概要
2000年代前半に大ヒットしたアーケードゲーム「甲虫王者ムシキング」の筐体が1/12スケールフィギュアになりました。
販売方法はガチャ版とブラインドボックス版の2パターンです。
ガチャ版は税込500円、ブラインドボックス版は税込660円となっており、ブランドボックス版の方には1/12スケールのミニカードが8枚ついています。
今回はガチャ版が手に入らなかったのでブラインドボックス版をご紹介します。
【ラインナップ】
2003 Ver.+ミニカードセットA
2004 Ver.+ミニカードセットB
2005 Ver.+ミニカードセットC
2006 Ver.+ミニカードセットD
各ラインナップともに筐体は共通で、各バージョンの違いは付属のシールやプレイ画面再現シートや筐体POPとなっています。
【メーカー】スタジオソータ(SO-TA)
【価格】ボックス版 660円、ガチャ版500円(ガチャ版にはミニカードがつきません)
【発売日】2023年7月下旬
【内容】ゲーム機本体 + 筐体POP + 画面シート4枚 + ミニカード8枚入り
【スケール】1/12
【サイズ】縦:約105mm(ポップを入れると13センチちょっと)、横:約38mm
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パッケージと内容
ブラインドボックス版はマットな紙質の箱でひとめでムシキングの筐体とわかるデザインになっています。
私はホビーショップで買ったのですが、値札直貼りで箱の上下は覗き見防止のためにセロテープでぐるぐる巻き、おまけに箱の底は万引き防止のためのタグがベッタリと貼り付けられていて、これらを取り除くと箱がデロデロになってしまいました…
窃盗犯による万引きや、マナーの悪い客のサーチ行為(この商品に関してはサーチもなにもない気がしますが)に悩まされて、小売店もその対策のためにコストと労力をかけてこのような状態の販売になってるんでしょうから小売店もかわいそうですが、綺麗な箱が欲しいというファンもかわいそう。
メーカー出荷時の未開封シールもかなり強いので綺麗なまま保管するのがそもそも難しいのですが、素敵なデザインの箱だったので綺麗な状態で保管したかったのでちょっと残念です。
箱の周りでラインナップや付属品がわかるようになっています。
最低限必要な情報が全て入ってくるので親切なデザインです。
箱の底にもいろいろ情報がありまして、「ピンセット推奨」はその通りでシール貼りにピンセットがあった方が楽でした。
最近100均で「シール貼り用ピンセット」みたいなのを見かけますが、私がかったそれ系のやつはピン先がまったく揃わなくてシールを掴むことができずに爪楊枝の方がマシというレベルでした。
100均でこれ系のピンセットを買うならネイルアート用のものが一番クオリティが高い気がします。
組み立て目安20分というのは大袈裟かなと感じたのですが、シール貼りに少し手間取って15分くらいかかりました。
なので20分というのは目安としては妥当かもしれません。
中身はこんな感じで、パネル状に分割された筐体とシールなどがそれぞれ丁寧に梱包されています。
ガチャのカプセルに入るようにに分割されているんでしょうが、このたくさんのパーツがカプセルから出てきて、これらが組み上がった筐体がポップ込みだと13センチ以上のサイズになるのがびっくりです。
カプセル版がどんな感じかわからないのですが、ボックス版のメリットとして紙類がしわくちゃにならないのがいいですね。
カプセル版だと程度の差はあれ、ある程度しわくちゃになってしまうと思います。
具体的な内容はこんな感じです。
プラパーツはパネル状に分割されているのがほとんどで、メインモニタやコントローラー部分は彩色済みです。
シールの枚数は多めなのですが、細かな単位に台紙が分割されていました。
こういうことするとコストがかかりそうなんですが、このおかげでカプセルに入った時もしわくちゃになりにくいメリットがありそうですね。
右上の小さなシールはSEGAのロゴなのですが、こちらは紙シールではなく透明シールになっていて質感アップに貢献しています。
スタジオソータさん、ほんとすごすぎませんか?
他のメーカーならぐしゃぐしゃになるのも気にせずに、1枚の台紙でシールつくちゃいそうですよ?
SEGAのシールも透明シールなんていう気の利いたことしませんよ?
スタジオソータさんの商品には「まぁガチャ商品だしこれくらいでいいか」みたいな手抜きが全く感じられません。
筐体のモニタの前面にアクリルパネルを挟んで質感をアップさせる仕様になっていました。
そのアクリルパネルにも保護フィルムが両面に貼られていて、カプセルにぎっしり詰め込んだとしても傷がつかないという優しすぎる心遣いです。
アクリルパネルがあるだけでもすごいのに品質に抜かりがないなんて、もうずっと感動しっぱなしですよこれ。
ボックス版にのみ付属のミニカードですが正直これは扱いにくかったです。
両面印刷ではなく片面印刷なので、切り取っても裏側は真っ白です。
両面を再現したければ切り取った後で糊などで接着することになりますが、しっかりと厚みのある紙なので2枚貼り合わせるとかなりの厚さになっちゃいます。
ハサミなどで切り取るのもかなり面倒で厚みも扱いにくいので、半分の厚さの紙で裏表横並びにプリントしてもらって、中央で折ってから貼り合わせるみたいな方式だったらまだマシだったかも?
