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[レビュー]HG 1/144 ガンダムシュバルゼッテ(ガンプラ)

2023/7/9 - ホビー, レビューバンダイ , ガンダム , おすすめ度★★★★★ , プラモデル , 水星の魔女

概要

ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』より、ガンダム・シュバルゼッテがHGで立体化!
■多彩な形態を再現可能な多目的攻防プラットフォームガーディアンが付属。機体背部に装着が可能。
■ガーディアン内部のシェルユニットはプラスチックシールで再現。
■首・腰部のボールジョイントは空間を設けた構造で前後傾の姿勢にも対応。
■開き手(左)が付属。

【付属品】
■大型専用武器×1
■開き手(左)×1
■シール×2種

価格2,090円(税10%込)
発売日2023年07月08日
対象年齢8才以上
https://bandai-hobby.net/item/5308/

くるくる動画

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パッケージと内容

水星の魔女のキットはパッケージイラストを見て「期待してたよりもかっこいい!」ってなることがよくあるんですけど、今回も完全にそれでした。
キットの写真を見た時にはあまりときめかなかったのですが、組み立てた後で「なんだこれ?めちゃくちゃかっこよくない!?」ってなったのも印象的でした。

水星の魔女のキットの中では高額寄りの2,090円(税10%込)なんですが、ランナー数は控えめでパッケージも薄めのほうのサイズでした。
でもパーツ数が多めだったのか組み立てには1時間ちょっとかかりました。
ホワイトグレーのパーツが艶消しっぽくなっていたのでプラ感が薄くなって、安っぽくならないのがいい感じでした。

シェルユニットのパターンはシールで再現されるお馴染みの方式で、発光状態か非発光状態を選択できるようになっています。
大半の人が発光状態を選びそうな気がしますがありがたい心遣いです。

シュバルゼッテの専用武器であるガーディアンの内側に貼るパターンはプラスチックシールになっています。
プリントされた薄手のプラ板がシールになっているような感じで、かっちりとシャープに仕上がり奥行きも出てくれるのが特徴です。
こちらも発光状態と非発光状態を選べます。
ここのプラスチックシールでパーツのはめ込みの溝を隠す設計になっているので、塗装派の人でもこの部分のシールは貼るのが前提になりそうです。
プラスチックシールって最近どっかで使ったなぁと気になったので思い出してみたのですが、RGガオガイガーで使いましたね!
あれもプラスチックシールのおかげでとても良い仕上がりになりました。

シュバルゼッテ

付属品は専用武器であるガーディアンと、ビームブレイド用のビーム刃です。
ハンドパーツは武器を持つための握り手が左右分あって、平手は左のみでした。
平手が似合う機体だと感じたので、平手が左右分あると嬉しかったなぁ…

段落ちっぽくなっていますが、前腕、脛、肩アーマーなどにガッツリと分割線が出ます。

組み立てた直後に想像より小さいなと感じたので、前任機であるダリルバルデと並べてみました。
アンテナを除いた頭頂高でみるとシュバルゼッテの頭のてっぺんがダリルバルデのおでこくらいの高さです。
肩の位置もだいぶ違うのですが、横幅のボリュームもあってダリルバルデがかなり大きめに見えますね。
とはいえ、シュバルゼッテのサイズ感はエアリアルと同じくらいなのでこのキットが特別小さいというわけではありません。

ダリルバルデを手にした時は出来がいいキットだなと感じていたのですが、シュバルゼッテと並べるとちょっと大味なキットに見えてしまいます。
シュバルゼッテの密度が高すぎるんだと思うんですけど、水星の魔女のキットも毎回進化していってるんだなと感じます。

まずはシュバルゼッテ本体からじっくりとみてゆきましょう。
シェルユニットの発光部はすべてクリアパーツで覆われており、かっちりと仕上がるので密度の高さに感動します。
ロービジカラーの地味な機体というイメージを持っていましたが、だからこそ発光部やツインアイが不気味に際立つというものすごく計算されたデザインなんだなとも感じました。

横と後ろから。
頭部のリング状のアンテナやリアスカートにジェターク・ヘビー・マーシナリーっぽさが出ていますね。
ダリルバルデの後継機として開発されていたけど操縦系統の技術的な問題で開発に頓挫していたところ、GUNDフォーマットを取り入れることでガンダムとして生まれ変わった機体ということで、その経緯も雰囲気にしっかりと出ていますね。

細身ながらも邪悪な不気味さもあるデザインですが、キットでは特に胸部から上のデザインと情報量が素晴らしいです。
めちゃくちゃびっくりしたのがツインアイの部分ですね。

アイマスクの中からピンク色の目玉を覗かせる方式になっているのですが、パーツの制度がとても高いのでシールや塗装に見えるくらいのクッキリさなんです。
それ以外にも頭部の色分けやパーツ構成が素晴らしくて、パーツのエッジはゆるめながらも構成としてはRGクラスの複雑さで感動しちゃいました。

下から見上げるような角度だと胸部下側のシェルユニットが怪しく光って一段と不気味でかっこいい!

