感じられます。

マクロスのキットってほんと難しいと思います。
変形しないキットに魅力を感じない人もいるでしょうし、変形もして強度もプロポーションも頑張って欲しいけどそれが難しい時の落とし所が差し替え変形なのでしょう。
完全変形であれば「完全変形なので!」の一点売りでアクションやプロポーションを犠牲にすることも受け入れられるかもしれませんが、差し替えとなると落とし所を決めるのがさらに難しくなります。
今回のキットは、この落とし所という部分で「バランスが取れている」というよりは「中途半端なもの」という印象が強かったです。
バンダイのプラモデルはRGシリーズや水星の魔女のキットなどでぐぐんとハードルが上がっている中で、あえての差し替え変形でどんなものが来るのかと思っていましたが個人的には「え!?今って平成??」って感じのものでした。

評価できるところ
・デュランダルバルキリーの変形プラモとしての初立体化
・組み立てやすい
・隠顕式連装MDEビーム砲の展開やミサイルポッドの差し替えないの開閉など気持ちのいい部分もある
・フロンティアやデルタの変形キットよりは多少ガシガシ遊べそう(弱そうな部分は色々あるけど)

イマイチなところ
・差し替え変形を選んだメリットが期待ほどではない
・差し替え変形もわりと手間
・けっこう隙間も多い
・ガウォークもうちょっとなんとかならなかった?
・お値段が割高に感じる
・クリアパーツの色

期待しすぎるとガッカリしちゃうと思うけど、「おお!デュランダルバルキリーならなんでもいいぜ!!!」って人はかなり楽しめるキットだと思います。

10月にフル装備の青いデュランダルバルキリーが出るそうなので、プレバンの拡張セットが買えなかったひとはこっちを狙っちゃう方がいいかもですね。

次は完全変形でチャレンジしてほしい!
フロンティアやデルタの頃にあったキットをさらに進化させることができるメーカーはたぶん世界中でバンダイだけなので!

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