創彩少女庭園のフィギュア(プラモ)に持たせるとこんな感じです。
かなり小さなカードなので肉眼ではあまり何のことやらわからないレベルで、マクロ撮影すると印刷の限界であることがわかります。
雰囲気アイテムとしては面白いけど、これ目当てでボックス版を買うほどではないというのがぶっちゃけの気持ちでした。
カプセル版とボックス版の価格差が160円もあるので、ディープなファン以外はカプセル版がお得だと思います。(ただ、カプセル版が売られているのをみたことがない)
取扱説明書兼組み立て説明図です。
カラー印刷の方にはカードを模した商品説明のほかラインナップとシール位置の指示が書かれています。
裏面のモノクロ印刷の方は組み立て方法が書かれています。
組み立て自体は全く難しいところがなくて、シール貼りに時間がかかるという感じでした。
ムシキング筐体フィギュア
組み立ててシールを貼って筐体の上にポップを差し込んだらこんな感じです。
こういうのってシールを貼るとシールが安っぽくなって浮いちゃいケースが多いのですが、この商品は1/1サイズの実物でも印刷(シール?)の部分がシールになっているので本当にリアルなんですよね。
そして、ポップは十分な厚さの厚紙でダイカットされているのでめっちゃくちゃ質感がいいです。
正直、これがたったの500円で売ってもらえる意味がわからないレベルです。(褒めてる)
ここからは部位ごとに拡大を。
拡大写真をみると1/12スケールって思えないくらいじゃないですか?
実は私はムシキングのことを知らないのですが、もしも当時熱中していたかたがこれをみたら感動の涙を流しまくっちゃうと思う。
だって、ムシキングのこと知らなくても感動でうるうるしちゃう仕上がりなんですもん。
画面はこんな感じ。
前面にアクリルパネルがあるので質感はめちゃくちゃいいのですが撮影が難しくて素晴らしさを伝えにくいです。
このこだわりのアクリルパネルのおかげでミニチュアとしての完成度が爆上がりしてるんです。
画面は全4種類が用意されていて、紙芝居方式で差し替えて使うことができます。
差し替える時は筐体を上下にパカっと分けて(緩いので簡単)、画面カードの裏側から指で上に送ってやって筐体上部の差し込み口から出してあげて、新しいものを差し込み口から差してあげる感じです。
差し替え時は全分解を覚悟していたのでこの仕組みはとてもありがたいです。
差し替える時にアクリル板の裏側に指紋をつけちゃわないように注意したいですね。
コントロール部分はシールで再現です。
ボタンにもそれぞれシールを貼るのですが、この辺りは極小なのでピンセットがあった方が楽です。
私の個体には筐体左側にインクの飛び散りみたいな青い点がありますが、肉眼で見たらほぼ気にならないレベルです。
写真はかなり拡大して撮影しているので荒っぽく見える部分もありますが、肉眼で見たら文句のつけようがないレベルの1/12フィギュアなんです。
筐体正面の下半分です。
シルバー部分はあらかじめ塗られているところで、その他の装飾はシールです。
ギミックがあるわけではないのですが、1/12だとこのあたりもかなり小さいので密度を感じられる部分です。
筐体裏側上部です。(写真の上の真っ白な部分はポップの裏側)
ハンドルのような部分が存在感のあるパーツになっていてしっかりと塗り分けもされています。
ハンドル部分は別パーツを接着している感じに見えました。(取り外しは不可っぽい)
筐体裏側の下部にSEGAのロゴがあります。
実物もこうなっているのかわからないのですが、本物はもしかしたらこのあたりが電源コードだったりしますかね?
繰り返しになりますが、意味がわからないくらい作り込まれていてこれが500円で提供できる仕組みがわからないです(笑)
組み合わせ例
1/12スケールよりは少し大きめですが創彩少女庭園(1/10スケール)の子と一緒に遊んでみました。
スケール感はこんな感じです。
もともと子供向けの筐体なので少し小さいはずで、その点を考慮するとバランス感は悪くないと思います。
ちょうどいい椅子がなかったのでレゴブロックで子供っぽい椅子を作って座らせてみました。
これだけでも楽しくなるすごい商品だ!
フィギュアの手にムシキングのカードを持たせたい場合は、ひっつき虫がお勧めです。
こちらはアサルトリリィの1/12シリーズと組み合わせた簡易的なジオラマです。
15センチクラスのフィギュアなら違和感なく組み合わせて遊ぶことができると思います。
ほんと、スタジオソータさんの商品にハズレなしと断言できる、今回も最高に面白いものを作ってくださいました。
まとめ
ガチャの値上げが加速していて300円〜500円が普通の世の中になってきました。
いろんなメーカーから恐ろしい数の商品が毎月次々と発売されているので、中には「400円もするのにこのレベルなの!?」ってがっかりするものと出会うことも多いです。
でも、スタジオソータさんは毎回期待をかなりいい方に裏切ってくれて、今回も出オチ的な奇抜な商品にもかかわらずまったく手が抜かれていない素晴らしいクオリティで驚きました。
「出るだけでも面白い」タイプの商品がクオリティまで完璧だと最高ですよね?
このムシキング 1/12筐体フィギュアはたぶん数年後に「あの当時、あんなイカれた商品がでてて、しかもたったの500円!」って驚かれるオーパーツ的な商品になってると思います。
ムシキングファンはもちろん、ムシキングに興味がない人でも1/12スケールの小物を集めている人には絶対に満足のゆく商品かと思います。
スタジオソータさんありがとうございます、御社が上場したら絶対に株を買います…