肘はしっかりと曲がってくれて、肘アーマーと分離して動くのでこの辺りも動かしていて楽しいところですね。
一方で、肩アーマーはガッツリと前後ハメ合わせの分割線が出てしまっています。
段落ち処理でデザインっぽく見せられていますがちょっと違和感が強めですかね?
前腕にリボルバーのシリンダーみたいな造形があるのが気になりました。
なんかこういう装備がありましたっけ?
それとも、たまたまそういうふうに見えるだけ?

劇中のシュバルゼッテの怒涛の動きとギミックが凄すぎてすっかり見落としてたんですけど、ディランザにトドメを刺そうとした散弾っぽいやつってこのリボルバーだったんですね。
シュバルゼッテ、兄弟喧嘩が派手すぎるんよ…(笑)

膝はふくらはぎの出っ張りの関係でちょっと曲がる範囲が小さく見えますが、これ系のキットとしては必要十分な可動範囲かと思います。
膝アーマーは肘アーマーと同様に分離して残るタイプです。

下半身の可動も優秀で太もも部分は少し横に逃せばフロントアーマーを動かさなくても膝蹴りくらいまで上がります。
HGの定番加工であるフロントアーマーの左右分割もできるので、この辺りはお好みでどうぞ。

脚部の構造的には180度開脚できそうな感じなのですが、腰部分や足首の装甲がけっこう干渉するのでそこまで大きく開くことはできませんでした。
ただ、これ系のキットにしては問題ないくらいにしっかり動いてくれるので、自然な範囲での自由なポージングには何ら問題なさそう。
たくさん動くに越したことはないですが、180度開脚してもポージングに使えるかどうかは別ですもんね。

かかと部分のギミックがまたとても嬉しいやつです。
(前後わかりにくいかもですが、黒っぽいパーツの方がかかと、白っぽい方がつま先です。)
かかとパーツの先端は上を向くのがスタンダードな状態ですが、背負いものをするときなどはこれを後ろに倒すことで機体が後ろにひっくり返るのを防いでくれるのです。
かかとパーツを倒しておくとかなり安定感が出て、ある程度のポーズをつけながらの自立も余裕なのでかなり遊びやすいです。
アニメ的な設定よりもプラモのためにデザインしたみたいな構造ですけど、この方式は大歓迎です。

バックパックは左右のブロックが上下にスイングします。
グレーのシリンダー状のパーツには3ミリ穴が空いているのですが、使わない時はこのグレー部分をくるくる回し続けて3ミリ穴を裏側に隠すこともできます。

基部が上下にスイングして、3ミリ穴がくるくるロールしてくれるので汎用的なバックパックとしてもレベルが高いです。

スネにもガッツリ分割線が出てしまっていて、段落ちっぽくなっていますがここもバリバリに違和感があります。
パッケージイラストにもこの分割線がうっすら描かれてるのでそういう仕様なんだと思いますが、ちょっと無理がある?
膝下のカーブを描きながら飛び出ている部分まで一直線に段落ちが入ってるのがその原因だと思います。
ちょっと前のキットまでは分割線をうまく消す工夫みたいなのに熱心だった気がするのですが、「ややこしいこと考えず、とりあえず段落ちにしちゃえばいいや」ってやっちゃってないかなって心配になっちゃいます。
限られたパーツ数の中で設計しないといけないので苦しいところでもあるんでしょうね。
プラモデルなので気になるなら自分で対応すべきところですね。

エアリアルのエスカッシャンを参考に作られたと言われているシュバルゼッテの専用武器「ガーディアン」をみてゆきましょう。

適当なモナカ構造ではなく細かいところまでよくできている武器で、武器コレクターはこれだけを目当てに買っちゃってもいいレベルかも。

ちなみに、この大型剣のような状態は「ガーディアン・シース」と呼ばれ、ビームブレイドを軸に6つのビットステイブが剣の鞘のようにくっついた状態です。
これは剣として使うというよりは、先端にある4門のビームガトリングで攻撃するものです。

パーツ数は多いですがかっちりとした作りでポロポロ外れるような部分もありません。

ガーディアン・シースを分離させるとこんな感じです。
攻撃用の剣先のような形のビットステイブが4つ、防御用の盾のような形のビットステイブが2つです。
これらがビームブレイドを中心にくっついた状態です。

攻撃用ビットステイブの裏の発光部分はプラスチックシールです。
ここはシールというよりも「糊がついた薄いパーツ」という感じなので、シールを貼らない派の人も貼ったようが良さそうなところですね。
質感としてはすこしおもちゃっぽさが出てしまいますが、綺麗でかっちりした作りなので安っぽいという感じはしませんでした。

ビームブレイドはクリアパーツのビーム刃をつけることができます。
お互いがしなる上に奥まで入れないといけないので少しはめにくいのですが、はめてしまえばカッチリするのでこれもいい感じ。

ビームガトリングの砲門部分は1ミリくらいの極小部分なのですが、ビットステイブの裏側パーツの一部が露呈することで別パーツ感が出ています。

防御用ビットステイブは3ミリピンが折りたたみ式で収納されており、ここを使って接続したりグリップ代わりに使ったりできます。
ここも手厚い仕様でうれしい。

大きさも厚みもしっかりとある専用武器のおかげで、シュバルゼッテの個性がより引き立ちます。
大きい武器でそれなりに重量もあるのですが、組み立て直後ならどの関節も負けずにしっかりと構えることができました。

防御用のビットステイブのピンを使ってお尻の3ミリ穴に接続することもできます。
収納モードみたいなイメージですね。
もしかして、太もも横のサイドアーマー用の3ミリ穴につけたら腰に帯刀できるかと思ったのですが、太もも横の3ミリ穴が浅いのでガーディアンシースを固定することができませんでした。

同じポーズを色んな角度から撮影してみました。

自由に動く関節と、かかとパーツのサポートによる高い自立性と、大型武器のケレンミのおかげでこういうポーズがバシバシ決まるのがとても楽しいです。

いったん写真で何枚か。(スタンドは付属しません)

ここからはビットステイブの色んな装備方法をご紹介します。

組み立て説明書的には4パターンが案内されていますが、工夫次第で自由に遊べる商品ですねこれ。

ただ、ちょっと不自由に感じる面もあります。

各形態の再現には3種類の長さが違う3ミリピンを使い分けなければならず少し手がかかります。

一番短い3ミリピンははめちゃうと外しにくくて、外すためにはたまにペンチを使うことになったり…
汎用性を出すためにしかたない部分だと思いますが、ちょっと遊びにくいですね。

最初は片側フリーダムガンダムみたいな形態です。
ビットステイブのプラスチックシールを発光状態にした場合、発光面がすべて正面に向くので神秘的とも言える形態です。
頭のリングも天使の輪みたいだしほんと神々しいです。

機体に対してビットステイブが長く大きく見える形態なので迫力がありますが、かかとパーツのおかげで後ろに倒れるとかはありません。

バックパックについている3ミリ軸がロールするおかげで、ビットステイブの角度を手前にも奥にも変えることができます。

個人的にはこのモードが一番安定しているし迫力もあるしで好きかもしれない。

続いて、X型バインダーですね。
こちらも発光面が全部正面を向きながらも、左右のバランスが取れた形態です。

ややスカッとした印象になりますが、左右バランスが取れた感じになりますね。
ビットステイブは3種類の3ミリピンを使い分けて接続しないといけないのですが、長物の固定には少し弱いのでキープは難しいです。
角度決めがあるわけじゃないので手で丁寧に角度を決めないといけないのですが、キープが難しいことも手伝ってちょっと決めにくいですね。
この辺のギミックでサイズと構造の無理が出始めてます。

バックパックの基部を動かせるので、接続したビットステイブも大きく角度を変えることができます。

綺麗に角度キープさせるのは難しいのですが、細かいことを気にせずガシガシうごかすのは楽しいです。

続いて、背中に2枚、お尻に2枚というモードで2枚づつがそれぞれ表裏逆向きになります。

これも角度決めが難しいのですが、フォルムの特異性があってかっこいいです。

バックパックやリアアーマーの角度を変えるとビットステイブの角度も大きく変わるので表情づけが面白いですね。

そしてなぜかメサイアバルキリーを思い出してしまう…

最後はお尻に4つつけるモードです。

ビジュアル的には背中にX型でつけた物の誤差という感じですが、戦術的には上半身がフリーになって動きやすいとかありそう?

組み合わせと接続位置でいろんな表情になるのがプレイバリュー高めでいいですね。

あとはオリジナル形態で遊んでみます。

シュバルゼッテキャノンです。

こういうのの活躍も見てみたかったな笑

太もも横のサイドアーマを外せばビットステイブを腰につけることもできます。

工夫次第で無限の可能性を秘めているのがすごすぎませんか?

まとめ

まず、本体の出来が素晴らしく良いことと、予想をはるかに超えてビットステイブのプレイバリューが高かったのがいいですね。
進化し続ける水星の魔女シリーズのキットの中で頂点を更新した感じがあります。
ツインアイのパーツ構成とか素晴らしすぎて、逆に「こんなことできるならディランザのメインカメラももう少し何とかできたのでは!?」って思ってしまうやつでした。

一方でちょっと気になった点としては違和感を覚える段落ちモールドと、ガーディアンのビットステイブを組み替える時の3ミリピンの煩わしさですかね?

でも、全体の仕上がりから考えるとこれらは無視できるくらい小さなデメリットだと思います。

アニメの放送が終了してしまって熱が冷めてる方もいるかもしれませんが、今まで水星の魔女のキットを触り続けていた人はこれも触った方がいいやつですね!

かなりおすすめです!

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